1. 2015年11月13日 16:12:06
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温暖化でとけるグリーンランド」をテーマに、読売新聞の佐藤淳編集委員が解説する。(詳しくは動画で) http://www.news24.jp/articles/2015/11/06/07314236.html産業革命前と比べ気温4度上昇→日本は3400万人影響 パリ=香取啓介2015年11月10日08時27分 海面上昇の予想図(東京周辺) 写真・図版 [PR] 温暖化が進んで産業革命前と比べ気温が4度上がった場合、海面が8・9メートル上昇し、世界で6億2700万人の住む地域が海に沈むとの予測を、米研究団体が9日(日本時間)に発表した。日本は人口の4分の1にあたる3400万人の住む地域が影響を受けるという。 非営利の研究団体「クライメート・セントラル」が、気温上昇による海水の膨張、氷河の融解、グリーンランドと南極の氷の減少を想定し、海面上昇を試算。海に沈む地域に住む2010年時点の人口を調べた。 気温が4度上昇すると、影響を受ける人口が多いのは中国で1億4500万人に上る。マーシャル諸島は人口の93%、オランダは67%が影響を受けるという。都市別では、上海や天津(中国)、ダッカ(バングラデシュ)、コルカタ(インド)などで1千万人以上に影響が出る。東京でも750万人、大阪では620万人、名古屋340万人、福岡97万人の住む地域が海面より下になるという。 気温上昇が2度に抑えられた場合は、海面上昇は4・7メートルで、影響を受ける人口も世界で2億8千万人、日本では1800万人(東京420万人、大阪420万人、名古屋210万人、福岡51万人など)に抑えられるという。 国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書では、何も対策をしなかった場合、今世紀末には気温が最大で4・8度上昇するとしている。世界の平均気温は19世紀末からすでに0・85度上がっている。国際社会は気温上昇を2度未満に抑える目標を持っている。研究団体は「海面上昇は目に見える脅威だ。(今月末の)国連気候変動会議(COP21)の結果は、我々の将来を左右する」としている。 国連気候変動会議(COP21)を前に8日、パリで閣僚級の非公式準備会合が始まった。(パリ=香取啓介) http://www.asahi.com/articles/ASHC90GMBHC8ULBJ001.html
地球全体の平均気温、「産業革命前より1度上昇」を初めて記録 今年の地球の平均気温は、初めて、産業革命前(1850年から1900年まで)の水準より1度高くなるという推計が発表された。米国海洋大気庁(NOAA)も、2015年1月から9月までの気温は、「20世紀の平均」より0.85度高いと発表している。 PHOTOGRAPHS COURTESY OF NASA/NORDFORSK TEXT BY ERIC BERGER TRANSLATION BY MISAKO ASANO, HIROKO GOHARA/GALILEO ARS TECHNICA (US) グリーンランドで撮影。南極の氷床は拡大している(日本語版記事)が、北極の海氷面積は激しい減少を続けている。 地球の気温が、記録を更新し続けている。良い記録ではない。英国気象庁によれば、地上平均気温(地球表面の大気や海洋の平均温度)は、今年初めて、産業革命前の水準より1度高くなるという。 英国気象庁ハドレー気候研究センターは、イースト・アングリア大学気候研究ユニットとともに、2015年1月から9月までの気温をもとに推計を行った。それによれば、地上平均気温は、産業革命前の水準より1.02度高いという。この温度推計の誤差範囲は0.11度だ(英国気象庁では、1850年から1900年までを「産業革命前」と定義している。それ以前に産業化は始まっていたが、気温データの信頼性が下がるからだ)。 気象学者たちは、気温そのものではなく、気温偏差を使って分析する。偏差なら、より広い地域の多様性をより正確に表すことができ、気温の傾向を判断しやすいからだ。 世界の年平均気温の偏差の経年変化(1891〜2010年)。IMAGE BY WIKIMEDIA COMMONS 今年、地球の気温がここまで高くなったのは、熱帯太平洋で発達している非常に強いエル・ニーニョ現象の影響もある。しかし、この発表を行った科学者たちは、気温を上昇させる原因の根底にあるのは人間の活動だと指摘している。 英国気象庁ハドレー・センターのスティーヴン・ベルチャー所長は、「同様の自然現象は過去にもありましたが、産業革命前より1度高くなるのは初めてのことです。現代の気候が未知の領域へと向かっているのは、人間の影響であることは明らかです」と語っている。 独自の気象データベースを持つ米国海洋大気庁(NOAA)も、現代の気温を「1900年から2000年まで」の気温と比較している。同庁のデータによれば、2015年1月から9月までの気温は「20世紀の平均」より0.85度高かったという。 どちらの機関も、来年早々には、2015年の気温の最終データを公表する予定だ。 さまざまな手法で得られた、過去2,000年間の気温変化の推定。IMAGE BY WIKIMEDIA COMMONS 関連記事:ペルシャ湾岸地域、高温多湿化で30年後に「生存限界」を迎える可能性 http://wired.jp/2015/11/11/earth-warming-marker/
地球の冷却源・北極を温暖化の熱源にするな vol.362 12 Nov 2015 フリージャーナリスト 杉下 恒夫2015年11月12日 10:23
