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2015年01月21日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆安倍晋三首相が、「飛んで火に入る夏の虫」ならぬ「冬の虫」となった。安倍晋三首相が中東「エジプト、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ」4か国・地域訪問(1月16日〜20日、21日帰国)により、「バラマキ外交」を展開最中、1月20日、緊急ニュースが飛び込んできたからだ。
安倍晋三首相が1月17日午前(日本時間同日夕)、エジプトの首都カイロで演説し、イスラム教スンニ派過激派武装組織「イスラム国」対策としてイラクやレバノンなどに、2億ドル(約236億円)の支援を行うと約束していた。この演説が「イスラム国」を強く刺激してしまい、まんまと絡め取られた。
読売新聞YOMIURIONLINEが1月20日午後3時47分、「『イスラム国』か、日本人2人の殺害予告映像」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「AP通信によると、イスラム過激派組織『イスラム国』とみられる組織が20日、日本人2人の殺害を予告する映像をインターネット上に投稿した。解放する条件として、72時間以内に2億ドル(約236億円)の身代金を支払うように要求している。2人は『ハルナ・ユカワ』と『ケンジ・ゴトー・ジョゴ』という」
NHKの報道によると、「イスラム国」は、以下のように要求して、「72時間」という時間制限を設定している。
「日本の総理大臣へ。日本はイスラム国から8500キロ以上も離れたところにあるが、イスラム国に対する十字軍にすすんで参加した。われわれの女性と子どもを殺害し、イスラム教徒の家を破壊するために1億ドルを支援した。だから、この日本人の男の解放には1億ドルかかる。それから、日本は、イスラム国の拡大を防ごうと、さらに1億ドルを支援した。よって、この別の男の解放にはさらに1億ドルかかる」「日本国民へ。日本政府はイスラム国に対抗するために愚かな決断をした。2人の命を救うため、政府に2億ドルを払う賢い決断をさせるために圧力をかける時間はあと72時間だ。さもなければ、このナイフが悪夢になる」
安倍晋三首相は、2億ドル(約236億円)の身代金を支払うと「イスラム国」に軍資金を支援するように受け取られ、「イスラム国」が敵視している米英仏はじめ各国から批判・非難される恐れがある。支払わなければ、日本人2人が殺害される危険がある。
◆外務省は、安倍晋三首相が、カイロで行う演説で、「イスラム国」を刺激するような発言を行うのを心配していたという「積極的平和主義」を標榜して「武装強化」も辞さない構えで、調子に乗って「戦場」に接近する外交にまで踏み込んでしまった。
正確に言えば、宣戦布告して開戦される古典的な戦争に対して、現代の「テロとの戦い」は、過激派武装組織との「宣戦布告なき戦争」であり、戦場は限定されていない。極端に言えば、地球全体が戦場になり得る。
「戦争を知らない世代」の最大の弱的は、本当の戦争の経験がないということである。それも大東亜戦争(日中戦争、太平洋戦争などの複合的戦争)が敗戦により終結してから、70年を経ている。このため、戦争の重要な1要素である「情報戦」の仕方にも慣れていない。言うなれば、「怖いもの知らず」である。おまけに「無鉄砲な右寄り」ときているから、敵を刺激する不用意な発言をして、自ら窮地に陥ってしまう。これが、安倍晋三首相である。
◆このサイトの1月19日付け「有料ブログ」で、「安倍晋三首相は、特定秘密保護法施行を盾に、重要なテロ情報を機密指定してはいないかと国民の多くが不安」と題して、以下のように配信した。
「フランス・パリの政治週刊紙『シャルリー・エブド』銃撃事件(1月7日、イスラム過激派によるテロ攻撃で12人死亡、パリの路上で女性警官射殺、ユダヤ系食料品店立てこもり事件で4人の人質殺害)が起きてから、間もなく2週間になる。欧州各国では、『いつどこでテロ事件が起きるかわからない』と警戒心が強まっている。安倍晋三首相は目下、中東4か国を歴訪中で、イラクの過激な武装集団『イスラム国』に対する包囲網形成に協力姿勢を示している。このため、日本でも国民の間で『日本は大丈夫か』と不安が高まっている。だが、特定秘密保護法が2014年12月10日に施行されているので、『安倍晋三首相は、重要なテロ情報を機密指定してはいないか。万が一、テロ予告されていても国民は、対処のしようがない』と不信の目で見ている向きが増えている」
【参考引用】NHKNEWSwebが1月20日午後7時33分、「『イスラム国』“邦人殺害”と脅迫 身代金要求」という見出しをつけて、以下のように配信した。
イスラム過激派組織「イスラム国」のメンバーとみられるナイフを持って覆面をした男が、72時間以内に身代金を支払わなければ拘束している日本人2人を殺害すると脅迫する映像が、インターネット上に公開されました。この映像には、去年拘束された湯川遥菜さんとフリージャーナリストの後藤健二さんとみられる2人がオレンジ色の服を着てひざまずかされている様子が映っています。そして、2人の間に黒い服で覆面をかぶった男が立ち左手にナイフを持って英語で話しています。
この中で男は、「日本の総理大臣へ。日本はイスラム国から8500キロ以上も離れたところにあるが、イスラム国に対する十字軍にすすんで参加した。われわれの女性と子どもを殺害し、イスラム教徒の家を破壊するために1億ドルを支援した。だから、この日本人の男の解放には1億ドルかかる。それから、日本は、イスラム国の拡大を防ごうと、さらに1億ドルを支援した。よって、この別の男の解放にはさらに1億ドルかかる」と述べ、2人を解放するためには合わせて2億ドルを支払うよう要求しています。
さらに、「日本国民へ。日本政府はイスラム国に対抗するために愚かな決断をした。2人の命を救うため、政府に2億ドルを払う賢い決断をさせるために圧力をかける時間はあと72時間だ。さもなければ、このナイフが悪夢になる」と脅迫しています。この映像の信ぴょう性については、まだ分かっていませんが、冒頭にNHKの国際放送「NHKワールドTV」が日本時間今月18日の未明に放送したニュースの映像が引用されていることから、18日以降に編集されたものとみられます。シリアを管轄するヨルダンの日本大使館は「動画が配信されたことは承知している。邦人とみられる2人の殺害が予告されているが、その真偽については、現在、確認中だ。仮にこれが事実であれば、人命を盾にとって脅迫するのは許し難く、強い憤りを覚える。日本国政府としては、関係各国とも協力しつつ、早期解放に向けて、最大限の努力を尽くす所存だ」と話しています。
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