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森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 民主党は長期低迷へ
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週刊実話 2015年2月12日 特大号
民主党の代表選は岡田克也氏の勝利に終わった。私は、この結果によって安倍政権の長期化が決定づけられたと考えている。前々回の総選挙で民主党惨敗の原因を作った戦犯たちが、党内権力に居座ることになってしまったからだ。
一つの選挙区から一人の当選者しか出ない小選挙区制は、風さえ吹けばドミノ倒しのように現職を破ることができるので、政権交代がしやすい仕組みだ。
しかし、政権交代実現のためには重要な条件がある。それは、政権の受け皿になりうる政党が存在することだ。民主党が政権から滑り落ちた最大の原因は、自民党と同じような政策に途中から変更してしまったこと。消費税引き上げ、原発再稼働、そして辺野古への普天間移設など、自民党と同じ政策を採るのであれば、民主党である必要はない。
だから今回の代表選では「変化」が求められた。現実に、党員・サポーターや地方議員票を含む第一回目の投票では、43歳の細野豪志氏がトップを取った。岡田氏は、野田政権で幹事長を務め、その後閣僚に就任した戦犯の一人だ。それを変えようという考え方が民主党内の主流だったのだ。
ところが、国会議員による決選投票で岡田氏が逆転で勝利した。勝負のポイントは、決選投票を前にしたわずか5分間の短い演説だった。細野氏は、2020年のオリンピック・パラリンピックを、東京だけでなく福島の被災者とともに開催するのが夢だとして、そのときまでに政権交代を実現したいとした。そのために、党内のさまざまな意見を聞き合意形成をする努力をすると約束した。
一方の岡田氏は、まず決選投票に進めなかった長妻昭氏の掲げた「格差是正」の主張に学ぶべきことが多くあったと持ち上げたうえで、自民党が示している憲法改正の方針には絶対に同意できないとしたのだ。
この時点で岡田氏の逆転勝利は決定的になったと言える。長妻氏を支持した民主党リベラル派は、もともと細野氏の安全保障観に不安を覚えていた。そこに、岡田氏が経済と安全保障分野でリベラル派を支持する発言をしたのだから、リベラル派の大勢が岡田支持に動くのは当然の成り行きだったのだ。
第一回目の投票でトップに立った細野氏は、民主党代表に一番近いポジションにいた。また、決選投票でリベラル勢力の支持を得なければ勝てないこともわかっていたのだから、細野氏は自らの安全保障観を棚上げして、自民党との対決姿勢を打ち出せばよかったのだ。自身の安全保障観を貫くことと、民主党を政権交代可能な政党に復活させることの、どちらが大切かというのが、細野氏はわかっていなかったのだろう。
その点、岡田氏は老獪だった。ただ、岡田氏が代表に選ばれたことで、民主党の戦犯たちは党内権力の座に居座り続けることになった。岡田代表は、早速幹事長に戦犯の一人である枝野幸男氏の幹事長留任を発表した。
今後、民主党は長期低迷し、その間、安倍政権は安心して暴走を重ねていくだろう。本来、民主党は、その暴走を止める役割を果たすべきなのだが、それができなくなってしまったのだ。今回の代表選挙の結果を一番喜んでいるのは、おそらく自民党だろう。
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