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ヨルダン国王と会談する中山外務副大臣/(C)AP
湯川さん殺害か 初動から“不倫大使”まで…最悪だった政府対応
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156674
2015年1月25日 日刊ゲンダイ
イスラム国による日本人2人の人質事件は、拘束中の後藤健二さん(47)が一緒に拘束された湯川遥菜さん(42)とみられる男性の殺害画像を持たされ、湯川さんが殺されたことを動画サイトで伝えたことで、新たな局面を迎えた。危険を顧みずに、イスラム国支配下に入った2人の自己責任を問う声もあがっているが、それだけでは本質を見誤る。政府の責任は極めて重大なのである。
湯川さんがイスラム国に拘束されたのは昨年8月。同10月には後藤さんが消息を絶った。ところが、外務省が「緊急対策本部」を設置したのは、事件が表面化した今月20日である。2人が拘束された情報をキャッチしていながら、数カ月にわたって無視し続けたのは、「自己責任だ」「放っておけ」という空気が外務省内で支配的だったからだという。省内には「いい迷惑だ」とまで言い放つ職員もいたそうだ。
1年前に安倍首相の肝いりで発足した「日本版NSC」も、全く役に立たなかった。これまでに行われた28回の会議では、「イスラム国」が議題になったことは一度もなく、パイプづくりも怠っていた。安倍首相だけが勇ましく「積極外交」なんてホザいていたが、その裏の危機管理は全く機能していなかったということだ。
加えて、ヨルダンの現地対策本部で指揮を執る中山泰秀・外務副大臣は、イスラム国と敵対するイスラエルと親密で、「日本・イスラエル友好議員連盟」事務局長だった。この人選にも、中東の識者たちは驚いていた。
中東各国に駐在する大使たちも頼りない。駐トルコ大使の横井裕氏は79年に外務省入省後、「チャイナスクール」に所属し、アジア大洋州局中国課長、在上海総領事、駐中国公使などを務めた中国通で、中東各国とは全くの無縁。そんなのが人質解放交渉でカギを握るといわれる駐トルコ大使なのだから頼りない。
さらに、駐イスラエル大使の松富重夫氏は96年に当時TBSアナウンサーの有村かおりとの“路上チュー”を写真週刊誌にスッパ抜かれた醜聞男だ。松富氏は当時、妻子持ちで泥沼不倫の末、99年に離婚、01年に有村と籍を入れた。フツーの会社であれば、とっくに左遷されていただろう。こんなヤカラに人質の命を預けていたのだから、暗澹たる思いになってくる。
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