http://www.asyura2.com/15/senkyo179/msg/148.html
Tweet |
人質事件における政府の対応3
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52683778.html
2015年01月31日 在野のアナリスト
ISILによる人質事件は、長期化の様相を呈してきました。指定された24時間経過後、沈黙しているのはヨルダン兵殺害の映像編集の時間、とみていましたが、ここまで遅れると違うようです。女性死刑囚以外に、ヨルダンが交渉をすすめているとの話も出ていますが、とにかくイスラム国の行動が、これまでの事件と異なっているため、先の読めない展開がつづきます。
もしかしたら、ヨルダンは米主導の空爆作戦、その有志連合からの離脱を含めて協議しているのかもしれません。恐らくそれが、ヨルダンが提供できる最大の譲歩だからです。国内がガタガタになり、このままでは国家体制すら危うくします。ヨルダンにとって、兵士の解放が成し遂げられないことは最早、親米国としての立ち位置すら危うくなっている、とも言えるのでしょう。
そんな米国が、人質交渉を容認する意向を示しました。というより、米国の立場を押し付ける方に問題があり、各々の国の事情を優先すればよいのです。人質交渉をするとISILを国と認めざるを得なくなる、という話も出ていますが、これまでも米国はテロ組織、犯罪組織との交渉はしてきました。ただそのときの事情で、表だっては「交渉しない」としたり、黙認したり、と変化するだけです。米国に振り回されず、日本は日本の態度を貫けばよいのですが、恐らく今は無理です。安倍政権はこの事件で、自衛隊の海外派遣を正当化するつもりですが、日本一国で行動できないことは明らかで、米軍に頼るしかない。結局それが人質交渉を阻害する、と何とも歯がゆい事態になっているのです。安倍政権の思惑がすべての元凶、とも言えるのでしょう。
そんな中、民主党の岡田代表が自衛隊の海外派遣について、議論するのは構わない、と容認する意向を示しました。ただし今回はリスクが高い、と。しかしそれも奇妙な話です。危険地帯でないなら、民間機でも構わないので、議論する必要はありません。そこそこリスクが高いところなら容認、という曖昧さでは運用に支障をきたします。もし本気で自衛隊による邦人救出を議論する気なら、危険は避けて通れないのであり、武力行使まで含めて議論しなければ、自衛隊をより危険にさらすことになるのです。それは改憲まで含めた話になるのです。
人質解放の場所として、トルコ国境付近を指定してきたことから、急速にトルコの重要性が高まってきました。しかし最初からトルコでなければならなかったのです。イスラム国の物資、人の流出入にトルコが関わっているのですから、もっとも交渉に適した国であり、また親日国としても協力的なはずなのです。有志連合にも加わらず、独自路線を貫くからこそ、交渉できるのです。結果的に、ヨルダンに対策本部をおいたことでヨルダンの国情を不安定にさせ、大きな貸しをつくってしまいました。円借款以外に、今後その代償を払いつづけなければならないのでしょう。そして今後、中東の国は人質事件に関して、日本に非協力的になるのかもしれません。そうしたことも含め、24時間をすぎたからこそ大きな戦略の転換をする必要があります。
今回の件で、ISILも日本人の重要度を認識したでしょう。悪い意味ですが『日本人はつかえる』のです。後藤氏の命をとる、という文言が徐々に薄れていき、最後の声明には何の言及もなかったように、生かしておく方向性があるのかもしれません。だからこそ、改めて日本政府は戦略を転換しなければなりませんが、今のところそういった情報はありません。後手後手、打つ手なし、それなのに、日本国内ではISILを利することになるから、安倍政権を批判してはいけない、と言います。無為無策の政権を担ぐ、日本の安全が今、一番脅かされている、といえるのかもしれませんね。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK179掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。