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アラブ全土を石器時代に戻そうとしている米国の空爆
http://www.amakiblog.com/archives/2015/02/09/#003131
2015年02月09日 天木直人のブログ
ベトナム従軍兵の経験を持つアーミテージ(元米国防次官補、国務副長官)が、かつて言う事を聞かないパキスタンのムシャラフ大統領に、「石器時代に逆戻りしたいのか」と言って脅かした事を、ムシャラフ大統領の告白でばらされたことがあった。
そのあまりの知性の無さとむき出しの恫喝のゆえに、すっかり評判を落としたアーミテージであったが、まさしくこれは米国の正体だ。
きょう発売の週刊ポスト2月20日号に掲載されているグラビア記事は、イスラム国から有志連合が奪還したシリアのコバニという街の模様が映し出されている。
それはまさに石器時代の光景だ。
我々が見る東京大空襲の光景だ。
その空爆を米国は昨年8月からイラクとシリアで1800回以上も繰り返している。
一口に空爆という言葉で片づけるが、その言葉の意味は石器時代への逆戻りだ。
そしてその空爆を、今度の人質事件をきっかけに更に激化させようとしている。
しかし、石器時代に戻した街を取り戻したところで何の意味があるというのか。
再び建設するのはそこに住む人だ。
どうして人が住めるのか。
ここまで破壊された街をかつての平和な町に再建できるというのか。
最後は地上部隊を導入してイスラム国兵士を全滅させなくてはならない。
全滅させても自爆テロは続く。
いつまでたっても米国に統治出来ないことを、我々はアフガンとイラクでこの10年余りの間に嫌というほど見て来た。
石器時代になった街はもとにはもどらない。
アラブ全土が石器時代になろうとしている。
この空爆に勝者はいない。
そんな米国の空爆に安倍首相は、テロリストには罪を償わせると叫んで参加した。
人道援助だから文句はいわせないと国会答弁までして恬として恥じない。
この救いがたい知性と想像力の欠如した人物を首相に持つ日本は不幸だ。
なぜ日本国民は70年前の過ちを再び繰り返すのだろう。
あの時は軍国主義、警察国家の中で国民はなす術がなかった。
しかしいまは違う。
その気になれば誰でも立ち上がることが出来る。
いや、立ち上がらなくてもいい。
世論調査や選挙の一票で倒せるのだ。
このまま安倍首相に改憲を許し、この国を米国に従属させていくなら、平和を願って死んでいった人たちや、平和に暮らしたいと願う後世の世代に、今を生きる我々は申し訳が立たないと思わないのか。
この問いかけは、はかり知れなく重いはずである(了)
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