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<宇都宮徳馬の「暴兵損民」>
徳間書店から出版した、宇都宮さんの「暴兵損民」が思い出される昨今である。いまの危険極まりない日本政府の暴走ぶりを、ここ北京にいてもビリビリと感じることが出来る。連日、中国のNHKに相当するCCTVの国際ニュースは、日本の改憲軍拡政策を非難している。「五万億日元強軍」と報じて、13億人民に警戒と警鐘を鳴らしている。文字通り、宇都宮さんのいう「暴兵損民」の日本である。
<いい日本人を信じる中国人も怒る>
とうの昔に日本の財政は、敗戦時の状態に追い込まれている。いつ破産してもおかしくない国家財政である。
本来の政府であれば、政治家と官僚が増税前に自らを律する行財政大改革を実践する。報酬と人員の半減をする。しかし、今の安倍・自公内閣はこれをしない。
官はたらふく食って肥えている。民は腹をすかして病に冒されている。その上、巨額の借金のもとでも、世界と地方に金をばら撒いて、国連工作と統一地方選対策に余念が無い。
それだけではない。軍事費を戦後最大に膨らませて、改憲軍拡の銅鑼を叩いて、戦後70年に挑戦して突進している。歴史認識は戦争責任を回避する姿勢を変えない。戦前を肯定する勢いである。
これには天皇でさえ「おかしい」と批判している。金曜日に再会した、いい日本人を信じる90歳のおばあさんまでが「安倍・軍拡予算は狂っている」と怒っていた。
<狂気の国家主義者支援の創価学会とNHK>
平和運動に貢献してきた創価学会が、名誉会長のXデーに合わせて、子弟が反乱して、あろうことか国家主義の軍門に下ってしまった。これで政府の4月統一地方選は安泰という。
言葉は悪いが、レイプ・性奴隷に甘んじている宗教団体ようなのだ。これでは「生きるしかばね」であろう。恐ろしい時代の変革に、中国の日本研究者も戸惑いを見せている有様だ。
創価学会だけではない。国民に奉仕する公共放送のはずのNHKが、国民の意向に反して、ナショナリストを応援するという信じられない報道に徹してしまっている。
「日本の新聞テレビの全てが読売新聞になってしまった」といって日刊ゲンダイの心の美しいジャーナリストは嘆いて、電話してきた。宇都宮さんが心配していた「暴兵損民」は現実化してしまっている。先見の明のある識者の不安は、いま頂点に達している。
<宇都宮さんの信念と実践>
改めて、宇都宮さんの日中友好への信念に感服するばかりである。
政治家で生涯、自らの信念を貫いた人物を知らない。強いて挙げれば、大平正芳と宇都宮徳馬くらいだろう。二人の友好への信念に揺らぎは無かった。現在も日中友好団体が存在するが、それは形だけである。石原慎太郎や安倍の尖閣問題に対して、体を張った友好団体は一つもなかった。
宇都宮さんは、相手が右翼暴力団であろうとも、自らの信念を曲げることはしなかった。「中国は日本にあらゆる文化をもたらしてくれた大恩ある先生である。先生を尊敬できないようでは人間失格だよ」といって僕を励ましてくれた。宇都宮さんは、僕のお尻をずっと押し上げてくれた。そうして現在の僕がある。今の北京生活も、そこに原点がある。
自らの信念を実践した彼は、日中友好協会の会長をしたころが、この会の最盛期だった。いま彼が会長をしていれば、単身、官邸になぐりこみをしたであろう。そんな政治家だった。彼ほど勇気のある政治家は過去にもいなかった。
宇都宮さんを「戦闘的リベラリスト」と命名した共同通信の政治ジャーナリストは、中曽根ナショナリスト政権が誕生すると、そそくさと宇都宮さんを裏切って官邸の仲間になって、晩年を汚した。
言行一致の政治家やジャーナリストのいない今の日本である。それは朝日新聞にもいえる。
<「ナベツネは忘恩の徒だよ」と指弾>
中曽根政権誕生に悪しき貢献をした読売新聞のナベツネを、男にしたのはほかならぬ宇都宮さんである。彼はそれでいて、平和・軍縮という日本と日本人にとって当たり前の思想・信念を放棄して、右翼と右翼政治家と財閥の手先に成り下がって、現在のナショナリスト政権を支えている。
