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人質事件における政府の対応2
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52683578.html
2015年01月29日 在野のアナリスト
ISILによる人質事件が、山場を迎えています。ISILの狙いははっきりしていて、ヨルダンが女性死刑囚の解放をすれば、後藤氏を解放する。その後、日本からヨルダンに補償があるだろうから、その補償金を渡せばヨルダン兵を解放する、となるのでしょう。つまり二段階の交渉を踏まえています。しかし4回目とされる要求では、日没までに解放されなければ、ヨルダン兵の方を殺害するとしており、後藤氏への言及がありません。これには二つの見方があって、もし交渉に失敗しても後藤氏は生かしておき、交渉材料がなくなったヨルダンから他国に交渉相手を変える。つまり後藤氏の解放について、別の国との交渉に切り替える意図があるのではないか? もう一つは、交渉が失敗した後、もっとも効果的なタイミングで次の手を打つのではないか? つまり時期について言及せず、しばらく保留、長期戦になるかもしれない、ということです。
衆院予算委でも、議題に上がりますが、私は今回の経緯をこう推測しています。多分に憶測が雑じりますし、正解ではないかもしれません。まず8月に湯川氏が拘束されたとき、ISIL側は日本という国を相手に交渉する気はなかった、とジャーナリストの常岡氏が明かしています。機関銃を手にしていた湯川氏を公正な、といっても疑わしいですが、裁判を行って処分する意向だったのであり、イスラム法学者の中田氏とともに、実際に渡航する計画があった、とします。
しかし大学生がISILに渡航しようとした事件で、中田氏、常岡氏とも公安の監視対象となり、渡航もできず、また空爆が激しくなって裁判も開かれなかった。この後、後藤氏が渡航して、捕まります。ここから、ISILは急速に金銭要求を強めます。あくまで憶測ですが、後藤氏は以前もある番組で言及していたように、保険に入っていたのでしょう。ISILと、その支払われる保険金で解放交渉をしたのではないか? ISIL側もそれに合意。しかしこの段階においてもISILに日本という国相手に交渉しよう、との意図がなく、個人間交渉に留まっています。ここで保険金が下りた形跡がない。もしかしたらISILに資金が渡ることを怖れた政府により、保険会社に圧力がかかり、支払いがストップしたのではないか? 公安が動いているならあり得る話であり、これでISILも二人の人質の扱いに困るのと同時に、日本政府に不信感を募らせることになった。
そこで行われたのが、安倍首相の中東歴訪です。恐らく、安倍氏は『ISILは日本を相手に交渉してこない』と、高をくくっていた形跡があります。解放には中東支援と同じ額の要求、というのはISILの怒りのほどが伝わります。あくまで個人として処理しようとしていた問題が、国家レベルに引き上げられた経緯はこうしたものだったのでしょう。これは外務省にも油断があったとみられます。早い段階で後藤氏の拘束をつかんでいた、という菅官房長官の話は眉唾に思えますが、情報収集はしても、個人で解決するなら手は出さない方針だったとみられます。だから現地対策本部に、政府関係者はいなかった。慌てて中山外務副大臣が対策本部に入ったこと、中東歴訪中に外務大臣も外遊中であったことなど、意表をつかれた感じがこの辺りに滲みます。
政府はISILを敵視するあまり、何度か解決するタイミングを失ってしまった。剰え怒りを買い、事態を複雑にしたばかりか、犠牲者をだしている。しかも、それを自衛隊の海外派遣の口実にしようとしている。それこそISILと、面と向かって交渉すらさせてもらえていないのに。
TPP交渉で前進、と伝わります。米豚肉業界も日本の参加について容認に転じるなど、日本がかなり妥協したとも考えられます。これもテロとの戦いに臨むに辺り、米の後ろ盾をより必要として、国益を蔑ろに交渉したなら、それもまた今回の人質事件の余波とも言えるのでしょう。安倍政権の間に失われる命と、国益と。かつて福田赳夫首相は「人命は地球より重い」と述べましたが、安倍政権の下では「安倍氏の言葉と人命は羽毛より軽い」となってしまっているのでしょうね。
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