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後藤さんと湯川さんが人質にとられている間も選挙に夢中な安倍首相
後藤さん妻に口止めして選挙、外務省の反対抑え中東歴訪…安倍官邸の人質見殺しが明らかに
http://lite-ra.com/2015/02/post-840.html
2015.02.04. リテラ
イスラム国に拘束された後藤健二さんと湯川遥菜さんの映像がアップされて以降、本サイト・リテラは一貫して官邸が救出に動いていないこと、それどころか交渉の障害になっているという事実を指摘してきた。
当初、外務省が水面下で動いていた際も、官邸は少額の身代金交渉さえ許さず、二人を放置したまま解散総選挙を強行。拉致情報が選挙に影響を与えないよう外務省の動きにストップをかけて、箝口令をしいた――。
これらの記事に対しては、安倍晋三首相の親衛隊やネトサポらしき連中が「安倍さんを攻撃するためのデマ」「真偽不明のいい加減な情報」と攻撃してきていたが、本サイトが載せたのは外務省担当記者ならほとんどが把握しているような情報ばかりだ。大手マスコミが「人命優先」「テロに屈するな」という政府の圧力に怯えて報道を自粛していた事実を活字にしたにすぎない。
実際、ここにきて、わずかながら本サイトの記事を裏付けるような報道もでてきている。
たとえば、『報道ステーション』(テレ朝系)は2月2日の放映で、外務省は11月1日に、後藤さんがシリアで音信不通になったことを把握し、その翌日には外務省は後藤さんのガイドから聞き取りを行うなど、動いていたことを報じた。
ところが、同番組によれば、昨年12月2日、後藤さんの妻のところにイスラム国から届いた身代金の要求があった少し後、外務省は後藤さんの妻に、政府としてメールを含めた直接交渉はしない、また身代金は支払わない、という趣旨を伝えていたという。
いわば外務省は、ある時点から態度を急変させ、一切の交渉を放棄していたのだ。この変化の背景には選挙に走った官邸の意向があったことは想像に難くない。
実際、イスラム国入りしたこともあるジャーナリスト・常岡浩介氏がイスラム国からのメールがあった12月2日、後藤さんの妻やシリア人の現地ガイドに対して外務省が口止めをしていたことを「女性自身」(光文社)2月17日号で明かしている
「この12月2日という日は、衆議院総選挙の告示日でした。12月14日が投票日ですから、その12日前という状況です。じつはこのとき、外務省が後藤さんの奥さんとシリア人の現地ガイドに、厳重に“口止め”をしていたのです」
「奥さんは子供を守るため、もともとメディアにさらされたくないとは思っておられましたが、外務省からの“口止め工作”について、現地ガイドがはっきりと証言しています。外務省は『後藤さんを守るためだ』と言ってきたそうですが、選挙前にこの話が出たら、安倍首相にプラスにはなりません。譲歩して助けても、助けられなくても批判されますから」
「後藤さんを守るため」というのが真っ赤な嘘だったことは、その後を見ても明らかだろう。常岡氏は「選挙前に拘束の事実が明らかになっていたら、日本政府はもっとまじめに助けていたかもしれませんね」とも語っていたが、そのとおりだ。本サイトが指摘してきたように、安倍官邸は選挙に影響を与えないよう事件そのものを隠蔽しただけなのだ。
官邸の動きをめぐっては、本サイトが知らなかった事実も明らかになっている。これも同日の『報道ステーション』が報じたことだが、そもそも外務省関係者によると、パリのテロ事件もあり、外務省は総理官邸に対して、中東訪問事自体を見直すよう進言していた。それでも、総理官邸は行くと決断したという。
また、『報ステ』は、問題になっている「支援はISILの脅威を食い止めるため」「ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」というカイロスピーチの内容についても、「総理官邸が主導して作成した」という外務省幹部の証言を報じている。
ようするに、一連の安倍首相の言動は外務省も止めるほどの、危険な挑発行動だったのだ。
だが、こうした事実は『報ステ』以外のテレビ局では一切報道していない。それどころか、日本テレビやフジテレビでは、コメンテーターも含めて安倍政権の責任を問う声自体一切なし。たとえば、2月3日には参院予算委員会で共産党の小池晃副委員長が安倍首相の演説内容を追及したが、『NEWS ZERO』(日本テレビ系)などはこの国会のやりとりさえ放映せず、そのかわりに自衛隊のテロ対策部隊の海外派遣のための体制づくりという安倍政権のPRのような映像を延々流し続けた。
こうした背景には、もちろん安倍政権の圧力がある。安倍首相は国会で小池副委員長に対して「テロリストを批判してはいけないのか!」とムチャクチャな反論をしていたが、安倍首相とその周辺にいる政治家、官僚、専門家は自分たちの政権批判には必ずこの台詞を持ち出して恫喝をかける。
いうまでもないが、テロリストに対峙し、テロを防ぐことと政権の対応を検証することはまったく別だ。ところが、安倍政権は「テロに屈しない」という錦の御旗を使って自分たちの批判を抑えにかかるのでる。
実際、外務省幹部の証言による官邸の暴走を報じた『報ステ』には、さっそく外務省から「事実と全く異なる」との抗議があったという。外務省はこの間の官邸のやり方にかなり不満をもっており、『報ステ』には次官か審議官クラスが直接証言したのではないかといわれているが、官邸に「何をいってるんだ! 抗議をしろ!」とねじこまれ、態度を一転させて抗議をしたということらしい。
おそらく、これに呼応してまたぞろ、ネトウヨやネトサポの『報ステ』攻撃が始まり、同番組はますます孤立することになるだろう。
しかもここにきて、岸田文雄外相が、イスラム国人質事件が特定秘密保護法の対象になりうることを明言した。安倍政権はなんとしてでも、自分たちの犯罪をもみ消すつもりらしい。
(編集部)
【検証!イスラム国人質事件シリーズはこちらから→http://urx2.nu/gZZU】
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