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「なぜ自殺の場所が階段の踊り場か」(EJ第4090号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/423490711.html
2015年08月04日 Electronic Journal
笹井芳樹氏は、STAP論文に対する理研の調査委員会が立ち
上がった3月の時点で、副センター長を辞任したいと竹市CDB
センター長に申し出ていたのです。しかし、それは許されなかっ
たのです。なぜなら、この時点では理研が、この問題を何とか乗
り切れると考えていたからです。
さらに笹井氏は、6月頃から笹井研究室の閉鎖を前提に、研究
室のメンバーに再就職先を探すよう呼び掛け、自らも再就職先を
メンバーに斡旋したりしていたのです。また、メンバーが他の研
究室に移れるよう現在取り組んでいる研究を論文にまとめさせた
り、学会発表の準備もさせたりしていたのです。
その時点では、笹井氏は自分の研究者としての前途について絶
望的な思いを抱いていたようです。その過労とストレスで体調も
悪化し、4月初旬には入院をしていた時期もあったようです。
笹井氏の自殺は、家族をはじめ多くの理研関係者に宛てた複数
の遺書から見ても、けっして衝動的なものではなく、十分に考え
抜かれたすえの決断であったと思います。それは、自殺の場所か
ら推察できるのです。
自分の前途を悲観しての自殺であれば、普通は自宅で自殺する
と思います。ところが笹井氏は自宅で遺書を作成し、それをかば
んに入れて、当日CDBに出社しています。自宅を自殺の場所と
してあえて選ばなかったのは、自殺の動機が個人的なものだけで
はないという何らかのメッセージを理研の経営幹部に伝えたかっ
たものと思われます。
しかし、そうかといって、CDBの自分の研究室で自殺すれば
自身の勤務先である理化学研究所への何らかの恨みとしてとらえ
られる可能性が大です。「それはしたくない」──笹井氏は考え
たのでしょう。そこで選んだ場所は、CDBと先端医療センター
をつなぐ階段の踊り場なのです。
笹井氏の死に場所について、臨床心理士の矢幡洋氏は、次のよ
うに分析しています。
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笹井氏は、理研との一体感が強かったのかもしれません。アイ
デンティティーの中で、「理研の幹部」と言う事が占める割合が
大きかったかもしれません。(中略)
笹井氏が選んだ死に場所は微妙です。理研の中の1室ではなく
「通路でつながった研究棟の踊り場」です。もしかすると「理研
の中で首をつったら理研への恨みととられたりとして、迷惑をか
けるかもしれない。理研の幹部であっても理研の中を死に場所に
選べる権利はない」と言う迷いのもとで、「通路でつながった研
究棟の踊り場」と言う微妙な場所を選んだのかもしれません。
──矢幡洋氏 http://bit.ly/1It4s1s
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問題は笹井氏が小保方氏に宛てた遺書の内容です。これについ
ては、須田桃子記者の本から引用します。
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小保方氏宛ての遺書は一枚。「限界を超えた。精神的に疲れま
した」と断り、「小保方さんをおいてすべてを投げ出すことを許
してください」と謝罪の言葉で始まっていた。
更に、小保方氏と共にSTAP細胞研究に費やした期間にも言
及し、「こんな形になって本当に残念。小保方さんのせいではな
い」と小保方氏を擁護する記述もあった。末尾には「絶対にST
AP細胞を再現してください」と検証実験への期待を込め、「実
験を成功させ、新しい人生を歩んでください」と激励する言葉で
締めくくられていたという。
──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
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小保方氏への遺書の最後にある「絶対にSTAP細胞を再現し
てください」については、いろいろなとらえ方ができると思いま
す。この時点──NHKスペシャル「不正の深層」が報道されて
から10日目──では、「STAP細胞は存在する」と考える人
はかなり少なくなっていた時期です。しかし、少なくとも笹井氏
と丹羽仁史氏は、科学者としてSTAP細胞の存在を確信してい
た小保方氏の有力な味方だったのです。
文章通りに素直にとれば、笹井氏がこの時点でもSTAP細胞
の存在を確信していたと考えるのが自然です。もし、少しでもそ
れの存在を疑っていたら、遺書ですから、こういう文面にはなら
なかったと思います。
毎日新聞の須田記者は、生前笹井氏とメールでSTAP細胞問
題についてさまざまなやり取りをしています。今になって考える
と、これは笹井氏がSTAP細胞をどのように考えていたかを知
るうえで貴重な資料になります。
4月時点で笹井氏は、STAP幹細胞として残されている過去
の試料の解析をすべきであるとする周囲の声や須田氏の意見に対
して、反対の立場をとっており、論文の詳細を遡及的に断片的な
解析をしてもSTAP細胞の立証にはならないと主張して、次の
ように述べています。
─────────────────────────────
私が判らないのは、どうしてもっと「一定期間の間に小保方さ
ん本人に再現してもらうこと、さらにプロトコール化や講習を実
施」をしてもらうことの声が、マスコミから大きくならないのか
ということです。
結局、一番再現に近い、また再現に責任がある人、が、ラボか
ら遠ざかった状態でいることが、この問題を複雑にしていると思
うのです。欧米では当然そういった論調になると思うのですが、
日本では、ブログベースの無責任な「枯れすすき論」のような推
理小説だけが盛んで、非常に違和感を持っています。
──毎日新聞科学環境部/須田桃子著の前掲書より
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── [STAP細胞事件/063]
≪画像および関連情報≫
●「元気でないが生きている」/ライブトア・ニュース
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本誌の取材で謎に包まれた笹井氏の自殺前の行動がわかっ
てきた。死の数日前に行方不明になり、家族が捜し回ってい
たというのだ。大阪府内に住む笹井氏の母親の知人女性が明
かす。「芳樹君が亡くなる3日前、お母様と電話でお話しし
ました。その時、『芳樹がどこにいるか居場所がわからなく
なっていて家族で捜し回っていた』と困惑されていました。
大丈夫ですかと尋ねると、お母様は『(医師の)兄さんが、
“無事か”と出したメールに、芳樹から“元気ではないけど
生きています”という返事が、とりあえず来たので、安心し
た』と。私があまりクヨクヨしたらあかんよと言うと、『S
TAP細胞の問題に早くケリをつけて、やり直してほしい』
とおっしゃっていた。その矢先に、報道で自殺を知り、本当
に驚きました」
この知人によれば、笹井氏は母親に、STAP細胞騒動に
ついての本音をこう吐露していたという。「あの子は、週刊
誌などに書かれた小保方晴子さんとの仲などについて、『あ
んなことは絶対ないから信じてほしい』と言っていた。理研
について、『クビにするならしてくれればいいのに。アメリ
カで研究したいのに、なかなか切ってくれない』と愚痴をこ
ぼしていた。お父さんも何でも人の責任をみんな負う人だっ
たから。芳樹はああ見えて要領が悪いから、お父さんに似な
ければいいけど・・」。5年前、息子に「ノーベル賞を期待
する」と誇らしげに語っていた母が感じた不安は、不幸にも
的中してしまった。 http://bit.ly/1ox25ly
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