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’17年3月に撮影された1号機原子炉内の映像。中央で浮遊する白い物体はプランクトンだと思われる(東京電力撮影)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191012-00000008-friday-soci
10/12(土) 11:51配信
FRIDAY
「何か、生物のようなモノが映っています……」
こう呟くのは、東京工業大学地球生命研究所で特命教授を務める丸山茂徳氏だ。丸山教授が見ているのは、東京電力が撮影した福島第一原発・原子炉格納容器の映像である――。
‘11年に未曽有の大事故を起こした福島第一原発。現在も廃炉に向けて格納容器内の調査が行われている。
「津波で非常用電源が失われ冷却不能に陥った格納容器内では、過熱した核燃料が溶け落ちて冷え固まりました。原子炉を解体するためには、その燃料デブリを取り除くことが必要です。しかし格納容器内は毎時8シーベルト近い高線量のため、人が調査に入れば死んでしまう(全身に浴びると1〜2週間で死亡)。そのため自走式のロボットを使い、内部を撮影し調査を続けているんです」(全国紙記者)
東電では’17年から撮影した映像を公開。そこに映っていたモノは……。丸山教授によると、多数の生物らしき物体が確認できるというのだ。
「金属部分の表面に、緑やオレンジ色をした『バイオフィルム』と呼ばれる構造体のようなモノが見えます。河原の石などに付くぬめりと同じもので、菌などの微生物が集まって出来た物体です。水中を漂う白っぽい半透明の物体(掲載画像中央)は、恐らくこのバイオフィルムが剥がれたモノやプランクトンでしょう。原子炉内には、冷却するために注入された海水や地下水が混じっています。その中にいた微生物が、混入したのではないか。酸素がある環境なら、数百種類の生物が原子炉内で生き続けているかもしれません」
‘79年に事故を起こした米スリーマイル島原発でも、原子炉から藻類などが見つかっている。人間が生きていけないほどの強烈な放射線を浴びても、死なない生物が存在するのだ。
「人は大量の放射線を全身に一度に浴びると死に至りますが、被曝でDNAが損傷しても生き続けられる生物もいます。例えば『デイノコッカス・ラディオデュランス』と呼ばれる細菌は、毎時5000グレイ(ガンマ線換算で5000シーベルト、人間なら即死)を浴びても死にません。1万5000グレイの被曝でも約4割が生き残る。こうした放射線耐性の高い生物たちが、超高線量の格納容器内にいると思われます」(丸山教授)
東電は、’21年中に1〜3号機から燃料デブリを取り出す作業を始める計画。同時に「過酷な環境でも生き続ける生物の研究をすべき」と丸山教授は話す。
「原始の地球には、極めて強い自然放射線が存在しました。そうした環境の中で生物が生まれ、進化をとげてきたと考えられています。福島第一原発原子炉内の環境はそれに近い。実験では再現できない状況が現にあるのだから、東電は炉内の水を公開するなどして生物研究に協力するべきです。生命の起源を解明する手助けになる可能性があります」
未曾有の事故を起こした原子炉内から、生命の起源を解明する手掛かりが見つかるかもしれない。
取材・文:桐島 瞬(きりしま・しゅん)
ジャーナリスト ’65年、栃木県生まれ。プロ野球から原発問題まで幅広く取材。「FRIDAY」「週刊プレイボーイ」「週刊朝日」など雑誌を中心に活躍する。
FRIDAYデジタル
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不思議だね、ほんと不思議!
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