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有志連合の主な参加国と支援内容
日本、米主導「連合」と距離探る 安保法制への影響懸念
http://www.asahi.com/articles/ASH225JJBH22UTFK00J.html
2015年2月3日08時42分
安倍政権が過激派組織「イスラム国」の撲滅をめざす米国主導の「有志連合」との間合いの取り方に気をつかっている。難民支援など非軍事分野には積極的だが、軍事行動にからむ活動への参加は明確に否定する。自衛隊を参加させる活動に踏み出せば、通常国会に提出予定の安全保障法制に悪影響が出かねないと心配するからだ。
日本は、「イスラム国」に空爆など軍事作戦を実行する米国主導の「有志連合」に入っているのか。
「日本はもうすでに入っている」。菅義偉官房長官は2日午後の記者会見で認めた。菅氏が根拠にしたのが、米国の呼びかけで昨年12月にブリュッセルで開かれた約60カ国・地域の閣僚級会合に日本が参加したことだった。その会合では「イスラム国」対策として軍事作戦の支援や資金源の遮断、人道支援など5分野が取り上げられ、菅氏は「日本は人道支援を行っている」と述べた。
ただ、約20カ国が参加する軍事行動とは一線を画す。安倍晋三首相は2日の参院予算委員会で、空爆だけではなく、輸送や補給など後方支援にも「参加することはないし、後方支援も考えてない」と自衛隊派遣の可能性を否定した。菅氏も会見で「これには明確に日本は参加しないし、方針も変わらない」と述べ、「安保法制と今回の事案は別問題だ」と強調した。
有志連合は1月22日、ロンドンで閣僚級会議を開いたが、日本は参加しなかった。岸田文雄外相は前日までロンドンにいたが、当初の予定通り帰国した。会議には21カ国・機関が出席。日本の有志連合への微妙な距離感を象徴する出来事だった。
安倍政権は通常国会に、自衛隊による海外での後方支援を可能にする恒久法を提出する方針だ。安倍政権が有志連合に「半身」の姿勢を取るのは、対米関係には配慮しつつも、こうした安全保障法制の議論への影響を避けたい、という思いがあるからだ。
安倍政権は昨年7月の閣議決定で、「後方支援は武力の行使にあたらない活動である」と定めた。その上で、我が国の支援対象となる他国軍隊が「現に戦闘行為を行っている現場」でなければ、後方支援活動を実施できるとしている。
防衛省幹部は「閣議決定によって対『イスラム国』への有志連合に対しても理論的には後方支援ならば可能になるだろう。だが、いま『イスラム国』という具体名で安保法制を議論すると、誤解を与えて法案審議に影響が出る」と話す。(今野忍)
■米、約60カ国で包囲網ねらう
米オバマ政権は、「イスラム国に対抗する世界規模の連合(Global Coalition)」には、軍事・非軍事を問わず約60カ国が参加していると強調し、日本にも、この有志連合の一員として期待を寄せる。
「中東で新たな地上戦に引きずり込まれる代わりに、幅広い連合を率いてテロ組織を打倒する」。オバマ大統領は1月下旬の一般教書演説でこう訴えて、多国間の枠組みで立ち向かう姿勢を強調した。
米軍主導の空爆には、イラクで英仏豪など7カ国、シリアでサウジアラビアなど4カ国が参加する。イラクのクルド勢力などに武器供与や軍事訓練をするドイツやイタリア、人道支援に専念する日本のような国々も含めて有志連合と位置づけることで、世界規模の「イスラム国」包囲網を構築する狙いだ。
米国はイラク戦争の際、多国籍軍として軍事行動をする「有志連合」を呼びかけた。今回、参加の間口を広くしたのは、国境を超えて活動する「イスラム国」の資金や戦闘員の流出入を阻止するには、より多くの国々の参加が必要なためだ。
米国務省は、まだ参加国が40カ国程度だった昨年9月から、日本を参加国としていた。昨年12月には米国が主催して対「イスラム国」連合閣僚級会合を開催。日本を含めて参加した約60カ国が「連合参加国は『イスラム国』打倒のための共通戦略の下で協力する」と盛り込んだ共同声明を発表した。
オバマ政権は、アジアの日本の参加を強調し、「グローバルな取り組み」(ケリー米国務長官)と印象づける狙いがある。ケリー氏は昨年9月、対「イスラム国連合」について「日本やオーストラリアなど、欧州や中東以外の国も協力している」と語った。
さらに、難民保護などの日本の人道支援にも期待を寄せる。国防総省によると、8月の空爆開始からの戦費はこれまでに12億ドル(約1400億円)に達している。財政事情が厳しいなか、非軍事面であっても日本の資金拠出は米国の負担軽減につながる。
「罪のない人々への寛大な支援を含めた、中東及び世界の平和の促進への日本の関与を称賛する」。オバマ大統領は1月31日の声明で、日本の支援継続への期待を強くにじませた。(ワシントン=大島隆)
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■日本、「水際対策」を強化
「イスラム国」から日本人が標的にされたことで、国際テロの脅威が国内や在外公館でも高まった。警察当局にとってはいかに未然に防ぐかが課題だ。
活動の柱は、米国や欧州を始めとする海外の情報機関とのやり取りだ。今回の事件でも、日本はそうした国のほか、ヨルダンやトルコなどシリアの周辺国と水面下で情報交換したとみられている。ある警察幹部は「海外機関との情報交換は重要な仕事だ」と話す。
国内テロ対策では国内で関連情報を集めており、「イスラム国」のメンバーが入国しないよう税関当局と協力して空港や港湾で「水際対策」を強化中だ。
「国際社会と協力して犯人を追い詰め、法の裁きにかける決意で臨む」。安倍首相は2日の参院予算委員会で、英国のキャメロン首相の声明を引き合いに出して述べた。1日には、「テロリストたちを絶対に許さない。罪を償わせる」と語っている。首相は、有志連合とは一線を画す一方で、「イスラム国」と戦う国際社会と連携し、犯人に刑事罰を科す考えを鮮明にする。
警視庁と千葉県警が1日付で合同捜査本部を設置した。刑法の国外犯規定に基づき殺人容疑などで立件を目指している。首相は2日、「事件の全容解明に向け、所要の捜査を開始した。多くの国々が協力を表明し、情報の提供も頂いている」と説明した。
日本とシリアは国際刑事警察機構(ICPO)に加盟し、捜査状況を相手国の警察に問い合わせることができる。外交ルートで現場鑑識の資料や関係者の供述調書の入手も可能だ。
ただ、日本人2人が殺害されたと見られるシリア領内の「イスラム国」の支配地域については、シリア当局から捜査協力を得るのは難しい。遺体が見つからない可能性が高く、司法解剖もできない。警察幹部は「非常に厳しい状況だ」と話す。(八木拓郎)
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〈有志連合〉 国連決議によって編成される多国籍軍とは異なり、有志で集まった国々が一緒に平和維持活動や軍事介入を実施する。2001年の米同時多発テロ以降、米国は「テロとの闘い」を国際社会に広く呼びかけ、イラク戦争では同盟国以外の国々も戦争に参加し、国連決議がなくても米国を中心に軍事作戦を実施するチームに入ることを有志連合とみなした。対「イスラム国」では、米オバマ政権は多くの国々が集まっていることを強調するため、軍事行動をともにしない経済支援だけの国なども加え、「有志連合」は約60カ国・地域だと強調。日本もリストに入っている。
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