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誰も知らない選挙のウラ側、教えます
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150119-00014383-president-bus_all
プレジデント 1月19日(月)12時15分配信 内閣参与(特命担当) 飯島 勲 写真=時事通信フォト
■総理の地元で私が話したこと
写真=時事通信フォト
私は、選挙期間中の12月9日に、安倍晋三総理大臣の名代として、安倍総理の地元である山口県下関市での演説会に呼ばれた。安倍総理は他候補の応援に入るため、選挙期間中に一度も地元入りができない。そこで私に白羽の矢が立ったのだ。身に余る重責であったが、私は次のような話をさせていただいた。
「みなさん、今回の総選挙の投票日である12月14日は、忠臣蔵の赤穂浪士が討ち入りを果たした日と日本国民は認識しているかもしれませんが、ここ山口県(旧長州藩)では違うはずです。
そうです。高杉晋作が長州藩俗論派打倒のために功山寺(下関市長府)で起こしたクーデターにより決起しようとした日です。翌15日には功山寺で挙兵し、一連の戦いによって長州藩は倒幕派に統一されたのです」
今回、争点がない、大義がないと野党から散々な批判があったが、勝利をおさめたことについて、まずは喜びたい。野党候補は演説の冒頭で大義や争点がないと批判しつつ、最後には「政治の流れを変える」「消費税増税を止めるラストチャンス」と争点があるかのような訴えをしていた。自らの矛盾に気づいていないのだとすればどうかしている。
民主党をめぐる動きについて労働組合が以前のような強さを発揮できなくなっているという指摘があるが、それは組織の高齢化や弱体化というよりも、私は民主党政権のときに給与が下がり、安倍政権が給与を必死になって上げているのが原因だと思う。特に民主党政権時には、年金も含めて公務員給与を大幅カットした。それを安倍政権が元に戻したわけだが、本来の保守と革新の構図とは逆のことが起きた。
維新の勢力をほぼ維持できた江田憲司氏は、橋下徹氏の自滅待ちというスタンスになるだろう。野合でしかない選挙協力でも効果があったことは間違いなく、民主・維新連合は今後大きな力となりうるが、民主と維新が選挙協力した選挙区で、民主党の支持母体である「自治労・官公労」批判を、橋下氏が延々と繰り広げたことを考えても、野党再編で橋下氏は邪魔になる。
前回と比して、大阪小選挙区で維新の当選者は半減以下。維新全体として議席が1議席しか減らなかったのは、大阪以外の地域での奮闘のおかげだ。普通の感覚なら、橋下共同代表か松井一郎幹事長が、党職を辞任すべきだが、辞任しないとしても求心力はどんどん低下するだろう。江田氏は笑いが止まらないだろう。今後、維新の党は分裂含みで政局が推移するだろうが、今度ばかりは橋下氏が窮地に立たされることになる。
■内閣改造をしない理由
毎日新聞、大手週刊誌の選挙予測
「解散の有無」「公示日」「投票日」「(選挙序盤での)当落情勢」「選挙後の内閣改造なし」について明らかにしたところ、ものすごい反響をいただいた。評論家、メディアが指摘できなかったからだ。
「解散の有無」「公示日」「投票日」については http://president.jp/articles/-/14082 ですでに詳細を述べた。
「(選挙序盤での)当落情勢」では、私以外のあらゆるメディアが自公苦戦を予測し、私だけが自公圧勝を伝えていた。途中、野党の選挙区調整が進んだこと、さらにGDPの下方修正という予想外の指標が発表されたものの大勢に影響はなかった。極端な投票率低下が、想像以上に公明党、共産党の躍進を支えたのも言うまでもない。ただし、私にしてみれば、序盤情勢において、結果よりも優勢だった自民党が押し戻されたものとなっており、選挙戦での油断があったと考えるのが妥当だろう。
週刊誌の選挙予測は、編集部の意図を汲んだ誘導的なものになりがちで、今回もその方法論に変わりはなかった。毎日新聞や大手週刊誌が、安倍政権に負けてほしいという気持ちを持っていることが今回もよくわかった。政治ジャーナリストも日々の生活が大変なのはわかるが、ジャーナリストを名乗る以上、もう少し精度を上げるなり、矜持を持ってほしい。
「選挙後の内閣改造なし」も政権として当然の判断だ。もし、選挙という一番大きな禊が済んで、有権者からの信任を得ることができたにもかかわらず、選挙前の問題で大臣を更迭したとなれば、その人たちの政治生命はそこで終わってしまう。そうではなくて、問題が起きたにもかかわらず、総理大臣からさらなる信頼を寄せられたとあれば、その大臣たちは命がけで、安倍政権を守ろうとするだろう。「選挙後の内閣改造なし」は、人の道でもあると同時に、安倍政権をさらに強化する手段でもある。
選挙中に、「いまは歯を食いしばって生き残りますから、当選の暁にはぜひご指導ご鞭撻ください」という、ある意味、「当選したら、大臣にご推挙ください」という言葉の裏返しのようなお願いを、安倍総理以下、政権幹部が全国各地で受けていたと思うが、残念な結果になってしまったようだ(笑)。
■安倍総理で東京オリンピック!
開票翌日の新聞各紙は、自公政権による「一強他弱」が続くとあったが、それは「ポスト安倍」についても言えることだ。国政選挙で勝ち続けたことで、超長期政権が視野に入った。これまでポスト安倍と考えられていた人も求心力が相対的に弱まっている。2年後の参議院選挙の結果いかんによっては、自民党総裁の規定を変更し、安倍政権でオリンピックを迎えることも十分にありえる。もし安倍総理にその意思がなく後進に道を譲るとすれば、安倍総理に一番近い人間がその次の総理のイスに座ることになる。その人は……。
とにもかくにも、この結果で外交面では強気の交渉に臨むことができるのは間違いない。これまでの2年間以上の外交成果が得られるのは楽しみだ。内政面では消費税増税に向けて難しい舵取りを迫られるが、野党による意味のない批判に耳を傾ける必要がなくなるのだけはメリットだろう。国民の生活、国家の行く末にのみ集中してアベノミクスを断行できるからだ。選挙戦最終日、私は秋葉原で安倍総理の最後の演説を聴いていたが、聴衆の20%は動員で、80%が無党派と思われる若い人(本文冒頭の写真)たちだった。彼らのような草の根の支持がある限り、アベノミクスは永久に不滅だ。
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