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【イスラム国事件】山本太郎氏、決議棄権で釈明 「日本に責任ないのか?」「テロとの戦いに巻き込まれる」
http://www.sankei.com/politics/news/150206/plt1502060068-n1.html
「生活の党と山本太郎となかまたち」代表の山本太郎参院議員は6日、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が日本人を殺害したとする事件を「断固非難する」と決議した参院本会議を採決直前に退席、棄権した理由について、記者団に「事件の検証がない」などと説明し、自らツイッターに動画を公開した。詳報は次の通り。
◇
(冒頭、カメラに向かって山本氏が話し始める)
「いま(参院本会議で採決された)テロ決議案に対して、採決のボタンを押さずに退席したということで、全会一致という中で僕だけ退席をしたという状況で、記者の皆さんがいらっしゃっている状況を皆さんにお伝えします」
−−退席した理由は何か
「この全てに反対だというわけではない。このテロ決議案全てに対して問題があるとは思っていない。最初から6行目あたり(注:イスラム国のテロ行為を非難した部分など)までは、自分自身でもその部分は賛同する。その後段の段階で、やっぱり納得いかない部分というか、足りない部分があるんじゃないかと自分の中で思った」
「どういう部分なのかというと、今回の事件の検証というのを文言として入れていただきたいということを議運(参院議院運営委員会)のほうにも伝えて、代わりになる文言というか、という状況だったが、それが反映されなかったという部分が一つある」
「事件の検証もどうして必要なのかというのは、もう言うまでもないと思うが、今回の邦人の人質の殺害という部分に関する検証。それだけでなく、どうしてIS(イスラム国)という集団がここまで巨大化したのかということに関して、日本はそこに責任はないか、と。要は(2003年に始まった)イラク戦争、大量破壊兵器を保持しているといわれていたイラク戦争に対して、日本もその戦争の片棒を担いだと。ふたを開けてみて、どうだったと。何も出てこなかった」
「そのイラク戦争が終わった後の10年間、日本政府、日本社会というものは、イラクの再建というものに対してコミットしてきたか、と。イラクでは日常的に人々が虐殺されるような、IS以外にも今のマリキ政権によっても虐殺されるような状況がずっと続いていたと。空爆もされていたと。イラク政府からも。そんな生活がずっと続いている中で、われわれは社会として、政治としてもそこに目を向けてきたのかと」
「このISという土壌を生んだ責任の一端という部分には、やはり検証が必要だろうと。イラク戦争からの総括というものも含めた今回の事件のことも含む検証というものが十分になされなければいけないだろうと。その文言を短く入れたいということだったが、それはかなわなかったと」
「そして、それだけじゃなく、この文章は、この決議案に対する英訳文も必要だと思った。英訳文も一緒につけて出すべきだと。というのは、やはり事の発端、人質事件、拘束された日本人が殺されるという引き金を引いたのは、やはりこの翻訳の問題という部分も出てくると思う。国会でも取り上げられているが、皆さんご存じの通りだ。そういうところのボタンの掛け違いであったり、そういうものをなくすためには、やはりこれとともに英訳されたものを同時に出すべきではないかという提案をした」
「そして、もう1点あるが、この文章(決議)の後半にある、ヨルダンをはじめとする関係各国。確かに日本政府というか、対策本部的なものをヨルダンに置かせていただいたという部分はあるかもしれないが、実際ヨルダンは、もうすでにISによるパイロットの処刑、その部分に関しても空爆というものを始めるというような状況に至っている中で、このヨルダンを支持しますという状況になった場合に、よりテロとの戦いという部分に、この国が巻き込まれてしまう可能性があるんじゃないかと。そういう意味で、関係各国ということにとどめるということはできないだろうかという話だった」
「この3点だ。1つは、この事件の検証およびイラク戦争に対する総括であったり、過去を振り返っての総括という部分が文言として必要じゃないかと。もう一つは英訳したものが必要じゃないかと。もう一つは特定の国名を記すことによって、有志連合というところと距離がとれなくなるんじゃないかと。すでに事実上、有志連合に入っているという状況にされているが。ホンマに国内でテロを起こさないという強い思いがあるならば、距離をとる必要はあるのではないかという考えだ。賛同はできないということで退席をしたということになる」
−−反対ではないということか
「反対というわけじゃなく、先ほど言った通り冒頭から6行目に至るまでのテロ行為というものに対しての非難というものは同感であると。そうではなく、やはり後段の部分に対して、やはり足りない部分があるのではないかと。賛成はしかねると。その文言は、提案としてはこちらから出させていただいている」
(山本氏は記者とのやり取りを終え、カメラに向かって話し出す)
「こういう理由があったとしても、テロ決議に反対したということは『あいつはテロリストだ』という話になっていくのだろうが、これはすごい大事な部分だ。テロ資金の規正法とか、先の国会でもいくつかテロに関連する法律がドンドンあがっていったが、それに僕は反対した。テロってすごい。水戸黄門の印籠みたいに、これを出したら『お前ら黙れ』となるが、もちろんテロ行為は許せないし、そのことに対しては、もちろん非難することも重要であり、そうならないような対策をするべきだが、テロという名のもとに、やはり国をコントロールしやすくなるような法律づくりがもう裏で始まっているということだ。これはすべてリンクしていることというふうに考えないと、本当にドンドン首しまっていくし、表現の自由なんて、とてもじゃないけど守れないなあということだ」
「僕が今日席を立ったということだけでも、議場の中はちょっと、『なんなんだ−』みたいな非難の声とか挙がっていた。でも結局、昨日出された法案(決議案)というのは与党からのものだ。結局、与党を応援という…、だからそういう不都合なこと、この事件に関する検証であったりとか、イラク戦争にさかのぼっての検証、総括というのはやりたいわけではないから。その文言を入れたくないのだ。だとしたら、いったい何のための決議なんだって話だ。本当にテロをなくそうとしているのか、と」
[産経ニュース 2015/2/6]
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