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2015.1.25 21:10
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/150125/wor15012521100046-n1.html
民間軍事会社と称する会社を設立し、「死ぬ覚悟が出来ている」と、紛争地域に向かった湯川遥菜(はるな)さん。湯川さんを知る人物の話や卒業文集からは、おとなしさの中、銃器への興味がにじむ少年時代がうかがえる。湯川さんはどのように、戦場に駆り立てられていったのか。
■中学時代、サバイバルゲームの思い出
「色白でおとなしい、とてもいい子。銃などに興味があったことに驚いた」
小学生時代の湯川さんを知る近所の無職男性(76)はこう打ち明ける。当時は湯川さんらを連れて、富士山に行き、おんぶしたこともあったと振り返る。
ただ、中学校の卒業文集では、ライフル型の枠内にサバイバルゲームに興じた夏の思い出を書いた。同級生だった女性(42)は「目立つタイプではなかったが、いつもにこにこ笑って、仲良しグループのまとめ役だった」と話した。
平成25年秋に記したブログで湯川さんは「いつも生きている実感が欲しいと言うか、スリルみたいなものを求めていた」と心中を吐露。自らを「旅人」と称し、ミリタリーショップ経営のほか、銃器メーカーの見本市で訪米したことなどをつづった。
■AK47を撃ち「死ぬ覚悟、出来ている」
紛争地域での護衛などを業務に掲げ、民間軍事会社と称する「ピーエムシー」を設立したのは26年1月。最高経営責任者(CEO)に就いた。
「インドやアフリカに警備会社の支店を置きたいと言っていたが、シリアに行くというのは26年4月に初めて聞き、驚いた」
ピーエムシー顧問で元茨城県議の木本信男さん(70)はこう話す。
「紛争地域で何が起きているか全てを記録してきたい」とブログに記し、湯川さんは26年4月、シリアを初訪問。現地で後藤健二さんと出会った。この時期、湯川さんは動画サイトにシリアでの動画を投稿。自動小銃AK47を撃つ動画もあり、ブログには「死ぬ覚悟が出来ている」と書いた。
木本さんは「湯川さんは(シリア反体制派の)自由シリア軍の兵隊から『護身用に持っていろと言われた』と言っていた」と明かす。「こんなことをしていたら、シリアでは殺されるのではないか」と湯川さんに忠告したこともあったといい、「愛想がよく、話も深かったが、相談する人も、友達もいなかったのではないか」と語る。
■「今までの中で一番危険かもしれない」
「再び、紛争地域の戦場へ」と題したブログに「今までの中で一番危険かもしれない」と書き、湯川さんは26年7月、再びシリアに入った。しかし、8月にシリア北部のアレッポ郊外で拘束。流血し、尋問される男性が「ハルナ・ユカワ」と名乗る動画が公開された。
一方、後藤さんは10月2日、取材でシリア入りしたが、いったん帰国。同月22日に再び出国した。24日にシリア反体制派が掌握しているシリア北部の村に赴き、シリアへはトルコ南部のキリスから入った。
25日に後藤さんはイスラム国が「首都」としているラッカへ。当初、後藤さんと行動を共にしていたシリア人男性はイスラム国行きに反対したが、後藤さんは「(イスラム国側に)知人の湯川さんの解放を求めるつもりだ」と語っていたという。
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