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小保方晴子さん(2014年4月9日撮影)
小保方さん「早稲田大学の決定はとても不公正」博士号「取り消し」にコメント(全文)
https://www.bengo4.com/other/1146/1307/n_3886/
2015年11月02日 18時30分 弁護士ドットコムニュース
早稲田大学による元理化学研究所研究員の小保方晴子さんの「博士号」取消しについて、小保方さんは11月2日、代理人の三木秀夫弁護士を通じて、「今回の決定には失望している」というコメントを報道関係者向けに公表した。
撤回された「STAP細胞」論文の筆頭著者だった小保方さんは、2011年に早大で博士号(工学)を取得。その後、小保方さんが提出した博士論文について、文章の盗用などの指摘があいついで、早大が調査をおこなった。早大は昨年10月、約1年の猶予期間を設けて、その間に博士論文が適切なものに訂正された場合、「学位(博士号)を維持する」としていた。
公表されたコメントによると、小保方さんは猶予期間内に、修正論文を提出したが、その後の指導教官とのやり取りは1回だけだったという。それにも関わらず、不合格と判定されたうえ、意見を聞き入れてもらえなかったとして、小保方さんは「当初から不合格を前提とした手続きであり、とても不公正なものであったと思う」として、今回の決定を批判している。
また、修正論文の提出前に、担当教官から「今回は合格する可能性はとても低い」と伝えられていたという。審査教官からも「博士として認めることのできないのは一連の業界の反応を見ても自明なのではないか」とコメントされたといい、「学術的な理由とはかけ離れ、社会風潮を重視した結論を出されたことは明らか」と反論している。
一方、小保方さんはコメントの終わりで、「私の研究者の道は不本意にも門が閉じられた」としながらも、「いつか議論が研究の場に戻る日を期待し、今回の再提出した博士論文や関連するデータは年度内をめどに随時公開していく」と今後の展開を示した。
小保方さんが代理人の三木弁護士を通じて公表したコメントの全文は以下のとおり。
●今般の早稲田大学の決定について
2015年11月2日
小保方晴子
私は、学位論文について、実質的な審査対象論文と異なった初期構想時の論文を誤って提出したことに対し、論文訂正と再度の論文指導を受ける機会を与えて頂きました。このため、大学設置の調査委員会によって指摘された問題点をすべて修正して論文を再提出したところ、このたび、前回の授与時判断と異なった結論を出されました。
昨年、総長からは、指導過程および学位授与の審査過程に重大な不備・欠陥があったとの理由から、猶予期間を設けて論文訂正と再度の論文指導を受ける機会を与えるとし、これが適切に履行された場合には取り消さず学位を維持する、とのご決定を戴きました。私はこれに従い履行したにも関わらずの今回の決定には失望しています。
このような経緯の下での今回の判断は、総長のご決定の趣旨及びその背景にある大学調査委員会報告書のご意見に大きく外れるものであり、学位規則の取消要件にも合致しないものであると思います。
前回の学位授与は、私の在学中に研究活動を指導し研究の進捗状況等の報告をさせて頂いていた教官の先生方らによって、正式な審査過程を経たうえで授与されたものです。しかし、今回の同じ研究科における再度の審査過程では、今回の修正論文は博士に値しないとされることは、前回の授与時判断と大きくかい離する結論であり、指導過程、審査過程の正当性・公平性について大きな疑問があります。
今回は、修正論文提出前から、担当教官によって、「今回は合格する可能性はとても低い」と伝えられ、不合格の理由においても、審査教官から「博士として認めることのできないのは一連の業界の反応を見ても自明なのではないか」とのコメントがあり、学術的な理由とはかけ離れ、社会風潮を重視した結論を出されたことは明らかです。また、今回の修正作業は、入院中、加療中での修正作業となり、思考力・集中力などが低下しており博士論文に能力を発揮できる健康状態ではないとの診断書を大学に提出しておりましたが、ほぼ6年前の米国に保存されている研究資料を提出することなどを求められ、しかも厳しい時間制限等が課されるなど、心身への状況配慮などは一切なされず、むしろそれが不合格の理由にも採用されました。
修正論文提出後、「審査教官とのやり取りは始まったばかり」との説明を受けましたが、一回のやり取りだけで不合格の判定をされ、それに対する私の意見も聞く耳を全く持って頂けない状況でした。これでは、当初から不合格を前提とした手続きであり、とても不公正なものであったと思います。この点については、大学にも改善をお願いしましたが、残念ながら聞き入れて頂けませんでした。
博士論文の骨子となる内容はSTAP研究の足掛かりとなった研究成果であり、理研で行われた検証実験においても一定の再現性が認められているものです。
博士論文執筆当時、この研究が広く役立つ研究に成長していく事を夢見て日々を過ごしていました。私の研究者の道は不本意にも門が閉じられてしまいましたが、いつか議論が研究の場に戻る日を期待し、今回の再提出した博士論文や関連するデータは年度内をめどに随時公開して参る所存です。
以上
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