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南極はかつて森だった、古代の木の化石を発見
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171120-00010001-nknatiogeo-sctch
11/20(月) 7:01配信 ナショナル ジオグラフィック日本版
2億6000万年以上前、白夜や極夜にも適応していた?
米ウィスコンシン大学の教授、エリック・ガルブランソン氏とジョン・イズベル氏は夏の南極を探検していた。
気温は氷点下。猛烈な風が吹き、太陽は24時間休みなく照りつける。ガルブランソン氏、イズベル氏と国際研究チームのメンバーはパーカを何枚も着込み、化石の破片を探した。探検隊は2016年11月から2017年1月にかけて、雪をかぶったマッキンタイア岬の斜面を登り、南極横断山脈の灰色の堆積岩を調査した。そして、13個の化石の破片を発見。すべて木の化石で、地球史上最大の絶滅が起きた約2億6000万年前より古いものだ。
この発見は、世界で最も寒く乾燥した大陸に、かつて緑の森があったことを示唆している。
極地に適応した木々が繁栄していた
ガルブランソン氏は「南極大陸は今よりはるかに温暖湿潤でした」と話す。当時の南極大陸は深い森に覆われ、極地の過酷な環境に耐えられる限られた種が生態系を形成していた。現代で言えば、シベリアの針葉樹林タイガのようなものだ。
「奇妙なことに、今回の調査現場とタイガは緯度もほぼ同じです」
今回採取された化石は古代の木の生物学的、化学的な性質を維持しているため、高緯度の生態系についてより詳しく調べ、大量絶滅を生き延びた植物とそうでない植物の違いを解明する助けになるだろう。さらに、木の内部からは、微生物や菌類の化石も見つかっている。
また、今回採取された化石の破片は米イエローストーン国立公園の化石の森とよく似ている。イエローストーンの森は、生きた木が火山物質の下に埋もれて化石化したものだ。
「これらは、世界で最も保存状態の良い化石植物の一つと言っていいでしょう」とガルブランソン氏は話す。「木の中にいた菌類はおそらく短い期間で石化したはずです。木がまだ生きているうちに化石になったものもあるでしょう。とにかく、すべてが驚くほどの速さで起きました。もしその場にいたら、目撃者になることもできたはずです」
ガルブランソン氏らによれば、今回採取した先史時代の植物たちは、季節変化に素早く対応しており、1カ月以内に対応していた可能性さえあるという。現代の植物は、季節の移行に数カ月かかるが、古代の木は真っ暗な冬と太陽が沈まない夏に素早く適応していたと思われる。
「どういうわけか、これらの植物は4〜5カ月の真っ暗闇だけでなく、4〜5カ月の真っ昼間でも生き延びることができました」とガルブランソン氏は話す。「どのようにしていたのかはっきりとはわかりませんが、とにかく、ちゃんと対応していたのです」
大量絶滅
2億9900万〜2億5100万年前のペルム紀は、超大陸ゴンドワナの面積が最も大きくなった時期だ。現在の南極、南米、アフリカ、インド、オーストラリア、アラビア半島を含むゴンドワナは当時、過酷な環境にあった。南の大部分は氷冠に覆われ、太陽が沈まない夏と真っ暗闇の冬が絶え間なく繰り返されていた。一方、北部は強烈な暑さで、季節の変化が大きかった。
ペルム紀末に大量絶滅が起きるまで、先史時代の生物たちはこうした気候の激動に適応していた。ガルブランソン氏によると、大量絶滅の原因は、現在のシベリアで発生した火山活動である可能性が高いという。これにより、海洋生物の90%、陸生生物の70%以上が絶滅し、後の時代に恐竜が繁栄する基礎となった。
研究チームは近いうちに再び南極を訪れ、調査を継続する予定だ。イズベル氏らはすでに出発しており、ガルブランソン氏も11月23日に現地で合流することになっている。
「もちろん南極は今でも、人間が生活するには寒く過酷な場所です」とガルブランソン氏は語った。
文=Elaina Zachos/訳=米井香織
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