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3月14日、ドイツで13日に行われた3つの州議会選挙において、大きな勝利を収めたのは大衆迎合主義(ポピュリズム)だった。写真は同国のメルケル首相。ベルリンで撮影(2016年 ロイター/Stefanie Loos)
コラム:独メルケル首相、州議会選敗北でも挽回余地あり
http://jp.reuters.com/article/germany-election-breakingviews-idJPKCN0WH0AZ
2016年 03月 15日 13:05 JST
Olaf Storbeck
[ロンドン 14日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ドイツで13日に行われた3つの州議会選挙において、大きな勝利を収めたのは大衆迎合主義(ポピュリズム)だった。反難民を掲げる右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が2桁の得票率を記録した一方、メルケル首相の連立政権は急失速した。表面的には、シリアなどからドイツに大量に流入し続けている難民に対するメルケル氏の寛容な姿勢に国民が痛棒を食らわせたように受け取れる。
しかしより深く掘り下げてみると、より安心できるメッセージが存在する。まず最初に、信頼できて決断力のある主要政党の有力政治家がなおも有権者をつなぎとめているのだ。バーデン・ビュルテンベルク州では緑の党が初めて第1党となったが、同党のこの地域の指導者であるウィンフライト・クレッチュマン氏は、メルケル氏の難民政策の支持者でもある。ラインラント・プファルツ州でも、社会民主党(SPD)のマル・ドライヤー州首相はメルケル氏の難民政策に同調しているが、メルケル氏が属するキリスト教民主同盟(CDU)の対抗馬との得票率の差は今回さらに拡大した。CDU側のリーダーは、ドライヤー氏よりも難民受け入れに消極的だった。
3年前には影も形もなかったポピュリスト的なAfDは、政治的なアウトサイダーとして振る舞うようになり、メルケル氏と連立相手のSPDに難民政策の変更を求める圧力を強めつつある。だがAfDの影響力が過大視されていると考えるのは簡単だ。最近数十年間で、右派政党は地方選で躍進した後、すぐに内部対立の挙句に崩壊する流れが何度もあった。ドイツの有権者は一般的には過激な政治姿勢と信頼できない政治指導者を好ましく思わない。
大半のドイツの有権者にとっては、政治家の所属政党よりも人格が最も大事な判断基準だ。そうした点は、メルケル氏が政権内の批判派を抑え込む助けになるかもしれない。CDUはメルケル氏に代わり得るような信頼に足る人材を欠いている。メルケル氏には時間もある。国政選挙は来年後半以降に予定されている。
さらに最近の世論調査からすると、メルケル氏への有権者の満足度は再び改善し始めているようだ。
メルケル氏はなおも大きな政治的資源を保有しており、もしも7日に概要が示された欧州連合(EU)とトルコの難民対策合意を正式に締結するか、それができなくとも最終的にドイツ国境を閉ざすことで、難民流入を減らせれば、この政治的資源をさらに拡大できる。
確かに今回の州議会選でメルケル氏は「ダウン」を奪われたが、まだリングから退場したわけではない。
●背景となるニュース
*メルケル首相のCDUは13日の3つの州議会選挙で敗北を喫した。バーデン・ビュルテンベルク州では得票率をさらに減らしたほか、ラインラント・プファルツ州では州首相の座を奪回できなかった。またザクセン・アンハルト州においても支持を減らしたが、得票率は29.8%と第1党の座は維持した。
*AfDは3州いずれの得票率も2桁で、ザクセン・アンハルト州で24.2%と最も高い支持を集め、新興左派政党とSPDを抜いて第2党に躍り出た。
*バーデン・ビュルテンベルク州は今回、緑の党が30.3%の票を得て初めて第1党になった。同州は緑の党とSPDの連立政権が2011年に誕生するまでは、50年余りにわたってCDUの支持が最も大きい地域だった。CDUの得票率は12%ポイントも下がった。
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