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ガンゴ・リミックス 19
ヨシコ
「それにしても、ネーサンなんかバーサンなんかようわからんな。この女。笑」
「ねえ、部長?」
「この女、だ〜? ヴァーカ。笑」
「田中、おまいにゃ櫻井さんの品格なんか理解できないわな〜。笑」
「彼女はハワイの大学出身でよ。」
『だから何だ。笑』
『いつも”ごきげんよう”て、学習院じゃなかったんかい。笑』
「五カ国を操る才媛でな。」
「へエーっ!?」
『それ言うならサイババだろ、。カカカ』
「アナウンサーと言うよりはジュアナリストだな、じゅあなりすとっ!」
「わかるか、意味?」
『どこで仕入れた? そのネタ。笑』
「ほーうっ!! その違いってなんですー? ブッチョー!?」
「おう、一言で言えば、ニュースのえぐり方だな。わかるか?」
『へっ、知らねーよ。笑』
「なるほどー!!」
「ただ原稿読むんか・・・掘り下げた末に読むんか・・・」
「自ずとその響きに雲泥の差が生じるってわけよ。」
その時、一卓挟んだ向こうの二人席で
静かに一人飯を決る女が「うん、うん。」と小さく頷いた。
どうだ参ったか、と得意顔の部長が女に流し目をくれる。
『おっさん、さっきから誰に聞かせてんだ。笑』
「ほ〜う!ニュースえぐってアンカーぶち込むアンカーマン!!」
「なーんちて・・ちて・ブッチョー?!」
ギョーザの食った合間に飲んでたビールに女がむせぶ。
「イイ事言ったー!田中!! それそれ!!」
『しゃーねーな。接点設けたろかい。』
「ウッホ、うまそー。笑」
「ママー、こっちもギョーザ! 二枚な。 でビール追加!」
「あいよーっ!!」
田中の専売特許”口だけ長幼の礼”には度々自尊心を傷つけられる部長であったが、
今宵は初めて、良き部下に恵まれた喜びを噛みしめるのであった。
時代のスローガンはいつの間にやら重厚長大から軽小短薄に変移し、
どこからか景気のイイ話も聞こえてくるようになった頃の
イブニング&ミッドナイトの狭間。
メニューの数なら三十、四十、はあろうかというトキワ食堂では、
今日もヘロヘロになった野郎たちとたまに女、
彼彼女たちの胃袋と心根をドンブリに一杯の宴で、
豪快に且つやさしくもてなしていたものです。
食堂の天井に近い壁隅に設えた由緒正しき昭和式架台の上にあるTV。
その煙草の煙に燻されたブラウン管から漏れるニュース映像にある二人だけは、
唯一「いいんですかー?!皆さん!!」
と時代の流れに抗うかのような象徴として、どの客の目に映っていた・・・たぶん。
恐るべしヨシコ&カンゴのかけあい。
「・・久米宏さん? 眼中にありませんわ。」
「・・筑紫哲也さん? 受けて立ちますわ、ホホホ。」
裏番組で活躍する二強についてヨシコがこう言ったとか言わなかったとか・・・
たいしたもんで視聴率では二人に勝ったのだから、言質は回収した事になる。
のちにリベラルから保守への華麗な、いや、加齢とともにシフトを遂げるヨシコだが、
やはり80年代半ばは、この転身の移行期間でもあった。
おっとー、カンゴの話題がないじゃない。
いつだか隣のヨシコのコメントに、
射抜く眼光ひとつだけでオブジェクションした君の名人芸をおら忘れない。
カンゴサイコー!
それでは、ごきげんよう。
※ごきげんよう=ジャパニーズ・アロハ=ハロー・グッバイ・アイラビュー
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