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・NASA
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黒点0が定着しつつある中で
右サイドに「 2016年下半期(7-12月)のアクセス Best7」というものを掲載していますが、その集計をしていて、この期間に最もアクセスのあった記事が、
・太陽黒点数が「0」となった2016年6月からの世界は
2016/06/06
だったことを知りました。
あるいは、昨年1年間を通しても、これが最もアクセスの多い部類の記事の可能性があります。この記事の日付を見ますと、まあ、どうでもいいことですが、2016年6月6日となっていまして、下3桁の数字が「 666 」と収まっていたことも今知りました。
「もっとも人気があったのは 666 か……」と呟きながら、しかし、その時の黒点0の時がターニングポイントだったことも思い出します。
いずれにしても、昨年は、太陽黒点が0になっていくことについて、ご興味をもたれている方が数多くいらっしゃったということになるのかもしれません。
しかし、上の記事を書いた昨年6月には、黒点が0になったとはいっても、下の表のように、わりと黒点がそれなりに出ていた中で「突然、0になった」という感じでした。
NICT
この頃は、まだ、黒点0になるのがイレギュラーな感じでしたが、しかし、2017年の今は違います。
今は次第に、「黒点0が定番の状態」となりつつあります。
冒頭に載せましたように、今年は、元旦から黒点0の日が続いていまして、2017年に入って以来、1月1日、2日、4日、5日、6日、7日、そして今日 8日と、黒点ゼロの日が続いています。
・NICT
昨年末から、この傾向が急速に顕著になってきていました。
下は 2016年12月9日から 1ヶ月間の黒点数の推移です。
・NICT
ここ1ヶ月ほどは、黒点0が何日か続き、たまに少し黒点が出て、また黒点0に、という繰り返しとなっていました。そして、今年に入ってからは、黒点0の日が優勢となっています。
歴史的に弱い太陽活動はさらに弱くなるのかどうなのか
なお、2017年は 1月8日までの 8日間で「黒点0の日が 7日」となっていますが、過去 10年間はどのような推移だったかといいますと、下のようになります。
2009年から2016年までの「黒点0」の日の日数
・2009年 黒点0の日は 260日(全体の 71%)
・2010年 黒点0の日は 51日(全体の 14%)
・2011年 黒点0の日は 2日(全体の 1%未満)
・2012年 黒点0の日は 0日(全体の 0%)
・2013年 黒点0の日は 0日(全体の 0%)
・2014年 黒点0の日は 1日(全体の1%未満)
・2015年 黒点0の日は 0日(全体の 0%)
・2016年 黒点0の日は 32日(全体の 9%)
この推移は、太陽活動の通常の流れと大体は同調するもので、特に妙な部分はないですが、今後の比較的長いスパンの中で、この「黒点0の状態」が、どのくらいまで増大するかということが、今後の問題となります。
・太陽活動が弱い時代 → 黒点が0の日が多い
ということになりますが、過去記事の、
・歴史的に弱い太陽活動だったサイクル24の次の「新しい時代の新しい太陽活動」はどんな方向に?
2016/03/28
などで記しましたように、現在までの 12年間ほど続いたサイクル 24という太陽活動周期は、歴史的に非常に弱い太陽活動の時代で、「太陽黒点観測が始まって3番目に弱い」ものであり、さらにいえば、過去 200年ほどで最も弱い活動の期間でもあります。
下のグラフは、1749年に観測が始まった太陽黒点数の各太陽活動周期ごとの「差」を表したものです。
グラフが上を向いていれば、「通常より高い太陽活動」となり、グラフが下を向いていれば、「通常より弱い太陽活動」ということになります。
・kaltesonne.de
現在のサイクル 24は、全体を通してみても、ダルトン極小期と呼ばれていた時代以来、180年ぶりの低い太陽活動を示していることがわかります。
このような「黒点のあまり出ない時代」は、歴史的には、寒冷化の時代に入ることが多かったですが、では、今後はどうなるのか。太陽活動が弱い時代がさらに加速していくのか。あるいは、活動状況が反転して太陽活動が強い時代に向かっていくのか。
これには様々な推測が存在するかと思いますが、現在の太陽の磁場の状態(南と北の差異が非常に大きい)などから、現在ある一般的な学説では、
「太陽黒点は今後も減り続ける状態(太陽活動が弱い状態)が長く続く」
というのが比較的違和感のない考えではないかとは思います。
kaltesonne.de
過去記事の、
・精度97%の「2030年までのミニ氷河期突入」予測は、その発表の元となったロシア人女性物理学者の「太陽活動の解析予測の実績」から実現確実な状勢に
2015/07/22
の中で、今後 30年以内に、ミニ氷河期ともいえる寒冷化が到来する可能性についての予測をご紹介したことがありますが、その中で、モスクワ国立大学の物理学者であるヘレン・ポポワ博士は以下のように述べています。
「私たちの時代の最大の気温の低下は、次の3つの太陽サイクル( サイクル25、サイクル26、サイクル27)に訪れることを示し、それはこれからの約 30年の間におとずれます」
私自身は、この「寒冷化の到来」という概念をゴリ押しするつもりはないですが、このような意見はとても多く、その中には、
・ミニ氷河期は「2015年にすでに始まって」おり、今後「200年から250年間続く」というロシア科学アカデミーの科学者たちの主張が公開された
2016/11/05
という記事でご紹介した、世界最大級の学術データベース「サイエンスダイレクト」に掲載されたロシアの科学者たちによる論文のように、
「ミニ氷河期は2015年にすでに始まっている」
とする学説も存在します。
なぜ、寒冷化について多くの科学者たちが主張するかというと、簡単にいうと「寒冷化は、人類に苛酷な環境をもたらすため」ですが、それは、過去の寒冷化の際の話であり、文明が進んだ(と人類が思い込んでいる)現在では、多少過去とは違うのかもしれません。
現時点では、太陽活動が今後、今よりもさらに弱くなるかどうかはわからないとはいえ、仮にそうなった場合、
・気温への影響(太陽活動が長期間低下すると気温が下がる)
・太陽活動が低下すると宇宙線が増加するため、その影響が出る(たとえば「雲」が増加する)
ということが、今後の比較的長いスパンで起きてくる可能性があると共に、以下の説は主流の学説ではなく、そういう主張もあるという程度のものですが、
・宇宙線が増加すると「地震」と「火山噴火」が増える
というものもあります。
いずれにしても、太陽活動が今後どうなるかは、あと2〜3年経てばわかる・・・いや、もう半年も見ていればわかるのではないでしょうか。
というのも、先ほどリンクしました過去記事「太陽黒点数が「0」となった2016年6月からの世界は」は、昨年6月のものでしたが、それから半年経った今、太陽の動きは、その時に書いたものとほぼ同調する動きを見せています。
今から半年後の 2017年の夏くらいに、太陽黒点数がどのようになっているか、そして、その時に太陽の南極と北極の磁場の差異はどうなっているか、などがわかるにつれて、私たちがこれから「太陽に連れて行かれる場所」というものが少しわかると思われます。
もちろん、その「黒点のない時代」の影響が現実化するのは、そうなってからしばらく先ですので、最短でも今から2年から3年後だと思いますが、その頃には、社会や経済の状況などの影響を含めて、いよいよ突入する「その時代」の気配が強くなっている可能性があります。
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