14. 2015年1月28日 01:53:43
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<後藤さん新映像>追い込まれる日本 情報収集、官邸困惑 毎日新聞 1月28日(水)1時26分配信 後藤健二さん(47)の救出に向けてヨルダンと連携してきた政府は、新たな殺害警告によって一層追い込まれた。後藤さんとヨルダン軍パイロットの2人を、ヨルダンが拘束しているサジダ・リシャウィ死刑囚と一括交換する方法を探ってきただけに、対応を誤れば両国関係に亀裂が生じるばかりでなく、後藤さん救出の道も閉ざされかねない。首相官邸や外務省は27日深夜から28日未明にかけて情報の収集と分析に追われた。【水脇友輔、鈴木美穂】 映像の投稿を受け、首相官邸に詰めていた菅義偉官房長官が政府の対応方針などを記者団に説明する予定だったが、28日午前0時半を過ぎても始まらず、首相官邸内も困惑していることをうかがわせた。 後藤さんを巡っては、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)側が身代金要求からヨルダンに拘束されている死刑囚との交換要求へと解放の条件を変えたことで日本は交渉の主導権を失い、政府は焦燥感を募らせていた。今回、ヨルダン軍パイロットを後藤さんより先に殺害すると警告され、政府の対応は一層難しくなった。 ヨルダンに派遣されている中山泰秀副外相は27日未明(日本時間同日午前)、宿泊先のホテルから現地対策本部のある日本大使館に移った。この時点で政府が後藤さんに関する何らかの新たな情報をつかんでいた可能性があるが、数時間後に記者団の前に姿をみせた中山氏は「交渉には相手があり、動いているのでコメントは控えたい」と記者団に語り、具体的な状況説明はしなかった。 岸田文雄外相は27日、ケリー米国務長官、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相、トルコのチャブシオール外相と相次いで電話で協議した。日米協議で両外相は「テロに屈することなく、国際社会とともに平和と安定のために協力する」ことを確認した。しかし、米国はISとの交渉には否定的で、米国務省のサキ報道官は26日、「われわれはテロリストに譲歩しない」と強調。日本とヨルダンに安易な人質交換に応じないよう事実上の圧力をかけた。 一方、安倍晋三首相は27日の衆院本会議で、民主党の前原誠司元代表の質問に対し、先の中東歴訪中にIS対策として2億ドル(約235億円)の支援を表明したことについて「避難民の命をつなぐため、国際社会の一員として当然の責務を果たした」と答弁した。ISに拘束された後藤さんに関して昨年11月、行方不明になった直後に首相官邸に情報連絡室を設置し、安否確認を続けてきたことも明らかにした。 首相は「中東地域の平和と安定は、わが国のエネルギー安全保障や国際的な課題への貢献などの観点から極めて重要」と強調。「リスクを恐れるあまり、テロリストの脅しに屈すると、周辺国への人道支援はおよそできなくなる」と前原氏に反論した。後藤さんと千葉県出身の湯川遥菜さん(42)以外に「人質になっている日本人の情報には接していない」とも述べた。 菅氏は27日の記者会見で、昨年8月17日に湯川さんに関する情報連絡室を設け、11月1日に後藤さんを加えたと説明した。後藤さんがトルコに住む知人のシリア人男性に「武装勢力に拘束された」と連絡したのとほぼ同じころ。後藤さんの家族に約20億円の身代金を要求するメールが届いたのはその後だ。菅氏は「事案の性質上、非公表にしていた」と述べた。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150128-00000003-mai-pol |