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天木直人『テロ死刑囚の解放に踏み切ったヨルダンの衝撃』
http://blogs.yahoo.co.jp/satomikimuraoffice/folder/983092.html
2015/1/29(木) 午前 10:46 無心
元外交官であった天木氏の優れた見識が示される文章と思います。是非、そのような結果となってもらいたいです。
以下、天木直人氏の本日のメルマガより抜粋させていただきます。
『テロ死刑囚の解放に踏み切ったヨルダンの衝撃』
これから書くことは、誰も書かない事だ。書けない事だ。
「パイロットと交換にテロ死刑囚を釈放する用意がある」
このヨルダン情報相の発言をヨルダン国営放送が流した事を知って、私は身震いするほどの興奮を覚えた。
略
その理由はこうだ。
パイロットと死刑囚の交換交渉は、今に始まった話ではなく、パイロットが墜落して捕虜になって以来続けられていた。
それがまとまらなかった最大の理由は、テロに屈するなという米国の圧力があったからだ。
略
米国の圧力でヨルダン国王が踏み切れなかったのだ。
ところが、今度の邦人人質事件で、後藤氏と死刑囚の交換がイスラム国から持ち掛けられ、日本政府の強い要請でパイロットより後藤氏の解放が優先されるという懸念がヨルダン国民の間に広がった。 この国民感情を放置すればヨルダン国にまで怒りが及ぶ。
それをおそれたヨルダン国王が、パイロットと死刑囚交換に踏み切ったのだ。
もちろん、米国は反対した。
しかし、おそらくヨルダン国王はこう米国に答えたに違いない。
このままでは私は危うくなる。ヨルダンに「アラブの春」がくれば、一番困るのは米国ではないのか、と。
略
パイロットと死刑囚の交換が優先されるのか、それともパイロットと後藤氏がともに解放されるのか。
それは私にはわからない。
しかし、ヨルダンがテロ死刑囚解放に踏み切れば、イスラム国は条件次第では二人をともに解放する。
略
是非ともそうなってもらいたいものだ。
そうなった場合の敗者は米国だ。
そして、もっと惨めな敗者は日本だ。
略
ヨルダンは自国民の救済を優先して米国に対する自主外交を取り戻した。
略
米国は、テロと譲歩したヨルダンの自主外交を防ぎとめることが出来なかった。
略
ひるがえって日本はどうだ。
ヨルダンに後藤氏の救済を頼んだが、米国から、「ヨルダンを困らせるな」と一喝されて黙り込み、その後はなす術がなかった。
結果的には、ヨルダン国王の英断のおかげで、後藤氏の救済が達成されるかもしれない。
ヨルダンと日本は、ともに米国の支えが無ければ政権が持たない米国の属国のような国だ。
しかし、日本は自主・自立した外交を取り戻すことにおいて、ヨルダンにも先を超されたのだ。
その違いの最大の要因は、自国民を救う事を最優先して国王に詰め寄ったヨルダン国民の強さと、お上に従い続ける日本国民の弱さである。
略
ひょっとして、今度の事件をきっかけに、ヨルダンはイスラム国に対する敵対を止めるのではないか。
アラブの為政者は、みな反民主的であり保身優先だ。 しかし、アラブの民はお互いに通じるものがある。
ヨルダン国民は、テロとの戦いは、米国とイスラム過激派の戦いに過ぎず、その戦いの犠牲者になるのはアラブの民だと分かっている。
そんな米国のテロとの戦いに付き合うのは間違いだとアラブの民が気づき、支配者に迫る、支配者もまたそれに従わざるを得なくなった時、アラブの有志連合は崩れる。
イスラム国は、アラブに敵対することなく、欧米旧植民地国との戦いに徹するようになる。
これこそが、今度の人質事件におけるイスラム国の狙いだったのではないか。
略
そしてそれは、イスラム国問題の解決につながることにもなる。
すなわち、イスラム国問題は、決してこれ以上世界を混乱に陥れる問題に発展すせず、米国とその追従国とイスラム過激派との戦いに限定されていくことになる。
当事者が限定される戦争は、必ず国際社会の圧力で収束に向かう(了)
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