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【名言か迷言か】「小沢一郎」はどこへ行くのか
http://www.sankei.com/politics/news/150202/plt1502020001-n1.html
小沢一郎氏に関心がある人は「一体、どこへ行くのか」と思いたくなる昨今だろう。
生活の党は昨年の衆院選の結果、国会議員が4人となり、政党要件を満たさなくなった。政党交付金の支給がストップする危機的状況に対し、代表だった小沢氏は山本太郎参院議員を迎えることでしのいだ。その「代償」は政党名の変更だ。山本氏の要求により「生活の党と山本太郎となかまたち」と、個人名が入る前代未聞の政党名を受け入れた。
そして、1月27日の記者会見で、「一郎、太郎」による共同代表制にすることを発表した。
小沢氏は記者会見で、同席したパートナーの能力をこう高く評価した。
「旧来の政治の手法だけではなく、国民への働きかけや対話を太郎さんの手腕、能力を通じてやっていけるという大変大きなメリットもある。とてもいい政党を形つくれた」
小沢氏は「代表の定例会見はできるだけ太郎さんにやっていただきたい」とも述べ、山本氏はうれしそうに「えへへへへ」と笑みを浮かべた。
山本氏は、党名に個人名が入っていることに他党から疑問の声が上がっていることについて「これから勢いづきそうだな、と不安を持っているのかな」と自己評価してみせた。新党名の候補に「一郎・太郎」「太郎と一郎」などが挙げられていたことも上機嫌に披露した。
両氏はまた、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件に絡み、イスラム国と相対する周辺諸国の人道支援を訪問先の中東で表明した安倍晋三首相をそろって攻撃し、イスラム国への批判はほとんど聞かれなかった。
山本氏は、ツイッターでイスラム国対策として安倍首相が表明した2億ドル支援を止めるよう主張し続けている。
記者会見でも「(中東で)イスラエルの存在はかなり微妙な立場だ。イスラエル国旗の前でテロに関して発言したのは、完全に挑発だ」と断じた。さらに「イスラム国の人たちからみても、『日本はいったいどっちの立場なんだ』『安倍という人が言っていることは日本国民の総意でいいのか』ということであるならば、この先どんどん国益が失われたり、日本国内でのテロが現実化していく」と続けた。
もっとも、山本氏の発言はある意味で「想定内」といえるだろう。
ところが、小沢氏の発言も、山本氏に同調するような内容だった。
「(首相は)イスラム国と戦争、あるいは敵対状態にある国にお金や物資を支援するということを公然と宣言した。アメリカを中心とした有志連合の立場で国際紛争にあたるということを現地で声明した。イスラム国が『自分たちの敵である』『戦争相手の一員だ』と認識するのは当たり前のことだ」
一方で小沢氏は、代表する著書「日本改造計画」(講談社)で「国連中心主義」をうたい、こう指摘している。
「実際にどのようにして、国際社会の正義と秩序を維持していくのか。それは世界の国々が加盟し、かつ唯一の平和機構である国連を中心とする以外にない」
その国連は、安全保障理事会が昨年9月、イスラム国など過激派に戦闘員として参加する外国人の処罰を加盟国に義務付ける決議案を全会一致で採択した。今年1月25日には、日本人人質の一人がイスラム国に殺害されたとの情報に対し「残虐かつ卑劣な行為だ」として、イスラム国を強く非難する報道声明を発表した。
国連はイスラム国をテロ集団として非難している。小沢氏は会見で「国連中心の旗を主張していく」と強調したものの、発言の“ズレ”は否めない。
小沢氏は、自民党に代わり得る政党の結成を目指し、民主党や維新の党などを巻き込んだ野党再編を志向する。しかし、維新幹部は「山本氏が一緒になったことで小沢氏の存在は再編の求心力ではなく、遠心力になってしまった。小沢氏が関わる再編の望みはなくなった」と突き放す。
小沢氏は、自民党や民主党の要職を経験し、時の政権を動かす姿は「剛腕」といわれた。政界の酸いも甘いも知り尽くしている。永田町最古参議員にもなった。にもかかわらず、園遊会で天皇陛下に手紙を手渡すなど不可解な言動を“売り”とする参院当選1回の山本氏に歩調を合わせているのだ。山本氏に身も心も売ったかのようにみえる。
もっとも、自民党のあるベテラン議員は、「一郎・太郎コンビ」は「一時的なものだろう」と冷ややかだ。
「小沢氏は、政党交付金が手に入れば何でもいい、という人になったのだろう」
「金への執着」がすべてだと解説した。(政治部 内藤慎二)
今週の永田町語録
(26日)
▽追い風
井上義久公明党幹事長 ことしは統一地方選の年だ。一人も欠けることなく勝利に向け頑張らなければいけない。追い風となる戦いをするため、通常国会では150日間結束して成果を上げたい。(党両院議員総会で)
▽暮らし破壊
志位和夫共産党委員長 安倍晋三首相は「岩盤規制を破壊する」として、雇用問題などで改正法案を提起しようとしている。破壊されるのは国民の暮らしだ。(党両院議員団総会で)
(27日)
▽初心に帰って
吉田博美自民党参院国対委員長 野党とも本音で話ができる信頼関係ができた。緊張感をなくした時に問題が起きるので、常に初心に帰って国会対策をしなければいけない。(記者会見で)
▽物分かり悪く
片山虎之助維新の党総務会長 政策は是々非々でも、国会運営は物分かりが悪い方がいい。野党がちゃんとしていないと、政権にいいようにやられる。(安倍晋三首相の所信表明演説が見送られたことに関し党会合で)
(28日)
▽将来に自信
安倍晋三首相 映画「三丁目の夕日」が描く半世紀前の日本は、みんな明るく前を向いて生きていた。子供たちが将来に自信を持つことができる、そんな日本をつくりあげていく決意だ。(参院本会議での答弁)
▽責任野党
馬場伸幸維新の党国対委員長 自民党でも民主党でもない責任野党を目指している。何でも反対の野党はおかしい。国民に必要かが判断の物差しだ。(国会対応方針について記者団に)
(29日)
▽非常に不愉快
安倍首相 ヤジをまるで私が言ったかのごとく紹介していたが、非常に不愉快だ。そういうイメージづくりはしないでいただきたい。(衆院予算委員会で民主党の長妻昭代表代行に)
▽資格なし
江田憲司維新の党代表 衆院本会議で、国会議員歳費が満額に戻ったのは問題だと指摘したら、自民党席から「じゃあ返せ」とヤジが飛んだ。身を切る改革に賛成しない政党に、返せと言う資格はない。(記者会見で)
(30日)
▽生まれ変わった
伊達忠一自民党参院幹事長 衆院予算委員会を見ても、審議をいたずらに止めたり延ばしたりしていない。代表選をやって生まれ変わったということかもしれないが、非常にいいことだ。(民主について記者会見で)
▽体力勝負
榛葉賀津也民主党参院国対委員長 政府でも緊張した交渉が続いており、首相や官房長官、スタッフは大変だ。つくづく政治家は体力勝負だと思う。(邦人人質事件に関し記者会見で)
[産経ニュース 2015/2/2]
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