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2015-02-10 08:52:11
フェース・ブックに投稿されたムヒカ大統領のスピーチを要約して掲載させてもらいます。3年前の2012年に、ブラジルのリオデジャネイロで開かれた「環境の未来を決める会議『地球サミット』」と呼ばれた会議でのスピーチです。この時は、当時12歳のカナダ出身の少女が小遣いをためてブラジルまでやって来、「直し方の分からないもの(地球)を、これ以上壊さないでください」と訴えたことでも知られています。
以下要約
◆世界一貧乏な大統領の、突き刺さるスピーチ「今、人間が見直すべきこと」
リオ会議(環境の未来を決める会議)でウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ大統領のスピーチが考えさせる内容だ。ムヒカ大統領は自分の資産の80%を寄付し、郊外の質素な住宅に暮らしている。 給与の大部分を財団や政府などに寄付し月1000ドル強で生活するしているという。
「私の頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。
ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。
西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億〜80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?可能ですか?それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?
なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?
資本主義の子供たち、即ち私たちが間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。マーケット経済がマーケット社会を造り、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。
私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?
このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか?どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?
我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。
私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。
ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。
このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれも無く政治問題ですし、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません。
昔の賢明な方々、セネカやアイマラ民族までこんなことを言っています
「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。
国の代表者としてリオ会議の決議や会合にそういう気持ちで参加しています。私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。
根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。
私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、世界でもっとも美味しい1300万頭の牛が私の国にはあります。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。
私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。
そして自分にこんな質問を投げかけます:これが人類の運命なのか?私の言っていることはとてもシンプルなものですよ:発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。
幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。環境のために戦うのであれば、人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であるということを覚えておかなくてはなりません」
以上 要約おわり
ムヒカ大統領が呼びかけていることは、とてもシンプルです。「足るを知る幸福」です。「むさぼらない幸福」です。
日本の総理大臣、安倍晋三氏は、アベノミクスというあつかましくも自分の名を冠した「むさぼる成長路線」にこだわり続けています。それも時代遅れの、新自由主義という経済原理に基づいてものを得意げにひけらかしているのです。もっともそれは、グローバリズムをいう形を取り、世界中に猛威を振るっています。
近い将来、グローバリズムの行き詰まりが誰の目にも明らかになり、その時世界は悲惨な様相を呈していることは確実だと思われます。いや、もう明らかになりつつあります。
しかし、安倍晋三という男は、まだまだ成長路線、アベノミクスを突っ走る考えです。どうしようもないアホとしかいいようがありません。世界の主要国のリーダーにもそろって、同じ形容詞を進呈したいと思います。
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