自己の利益・出世のためには、恩師を裏切って平然としている。そのことを僕は、彼の仲間や宇都宮さんから直接聞いている。
「ナベは忘恩の徒だよ」と厳しく指弾した宇都宮さんの心中は、察するに、いたたまれない気分にさせられる。胸が張り裂ける思いでもある。ナベツネはジャーナリストではない。
<「中曽根は大馬鹿野郎だ」とも>
宇都宮さんの衝撃は、ほかにもある。
改憲軍拡に走った中曽根康弘に対しても手厳しく批判した。戦争責任者である安倍の祖父・岸信介攻撃を断じて止めなかった宇都宮さんは、中曽根やナベツネら改憲派を「大馬鹿野郎だ」とも言って断罪した。
ことほど彼の平和主義が、寸分たりともぶれることはなかった。
<福沢諭吉に対抗「アジア主義」貫く>
宇都宮さんは講談社から「アジアに立つ」との本を書いている。それに署名して、僕にもくれた。毎月、主宰する「軍縮問題資料」が出来上がると、必ず「本澤二郎学兄」とサインしてくれた。
敗戦前に軍部批判した小論をまとめて出版した「官僚社会主義批判」は、戦後間もなくのもので、とても貴重なものである。当時の読売新聞社長が推薦文を書いていた。まともな時代の読売は、今は無い。
脱亜入欧の福沢諭吉論の非を堂々と訴えた「アジアに立つ」は、宇都宮思想の原点でもある。孫文革命やロシア革命に共鳴した父・宇都宮太郎の血筋を引いてもいた。
朝鮮人を愛した太郎・陸軍大将の信念は、息子をいち早く金日成のもとへと走らせて、彼と親しい関係を構築した最初の日本政治家となった。自民党右翼からは「アカ」と蔑称されたが、これこそが彼のかくかくたる勲章だった。
いまも1万円札は福沢である。ここに日本の大きな落とし穴があるのである。
<「明治に問題あり」とも>
明治をリードした"啓蒙思想家”福沢のそれは、アジア蔑視そのものだった。ここにアジア侵略の芽が存在した。この流れは、今もナショナリストの思想に影響を与えている。
歴史認識である。従軍慰安婦に理解を示さない安倍のそれは、祖父の影響でもある。「アジア解放の戦争」という靖国の論理も、そうである。国際社会に挑戦するファシズムそのものであろう。
「明治にも民主主義を取入れた開明派もいたが、彼らは政府の中枢で働くことは無かった。いい芽が育たなかった。明治への研究をやり直す必要がある」とも強調していた。
<「フランス革命を学べ」>
中国の指導層の多くがフランスに留学している。フランス革命を足元で学んでいる。日本はナチスのドイツに学んだ。そうして大失敗した。無数の民を殺戮してしまった。これの怨念は100年、200年続くだろう。
反省と謝罪をする日本人でありたい。開き直る日本政府に屈する隣国などいないだろう。
「日本人はフランス革命を、もう一度学ぶ必要がある」とも指摘した。天皇制への批判である。王政を打倒したフランス革命に注目せよ、というのだった。
<「天皇家を京都に帰し、自由に」>
むろん、皇室を血祭りにすることではない。
「天皇家を住まいのある京都に帰して、人間本来の自由な生活に戻してあげたい」というのが、宇都宮さんの人間主義・ヒューマニズムである。平和主義者は、右翼と違って血を流すことを嫌う。必然的に友好を基本にする。
そこから日中友好・日朝友好が生まれる。反戦平和主義でもある。軍国主義を否定して、産軍複合体に反対する。その根っこの財閥を拒絶する。財閥傀儡政権の安倍・自公体制は、戦後最悪の一番危険な政府といっていい。
<平和の敵はNHKと創価学会>
春秋の筆法を持ってすれば、平和の大敵はナショナリストを強力に支援する創価学会とNHKなどのマスコミである。
この危機的な事態を、まだ国際社会は気付いていない。このこともまた危機といっていいだろう。一命をとして、創価学会の正体を暴いてくれた戦争遺児に、この機会に改めて深甚なる敬意と感謝を述べたい。
不条理が横行する日本列島である。放射能に覆われた列島を悪魔が乗っ取って、再び軍国主義にのめりこんでいる日本である。油断大敵とは、今のアジア・世界のことである。
2015年1月18日記
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