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イスラム国を挑発したとされる安倍総理のスピーチ
http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/archives/51616728.html
2015年01月29日 小笠原誠治 経済ニュースゼミ
イスラム国の人質事件で今、日本は振り回されていますが、今回の人質事件は、1月17日の安倍総理の日エジプト経済合同委員会合におけるスピーチがイスラム国側を刺激したことがきっかけになっているのではないかとされています。
確か、ISILと闘う周辺国に2億ドルの支援をするとか安倍総理が言っていましたよね。
率直に言って、ああいう言い方をすれば確かにイスラム国側を刺激するわなと、私もそのとき感じました。(但し、その件に関して政府側は、その支援はあくまでも人道支援のためであるからと弁明していました。)
ところで、本日の新聞をみると、安倍総理のスピーチの英語訳が適切ではなかったことがイスラム国を刺激してしまったのではないかという質問が昨日国会でなされたのだとか。(但し、安倍総理は英語訳は別におかしくないと言っているようですが…)
どういうことなのでしょうか?
質問者によれば、「イスラム国と戦っている国が戦闘要員や戦闘の基盤を整備するために2億ドル支援する」と、理解されたのではないか、と。
ということで、本日は、その問題のスピーチの原文と英訳を読み比べてみることにします。
先入観なしに外国人にはどのように聞こえるのか、ということを確認するために、先ず英文を先に見てみます。
We are going to provide assistance for refugees and displaced persons from Iraq and Syria.
We are also going to support Turkey and Lebanon. All that, we shall do to help curb the threat ISIL poses. I will pledge assistance of a total of about 200 million U.S. dollars for those countries contending with ISIL, to help build their human capacities, infrastructure, and so on.
如何でしょうか?
では、一文ずつ日本語に訳していきましょう。
We are going to provide assistance for refugees and displaced persons from Iraq and Syria.
「我々は、イラク及びシリアからの難民や避難民に対する支援を供与します」
We are also going to support Turkey and Lebanon.
「我々はまた、トルコとレバノンの支援を行います」
All that, we shall do to help curb the threat ISIL poses.
「これらはみな、ISILの脅威を緩和するために行うものなのです」
I will pledge assistance of a total of about 200 million U.S. dollars for those countries contending with ISIL, to help build their human capacities,infrastructure, and so on.
「私は、ISILと闘う国々に対し、人材開発やインフラ整備などを支援するため総額でおおよそ2億ドルの援助を表明します」
では、原文はどうなっているのでしょうか?
「イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」
如何でしょうか?
先ず、最初に気が付くのは、原文では「地道な人材開発、インフラ整備を含め」となっているものの、英語では「人材開発やインフラ整備などを支援するため」となっていることです。
そして、次に気になるのは、英語を聞いている人の頭には、日本がイスラム国と闘うそれらの国に2億ドルを援助するという情報が先ず頭に入り、その次に、その援助の目的が人材開発やインフラ整備のためだという補足情報が入ると思われるのに対し、原文は、先ず援助の目的を伝え、その次に、その援助の対象先と援助額を述べていることです。
これだと少しニュアンスが異なりますよね。ということで、原文で理解するよりも、英語で理解した方が、さらにイスラム国を刺激するであろうと想像されるのです。
それから、もう一つ気になることがあります。それは政府側が、今回のこの2億ドルの支援は人道支援だと言い張っている一方で、この問題の個所では、人材開発やインフラの整備支援のためと言っていることについてです。
確かに安倍総理のスピーチのなかには人道支援について言及する個所もあるのですが…でも、人道支援と言えば、普通は人命に関わる緊急の支援を指すのが普通です。つまり、周辺国に対する2億ドルの支援が人材開発やインフラ整備支援のためであるというのであれば、少なくても典型的な人道支援とは違うのです。
因みに、外務省は人道支援に関して、次のような説明をしています。
「緊急・人道支援の基本概念
国際的に、人道支援の基本原則は、(1)人道原則、(2)公平原則、(3)中立原則、(4)独立原則の4つが主であり、我が国もこれらの基本原則を尊重しつつ人道支援を実施しています。
(1)人道原則
どんな状況にあっても、一人ひとりの人間の生命、尊厳、安全を尊重すること。
(2)公平原則
国籍、人種、宗教、社会的地位または政治上の意見によるいかなる差別をも行わず、苦痛の度合いに応じて個人を救うことに努め、最も急を要する困難に直面した人々を優先すること。
(3)中立原則
いかなる場合にも政治的、人種的、宗教的、思想的な対立において一方の当事者に加担しないこと。
(4)独立原則
政治的、経済的、軍事的などいかなる立場にも左右されず、自主性を保ちながら人道支援を実施すること。」
如何でしょうか?
以上の外務省の説明を読んでいると、今回の支援は(3)の中立原則や(4)の独立原則に抵触しそうな気もするのです。つまり、イスラム国と闘う国に対して人道支援を供与するということは、この原則に抵触する、ということです。
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