北極海を巡って関係各国の駆け引きが激しくなっている。 北極海の定義はいろいろあるようだが、広義には北極点を中心にユーラシア大陸、北アメリカ大陸、グリーンランドに囲まれた地中海と、大西洋に繋がるノルウェー海などを含む北極圏(北緯66度33分以北)の海洋を指すらしい。この場合、北極海の総面積は2700万平方キロ、日本海の約70倍にもなる大海だ。しかし、大部分が多年生の海氷と一冬氷に覆われた「氷の大地」であり、探検隊の目的地ではあっても、海という概念で捉えられることはなかった。 20世紀に入ってからも、原住民以外、人を寄せ付けない氷の海への世界の関心は薄く、戦前にカナダや旧ソ連が自国領から北極点に繋がる扇状海域の領土権(セクター理論)を主張したが、セクター理論は、今も国際法としては認められていない。 そんな北極海が近年、世界の注目を集めるようになったのは、この海に豊富な石油や天然ガスが埋蔵されていることが明らかになったからだ。どの国も喉から手が出るほど欲しい天然資源だが、領有権が定まらない海域だけに無法な乱開発が危惧され、1996年に米、露、加、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなど北極圏に接する8か国が「北極評議会」を設立して、開発ルールの制定を目指している。 2009年、米地質調査所が、この海に世界の未確認埋蔵量の13%に当たる約900億バレルの石油が眠り、同30%に当たる1670兆立方フィートの天然ガスがあることを明らかにしたことで、資源争奪戦はさらに過熱した。温暖化によって氷が減少、海底資源を開発しやすい環境に変わったことも、争奪戦に油を注いている。 温暖化は、新たな国際摩擦も起こしている。氷の減少によって航行可能な海に生まれ変わったことで、支配権をめぐる争いだ。砕氷船以外の船舶の侵入を阻んでいた厚い氷が薄くなり、6月から11月の期間、砕氷船同行なら普通の船の航行も可能になった。北極海経由という新航路の誕生は、これまでスエズ運河を通るなど南周りしかなかった東西の通運地図を描きかえる大事だ。大げさに言えば、15世紀のディアスの喜望峰到達にも匹敵する地球の地理的大変化だろう。 大半はロシア船だったが、2011年には39隻(ロシア北極航路局資料)の一般船舶が北極海航路を通過した。この航路は日本にとって魅力あるもので、日欧の港湾をスエズ運河経由よりも10日短い30日で航行することが可能だ。運輸コストも大幅に下がる。2012年から2013年の間、4隻の日本船が北極航路を利用しており、砕氷船を新造して北極航路開設を検討している商船会社もあるという。中国も北極海航路に関心を寄せており、2013年に大連からオランダ・ロッテルダムに向かう商船を34日間で航行させている。 もっとも、温暖化したといっても北極の気象は依然厳しく、海の状況によって立ち往生することも多い。また、ロシアが航行する船舶に事故防止名目で自国の原子力砕氷船同行を義務付け、高額のエスコート料を徴収していることも北極航路の難点となっている。日米欧の海運会社は、原油下落で燃料コストが下がったことや、遅延リスク、ロシアの先導料徴取を嫌って、安定したスエズ航路に戻すケースが増えており、2014年に北極航路を利用した船舶数は23隻に減っている。ロシアの独自ルールを排除するため、現在、「国際海事機関」が国際ルールの作成を検討中だ。 北極海航路の主導権争いよりも深刻なのは、北極海を巡る安全保障問題だ。歴史的にこの海を勢力圏とみなすロシアは、昨年末、北極海域を管轄する「統合戦略本部」を新設、北方艦隊の一部や軍用機、防空ミサイル部隊を新本部の指揮下に入れて、軍事力を強化した。アメリカも北極海を「資源と航行を巡る新たな紛争の火種を内包する海」として国防戦略を強化してきた。2010年の「4年ごとの国防計画見直し(QDR)」は、北極海の米権益保護に積極姿勢を示し、2013年には「北極圏国家戦略」を発表、北極圏に接する他の北大西洋条約機構(NATO)加盟国と協調して、アメリカの権益保護を打ち出している。 日本も北極圏を巡る動きを傍観しているわけではない。2013年5月に北極評議会のオブザーバー資格を取得(同時に中国、インドなど6か国も取得、英仏独など6か国は2006年に取得)、直前の3月に北極担当大使を新設して、北極開発に積極的に参加する姿勢を見せている。今年10月16日には、政府の総合海洋政策本部(本部長・安倍首相)が初の北極開発基本政策を決定、北極海航路、天然資源開発などに関する国際ルール作りに主導的な役割を果たす方針を明らかにした。 北極評議会の意思決定は全会一致を原則としており、米露両国が共に賛同する規則作りは困難視される。さらに、日中に英仏独印などがオブザーバーとして一定の発言権を持つ現況では、南極条約のような国際条約が締結される蓋然性は低い。 桜美林大学片山博文教授の近著「北極をめぐる気候変動の政治」(文真堂)は、結論として「北極評議会は本来的な理念である温暖化によって失われつつある北極の氷の再生、地球の冷却源としての北極の再生に立ち返るべきだ」と、開発に偏る昨今の北極評議会の在り方を批判している。 片山教授の指摘に賛同したい。温暖化によって最大の被害を受けるのは、南太平洋島嶼国などの途上国であることは、周知のことだ。地球の冷却源である北極海を掘って化石燃料をむさぼり、地球をいっそう暖めることが人類の幸せに繋がるのか。日本は過熱する北極海開発競争に理性をもたらす国家として、存在感を示して貰いたい。北極海は南極大陸同様、人類共有の海として残すべきだろう。 http://blogos.com/article/144200/
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