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「罪を償わせる」と公言した安倍首相の末期的危険さ
http://www.amakiblog.com/archives/2015/02/04/#003122
2015年02月04日 天木直人のブログ
これから書くことを、イラク戦争に反対して外務省をクビになった落第外交官の戯れ言と一蹴したければすればいい。
しかし、これは落第外交官だからこそ書ける日本国民に対する真面目な警鐘だ。
ヨルダンパイロットがイスラム国に焼き殺された。
女性テロリスト死刑囚の処刑がヨルダン政府によって公表されるのは時間の問題だ。
この残虐さの報復の連鎖はもはや戦争そのものだ。
戦争は人間性を奪う。戦争は勝つことがすべてに優先される。すべてが犠牲にされる。
そして日本もまた、かつては、その戦争の非人間性の被害者でもあり、加害者でもあったのだ。
いまこそ冷静になって我々は「テロとの戦い」に向かい合わなければいけない時だ。
ところが、安倍首相は何と言ったか。
イスラム国には「その罪を償わせる」と国会の場で公言した。
これは一国の首相として絶対に口にしてはいけないことだ。
それは、憲法9条を掲げる日本の首相として許されないだけではない。
イスラム国と米国の終わりのない不毛な戦争の一方に日本が加担するかどうかのこのタイミングで、決して口にしてはいけなかった。
いま安倍首相の言葉を批判する事は、イスラム国に加担する事でもなければ左翼の戯言でもない。
あの安倍首相の言葉は、決して日本や日本国民の利益にならないのだ。
安倍首相が、日本や日本国民のために、あらゆる利害得失を考えた上でそう発言したのなら、それは一つの判断だ。
その判断は間違っているが、その判断はこの国の指導者である安倍首相が決める。それは安倍首相の特権である。
いいだろう。しかし、今の安倍政権に、まともな情報と思考に基づいて、そのような重大な判断を下せる余裕も能力もないことは明瞭だ。
何よりも今の安倍首相に、その二つが決定的に欠けている事は、誰の目にも明らかだ。
そうなのだ。
あの言葉は、自らを批判するものは許さない、批判する者に対してはムキになって敵対してつぶす、という、これまでの安倍首相の個人的感情、人間性から発せられた、感情的な言葉なのである。
誰が見ても明らかな今度の中東外遊の失敗と、その対応のまずさが、よりによってイスラム国ごときに、世界の前で、名指しで批判され、恫喝された。
これ以上の屈辱はない。
未熟な安倍晋三という政治家にとっては耐えられないことなのだ。
しかし、安倍首相の幼児的な傲慢さは、これまでのように日本国内の安倍批判者に対しては許されるとしても、国際的にはまるで通用しない。
ましてやイスラム国には絶対に通じない。
それどころか完全に逆効果だ。
日本という国が、もはや常軌を逸したイスラム国に対し、戦争をはじめるべきかどうかという歴史的な瀬戸際に、この国の首相が個人的感情に任せて言動することほど、危険で愚かなことはないのだ。
もし、この国の政治家や、官僚や、メディアや、有識者が、安倍首相に逆らうことをおそれて、あるいは保身という低俗な利害から、安倍首相の末期的な暴走を誰一人として止めることができないなら、間違いなく日本は道を踏み誤る。
あの戦争前夜の軍国主義の暴走を止められなかった時とまったく同じだ。
いまの日本の深刻な状況は、いくら警鐘を鳴らしても、鳴らし過ぎることはない。
安倍首相の危険性と異常さは末期的であり、それを制止できない日本は危機的である。
この事を、いくら大声で叫んでも、叫び過ぎることはない。
イラク戦争に反対して外務省を辞めさせられた落第外交官の世迷い事と笑わうのもいいだろう。
しかし、すべては、あの時の米国のイラク攻撃から始まったのだ。
そのツケをいま米国は払わされている。
そんな間違ったイラク戦争を支持した連中が、イラク戦争の検証も出来ないまま、そのままこの国の政権の中枢に居座り続けている。
そんな連中がイスラム国との戦争に勝てるはずがない。
文句があるなら正しい解決策を見つけてからだ。
少なくとも税金を無駄遣いする事だけは止めてくれ。
これだけは、落第外交官の捨て台詞ではなく、まともな国民なら同意する事に違いない(了)
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