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ゲスト青木理さん<中>メディアの相互批判はいいが「国賊」は言ってはならない
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/156914
2015年2月4日 日刊ゲンダイ
二木 メディアの在り方について著書で批判されていますね。
青木 最近強く思うのは、僕らの世界で当たり前だと思っていたことが、軒並み当たり前ではないようにされてしまった。とくに今回の朝日問題です。メディアの相互批判はいいけど、“国賊”だとか“国益を損ねる”とは言わないでしょう。僕らの仕事は常に国益を損ねるわけですから。安倍政権を批判すれば、短期的には損ねるかもしれない。社会の問題点を書けば日本の恥をさらすことになる。しかし、長期的にはそうした報道によって問題を顕在化させ、改善していくわけです。それがメディアの役割です。
二木 朝日問題でいうと、「吉田調書」の対応も問題ですね。
青木 見出しがオーバーランしているということで「吉田調書」そのものが取り消されてしまうなんて、どう考えてもおかしい。それに対してメディアもその周辺も誰も文句を言わない。こんなこともありました。私は新聞労連のジャーナリズム大賞の選考委員をしているのですが、特別賞を「吉田調書」報道にしたのです。書き方にはいろいろ議論があるけれども、調書を入手して明るみに出したのは間違いなく一番のスクープです。そこで全会一致で決めたのです。
青木 ところが結構、抗議が来ました。ある大学院生は“国家が秘密を持つのは当然。いたずらに暴き、変な見出しを付けて世の中を混乱させた。なんて思いあがっているんだ”という内容でした。リベラルだという印象を持っていた大学院生がそういう発想を持っているんですよ。あと、朝日の会見で(朝日側から)“角度をつける”という発言が出たのです。ネタをどういう角度で斬るかということで、僕らからすれば当たり前。それに対してネット記者が“角度をつけるってあり得るんですか。事実は事実として報道するのが当然じゃないですか”と言うわけです。メディアの中で当たり前だとされていることが軒並み異常だとされて、誰も文句を言わない。ひどい状態だと思います。
二木 昨年、雑誌「世界」で池上彰さんと対談したとき、池上さんが“メディアが国益を損ねたと書き始めたらほとんど終わる”と言ったんです。気骨ある人だと思いましたね。さっきの大学院生の抗議というのは、特定秘密保護法を下から支える背景になっているなと思いますね。メディアが自由にものが言える天井がどんどん下がってきている気がします。
青木 この国は言論の自由を勝ち取ったことがないから、大切さが分かっていないのですよ。特定秘密保護法にしても、秘密はいずれ歴史の検証、市民の検証を受けなくてはならない。そういうごく当たり前のことが共有されていない。それは権利意識の教育の欠如、メディアの役割放棄、権力と一体化したメディアの体質が背景にあると思います。
◇
強者の論理で危うい方向に突き進む社会に対して、当たり前が通用しなくなり、まともな批判もできなくなっているメディアに対する厳しい批判が続いた。(つづく)
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