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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150119-00000057-san-pol
産経新聞 1月19日(月)7時55分配信
民主党代表選の雌雄を決したのはリベラル系だった。岡田克也、細野豪志両氏の決選投票の国会議員票の差はわずか6票。1回目の投票で3位だった長妻昭元厚生労働相を支持する旧社会党の赤松広隆前衆院副議長グループの十数人が岡田氏に流れた。赤松氏らは集団的自衛権行使や原発再稼働に反対の姿勢で、岡田氏は“左旋回”せざるを得ない構図になった。保守系とのバラバラ感の払拭の道のりは前途多難だ。
◆「長妻さんにお礼」
「まず、長妻さんにお礼を申し上げたい。代表選での発言には説得力があり、勉強させてもらった」
岡田氏は決選投票直前の演説でこう切り出し、長妻陣営に猛烈にアピール。演説文を事前に用意していた岡田氏は「安倍晋三首相は憲法観を撤回しなければならない」とも語り、憲法改正を嫌う赤松氏らに最大限の配慮を示した。
これには伏線があった。岡田氏と赤松氏は17日夜、都内のホテルでひそかに会談した。「オレの処遇はいいから若いヤツを頼む」。赤松氏は近藤昭一元環境副大臣らを念頭に、決選投票の岡田氏応援の見返りとして人事での処遇を求めた。岡田氏は明確な回答は避けたが、この演説で人事や政策の方向性が大きく縛られた格好となった。
◆大畠系は細野氏
決選投票では、長妻氏を支援したリベラル系の間で対応が割れた。赤松グループとは別に、大畠章宏前幹事長のグループ(素交会)10人前後は細野氏に投票した。
細野氏は17日夜、都内で素交会幹部と会談し、支援を求めた。岡田氏との決選投票になると踏んでいた細野氏は、リベラル系の中でも保守に近い素交会を切り崩すため、ギリギリまで粘った。
そのかいもあって、岡田陣営からも説得工作を受けていた大畠氏は決選投票の直前、素交会の議員に携帯電話のメールで「細野氏支持」を指示した。
細野陣営は赤松グループに影響力を持つ輿石東参院副議長への働きかけも行っていた。ただ輿石氏の動向は最後までつかめず、「岡田陣営の水面下での働きかけが激しかった。向こうが上手だった」(細野陣営)とほぞをかんだ。
岡田氏は決選投票前の演説で、細野陣営が積極的だった集団的自衛権の行使を容認する安全保障基本法案に言及し、「自民党の考え方とあまり大きな差がない。現在の案では賛成することはできない」と明確に否定し、くさびをうった。
しかし、細野陣営は「再提出する。リベラル色が強まることはあってはならない」と鼻息が荒い。細野氏も代表選後、「岡田代表のもとで私もしっかり頑張りたい」としながらも、安保基本法案については「互いにまとまれる案をつくればいい」と、なおこだわりをみせる。
通常国会でメーンテーマとなる安全保障法制などをめぐり火種は残ったままだが、岡田氏は党をまとめる手立てとなると「丁寧に議論したい」と語るのみだった。(楠城泰介)
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