http://www.asyura2.com/15/senkyo179/msg/527.html
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山本太郎参議院議員が賛成できず退席した「テロ行為に対する非難決議」はタイトルの表現に違和感
「イスラム国」の邦人二人殺害事件にはあまり首を突っ込みたくない。
阿修羅や私の投稿が影響力をほとんど持っていないことは承知しているが、湯川・後藤の両氏(ヨルダン軍パイロットも)は存命と判断し、二人が今後も彼の地で生き延びるためには、彼らは亡くなってしまったという“共通認識”を発するとともにそっとしたほうがいいと思っているからである。
先日も、無関係に見えるタイトルでお二人の生存説を投稿させてもらったが、今回も生存説の投稿に同じ手法をとったのはそういう気持ちによるものとご理解いただきたい。
※ 参照投稿
「イスラム国指導者釈放 米の誤算[NHK]:二度も拘束:前指導者のザルカウィ氏も似た経歴だから誤算ではなく“活用”」
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/881.html
「イスラム国」が公表した方法とは別のかたちで殺害された可能性を完全に否定できるわけではないが、「イスラム国」が公開した二人の殺害画像を見て彼らが殺されてしまったと判断した人は、詐欺に引っかかるリスクが高いと思われるので要注意。
殺害画像を細かく解析してフェイクを指摘されている方もいるが、画像で二人の切断した生首をさらすというえぐい行為をする組織にもかかわらず、頭を失った首(胴体部)の切断部を見せていないことで、二つの殺害画像は、実際の殺害現場を撮影したものではなく、生きている二人の写真を画像ソフトで処理して作成したものと判断できる。
フェイク説に対しては画像加工処理という“手間”をかけることに疑念を抱いているひともいるようだが、頭部切断後の遺体に着替えを施し胴体側の切断部を隠すことのほうがよっぽど“手間”がかかる行為である。(死後なら別だが、生きた状態で頸部を切断すると大量の出血を伴うので、遺体に着替えを施さなければ殺害された人の“囚人服”は血まみれになっているはずである)
「イスラム国」は、切断した生首をさらすことで、殺害の“証拠”(らしいもの)にするだけでなく、それを見聞きした人の恐怖や自身の残虐性を高めようとしている。
そのような意図を考えれば、胴体側の切断部もそのまま晒した方が、証拠性も“残虐性”もより高まり効果的と言える。
ヨルダン軍パイロットの処刑画像は映画並みに凝ったものなので作成に手間も時間もかかったはずだが、湯川・後藤両氏の殺害画像は、アドビをはじめとした画像処理ソフトを使ったことがある人なら、生きた状態の写真を使って数十分で作成できるものである。
(※ ヨルダン軍パイロットも、ヨルダン政府もそう判断しているはずだが、あの映像の結末として死を迎えたとは考えていない。
ヨルダン軍パイロットの映像について言えば、ヨルダン軍パイロットがあまりに芝居(撮影)に“協力”的なことでかえって不自然な映像になっている。
ヨルダン政府に対する批判を含む声明を発する部分は、その行為と引き換えに命が助かるのなら、「イスラム国」の意向にすり寄った内容や表情でしゃべっても不自然ではなく至極当然なものである。
しかし、処刑として焼かれるシーンが本当なら、それに“協力”して得られるものはないのだから、パイロットの協力的(迎合的)な姿は奇妙と言える。
焼かれるシーンは、わざとだろうが(特定の相手へのメッセージ)、パイロットに“過剰な”演技を求めたことで作り物であることを際立たせてしまった。
なお、画像処理ソフトを使えば、火がない状況で焼かれているような動きを撮影したリソース映像があれば、それに炎上効果を付け加えることはできる。
ハリウッドに限らないが映画などで見せるえぐい殺人シーン・建物などの崩壊シーン・炎上シーンといった映像は、ご存じのように、それらを実際には実行しないままデジタル的に作成してものがほとんどである。
幾多の“見事な映像”をつくっている「イスラム国」の映像担当スタッフであれば(一般人でも画像処理ソフトが使えれば)、映画会社と同じように、“残虐非道なシーン”を作成することができる
さらに、処刑されたとするヨルダン軍パイロットの口のまわりのひげの状態から判断すると、後藤さんが掲げていたパイロットの写真は、彼が焼かれてしまうシーンを撮影したあとから撮影された可能性が高い。
彼の口のまわりのひげは、「対「イスラム国」有志連合を批判する語りの映像(剃ったばかりでひげなし)→廃墟のような場所で“処刑”される映像(ひげがぼそぼそ伸び始めている)→後藤さんが掲げた写真(ひげが黒々と覆っている)」の順で濃くなっている。
むろん、後藤さんが掲げた写真のヨルダン軍パイロットの口ひげが画像ソフトで処理されたものという可能性は否定できないが、有志連合批判映像や処刑シーン映像はそれよりもあとに公表されているから、そこまでして“生存”の証拠をつくる意味はあまりないだろう)
「イスラム国」は、米英仏などが作り上げた“イスラム過激派”組織である。
「イスラム国」は、米国+イラク中央政府(マリキ政権)+クルド自治組織+旧フセイン政権勢力によって作り上げられた“イスラム過激派(テロ組織)”である。
米国とマリキ政権は、昨年夏のイラク政府軍モスル“撤退”時に、「イスラム国」=旧フセイン派に戦車約300両を含む大量の武器・弾薬と4億ドルともいわれるドル紙幣を“供与(置いていった)”している。(なお、イラクにおける「イスラム国」の始まりは、昨年正月のファルージャにおける「政府治安部隊の不可思議な“撤退”→「イスラム国」部隊の支配」から始まっている)
