http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/147.html
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「がん抑制酵素を壊すことのリスク」(EJ第4109号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/425054208.html
2015年08月31日 Electronic Journal
同じ再生医療でもiPS細胞はノーベル賞を取り、STAP細
胞はインチキ研究として葬り去られる──もし、STAP細胞を
潰した勢力をビッグファーマであると仮定した場合、iPS細胞
はなぜ許されるのかについて、追及しています。
その理由は簡単なことです。iPS細胞を再生医療に使う場合
さまざまな局面で高価な薬を使うことが不可欠であるのに対して
STAP細胞ではそれらはほとんど不要になるからです。もし、
STAP細胞が開発されると、ビッグファーマは大打撃を被るこ
とになります。そうであれば、そういう研究はマウスの研究の段
階で潰しておくのが最も安全ということになります。
山中ファクターと呼ばれる4つの遺伝子のうち「c─Myc」
(「シー・ミック」と呼称)は、がん遺伝子とされています。通
常は細胞の増殖を制御する働きをしますが、これが強く働くと細
胞をがん化させることになる可能性があります。
なお、これについては既に述べているように、山中研究室では
c─Mycを使わないでも、iPS細胞を作製することに成功し
ています。メディアはこのことを「iPS細胞を使う再生医療に
おけるがん化のリスクは消滅」というように報道していますが、
それは事実と異なります。がん化のリスクはぜんぜんなくなって
いないからです。
人体は約60兆個の体細胞から構成されています。これらの体
細胞にはそれぞれ寿命があり、あるレベルまで増殖すると増殖が
ストップし、「終始期」という終末サイクルに入ります。このと
き、さらに増殖しようとする細胞にブレーキをかける次の2種類
の酵素があります。
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1. RB
2.P53
─────────────────────────────
これら2つの酵素により、古い細胞は新しい細胞に増殖を引き
継ぐのです。このサイクルを「セルサイクル」といいます。この
細胞の新旧交代を行わせるのが「RB」と「P53」という酵素
なのです。この2つがないと、セルサイクルは正常に回転しない
ことになります。
これら「RB」と「P53」は、がん抑制酵素と呼ばれ、がん
化しようとする細胞にもブレーキをかけ、がん細胞の増殖を止め
る機能を持っているのです。
しかし、iPS細胞を増殖させようとすると、「RB」と「P
53」のブレーキ機能が邪魔になります。iPS細胞の増殖を止
めてしまうからです。そのため、iPS細胞を再生医療に使うに
は、あらかじめ、「RB」と「P53」という2つの酵素を壊し
てしまうのです。
これに関して警鐘を鳴らしているのが既出の丹羽耕三医師なの
ですが、研究者もメディアもこれを黙殺しています。これに関す
る丹羽耕三医師の考え方を舩瀬俊介氏の本から引用します。
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「再生医療のiPS細胞では、ある細胞をどんどん増殖させよ
うとします。つまり(iPS細胞は)一番基本的な『細胞周期』
である『終始期』に入っては、いけないのです」(丹羽医師)
つまり、iPS再生医療では、大量のiPS細胞組織を必要と
する。しかし、生命には「細胞周期」が備わっている。そのため
に、2つの増殖抑制酵素(ブレーキ)が存在する。したがって、
iPS細胞を作るときには、「RB」「P53」酵素が邪魔にな
る。そこで、iPS細胞を作成する時には、両酵素の働きを「叩
いて完全にストップさせている」と丹羽医師は指摘する。
なぜなら、iPS細胞を再生医療に用いるためには、細胞増殖
させる必要がある。少なくとも組織レベルにまで成長させなけれ
ばならない。それには、セルサイクル「終始期」に入ったとき、
「RB」「P53」両ブレーキ酵素が邪魔になる。そこでブレー
キを破壊する。これがiPS細胞開発の基本テクニックなのだ。
丹羽医師は、重大疑惑を投げかける。「このことにiPS細胞
の研究者たちは、一言も触れておりません。この異常増殖を抑え
るRB、P53を叩くと、ガン化になりかけていた細胞が、どん
どん大きくなってガン化します」。 ──船瀬俊介著
『STAP細胞の正体/「再生医療は幻想だ」
復活!千島・森下学説』/花伝社刊
─────────────────────────────
ロックフェラーがそうであるように、権力者はメディアをまず
完全に支配します。メディアが沈黙すると、こういう素人にはわ
かりにくい情報は伝わりにくくなります。
そこで、丹羽耕三医師は、「再生医療」研究グループに対して
2012年のはじめに次の公開質問状を送っています。
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iPS細胞を作成するさい、P53の転写能力が不活性化され
ていない(P53の細胞増殖抑制作用が維持されている)ミトコ
ンドリアなどで、実際、どうやって、P53やRBたんぱくを抑
える操作をしてiPS細胞を増やしておられるか。──丹羽耕三
──船瀬俊介著の前掲書より
─────────────────────────────
研究グループからの回答書は丹羽医師に届いたのですが、内容
は一般論に終始し、要するに何も答えていなかったそうです。丹
羽氏の指摘していることは事実であり、まともに答えることはで
きなかったのです。
実は約20年前、RB、P53については多くの学者が研究し
ており、論文も多数あるのです。そこでは、これらRB、P53
が体内でいかに必要な酵素であるか、論じられているのです。
しかるに、iPS細胞が世に出てからというもの、これらの酵
素に関しては、誰も触れようとはしないのです。がん抑制酵素を
壊せば、がんになるリスクは素人でもわかるからです。
── [STAP細胞事件/082]
≪画像および関連情報≫
●iPS細胞とがん抑制遺伝子との関係/2009年8月
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P53は,腫瘍の発生を抑える働きのある重要な癌抑制遺
伝子で「ゲノムの守護神」との異名をもち、本遺伝子の異常
は,癌細胞において高率に発見されている。2006年に山
中伸弥教授(京都大学)らは,3〜4つの遺伝子によって、
体細胞からiPS細胞という人工的な多能性幹細胞(万能細
胞)を作り出すことに成功した。このiPS細胞の作成の過
程は「再プログラミング(初期化)」と呼ばれるが、実際に体
細胞が初期化されiPS細胞になる確率は非常に低い。
今回の研究成果により、この「再プログラミング」をP5
3が抑制していたことが明らかになった(図1)。P53の機
能を低下させたヒトやマウスの細胞を用いると、高率でiP
S細胞を作製することができた(図2)。さらにP53の機能
が低下した細胞は,当初山中教授らがiPS細胞の作製に必
要と発表した4因子のうち2つを加えるだけでiPS細胞に
なることができた(図2)。初期化を促すことにより、体細胞
のなかでは、癌抑制遺伝子P53が活性化され、iPS細胞
形成が強力に抑えられていると考えられた(図1)。iPS細
胞の作成と発癌との間に何らかの関わりがあることが推測さ
れる。このように、本研究は未解明な「再プログラミング」
の仕組みの一端を明らかにし、将来のiPS細胞の臨床応用
に向けたより安全かつ簡便で効率的なiPS細胞作成法の確
立に役立つものと考えられる。 http://bit.ly/1Vn3JDD
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