また、「イスラム国」の残虐性を世界に広く伝えるため、クルド軍事組織の協力のもとヤジディ教徒を人身御供にした(全員かどうかはわからないが、「イスラム国」は、最近、拉致し奴隷にしたとされるヤジディ教徒350名を“無償”で返還している)
戦後のイラクは、米英の意向で、実質的に、シーア派多数派地域・スンニ派多数派地域・クルド人多数派地域に三分割されたと考えるとわかりやすい。(その目的など、詳細な説明は機会があれば別の投稿で行いたい)
ムスリムが多数派の国だからといって、シーア派・スンニ派などの区分けで連携や対立を推し量るとリアルな政治は見えてこない
マリキ前首相は、シーア派地域出身(建前はシーア派)ではあるが、米国の意向のもと親米シーア派勢力に支えられて首相に就いた人物にすぎない。イラクシーア派最高権威とされるシスターニ師もイラクシーア派内で一定の勢力を誇るサドル派も、スンニ派に対し過剰とも言える抑圧的な政策を採ってきたマリキ政権を支持しなかった。
「イスラム国」は、悪ぶることに命をかけているように見える奇妙な組織である。自分たちがいかに残虐非道であるかを世界中に見せることにひたすら励んでいる組織なのである。
昨年9月にイラク中部で1000人規模の虐殺を行ったという証拠写真がアムネスティインターナショナルなどから公開され非難の的となったが、その写真は、積み上げられた遺体ではなく、生きた人体が重なった状態を撮影したものである。
「イスラム国」がことさら残虐非道な行為を誇示するのは、非ムスリムの人々がイスラム過激派さらには “自然な”心情としてイスラムそのものにおぞましさや敵意を抱くようになることを目的の一つとしているからである。
話が逸れてしまったが、「イスラム国」による邦人2名の殺害を受けて国会が決議した「シリアにおける邦人へのテロ行為に対する非難決議」のタイトルを見て驚いた。
お二人がシリア領域で拘束されたことは間違いないようだが、お二人がシリアで殺害されたかどうかは確定できていないはずだからである。
「イスラム国」は、イラクとシラクをまたがる地域を実効支配していると言われているから、二人もしくは一人がイラク領内で殺害された可能性を完全に否定することはできない。
殺害場所が確定できていない状況で、わざわざ“シリアにおける”という形容が付いたタイトルにする必要はなく、「ISILの邦人へのテロ行為に対する非難決議 」といったタイトルにすべきだろう。
決議に賛成できないとして退席した山本太郎参議院議員は、賛成できなかった理由として次の三つをあげているが、それらには同意できない。
(山本参議院議委員の3理由)
「@今回の事件の検証。イラク戦争の総括を含む。
A特定の国名の明記を避けた関係各国への謝辞。
B英訳文を同時に用意する事 」
その理由は、
「@今回の事件の検証。イラク戦争の総括を含む」は、別途に必要なことだと考えているが、今回の「ISILの邦人へのテロ行為に対する非難決議 」にことさら入れ込む必要はないと思うからである。
「A特定の国名の明記を避けた関係各国への謝辞」は、決議文に「本件事案への対応に際し、ヨルダンを始めとする関係各国、国際機関及び関係者」とあるのだから、日本政府が対策本部を置き格別に世話になったヨルダンを特別に明示することは問題ないと思う。
「B英訳文を同時に用意する事 」も、日本の国会決議なのだから不要である。
決議の内容も、「ヨルダンを始めとする関係各国、国際機関及び関係者によって示された強い連帯と、解放に向けてなされた協力に対し、深い感謝の意を表明」という対外メッセージの部分を別にすれば、「中東・アフリカ諸国に対する人道支援を拡充することにより国際社会の平和に寄与するとともに、国連安保理決議に基づいて、テロの脅威に直面する国際社会との連携と取組を一層強化するよう、政府に要請する」とか、「政府に対し、国内はもとより、海外の在留邦人の安全確保に万全の対策を講ずるよう要請する」とあるように、自国政府(行政権)に対する国会(立法権)の要請が主たるものになっている。
どのみち、日本語→英語で済む話ではなく、この決議文は、日本語から様々な言語に、英訳文から様々な言語へとトランスレートされていくものである。誰かの手でそれぞれの言語に訳された結果、読み手(聞き手)に“誤解”されたとしてもしかたがない話である。
とにかく、きちんと意図が理解でき、無用な軋轢もできるだけ生じさせない日本語の文章をつくることに専心すればいい。
注文を付けるとしたら、「テロ行為は、いかなる理由や目的によっても正当化されるものではない。我が国及び我が国国民はテロリズムを断固として非難するとともに、決してテロを許さない姿勢を今後も堅持することを本院はここに表明する」ことを、最悪の「国家テロ」である米国の無人機攻撃にも適用して欲しいと言いたい。それにより、イスラム世界と西欧世界のあいだでもう少しバランスがとれた立ち位置を占めることができると思う。
※ 右派(愛国)的人士から発せられている「自己責任論」については別途投稿したいと思っている。
それはともかく、安倍首相の「テロには屈しない」という表現には違和感を覚える。
テロリストからカネか命かという取引を持ちかけられ、結果としてテロリストに殺害を許してしまった(と判断している)のだから、ある意味で「テロに屈した」わけである。
今回のようなケースでは、「テロには屈しない」という表現ではなく、「人質の命を見捨てることになっても、カネの支払いや国策の変更といったテロリストの要求には応えない」という表現しか使えない。
結果はどうなるにせよ、二人を解放するために政府は2億ドルを支払う選択をすべきだったかどうかについてあまり議論されていないのは不思議である。
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