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トルコ政府は侵略戦争を続行するために言論弾圧に乗り出したが、読者は拒絶、体制崩壊の危機
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2016.03.13 04:37:22 櫻井ジャーナル
政府に乗っ取られたトルコのザマン紙はレジェップ・タイイップ・エルドアンの露骨な宣伝機関になったが、読者は急減している。乗っ取りの前は1日の販売部数が65万部だったが、今では6000部にすぎないという。99.4%減。ドイツでもアメリカ支配層の宣伝機関化したメディアに対する反発は強く、読者や視聴者が離れているというが、これほどではないだろう。
エルドアン政権はシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒すため、アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)を支援してきたが、ネオコンのポール・ウォルフォウィッツは国防次官だった1991年にシリアを5年以内に殲滅すると口にしている。
クラークの発言は2007年10月だが、その年の3月5日付ニューヨーカー誌にシーモア・ハーシュは、アメリカがサウジアラビアやイスラエルと共同でシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始したと書いている。その手先がワッハーブ派/サラフ主義者だ。実際にシリアで先頭が始まるのは2011年3月。
トルコとダーイッシュとの関係は公然の秘密で、2014年10月2日にはジョー・バイデン米副大統領がハーバード大学で、シリアにおける「戦いは長くかつ困難なものとなる。この問題を作り出したのは中東におけるアメリカの同盟国、すなわちトルコ、サウジアラビア、UAEだ」と述べ、あまりにも多くの戦闘員に国境通過を許してしまい、いたずらにダーイッシュを増強させてしまったことをトルコのエルドアン大統領は後悔していたとも語っている。勿論、「後悔」などしていないが、トルコがダーイッシュを支援してきたことは事実。
シリアで先頭が始まった直後からトルコのインシルリク空軍基地は侵略軍の拠点で、アメリカの情報機関員や特殊部隊員、イギリスとフランスの特殊部隊員が戦闘員を軍事訓練しているとも伝えられている。
戦闘員はトルコやヨルダンなどからシリアへ侵入しているようだが、トルコが中心のようだ。そうした戦闘員が戦うために必要な物資を輸送するルート、つまり兵站線もトルコからシリアへ延びている。昨年9月30日にロシア軍が空爆を始めるまで、シリア北部の制空権はトルコ軍が握っていたので、この兵站線は守られていた。
トルコはダーイッシュなどがシリアやイラクで盗掘した石油を受け入れている。この密輸で黒幕的な役割を演じているのがエルドアン大統領の息子であるビラル。この人物が所有するBMZ社が盗掘石油を輸送、その背後にはジェネル・エネルギー社が存在していると言われ、現在イタリア当局からマネー・ロンダリングで捜査の対象になっている。
ダーイッシュなどへ物資を運ぶことをトルコは禁じている。そこで昨年1月に憲兵隊が摘発、その情報を写真とビデオ付きでジュムフリイェト紙は5月に報道した。その報復で昨年11月26日に同紙の編集長を含むふたりのジャーナリストを政権は逮捕、3月25日から裁判が始まるという。
11月28日には、違法な物資の輸送を摘発したウブラフム・アイドゥン憲兵少将、ハムザ・ジェレポグル憲兵中将、ブルハネトゥン・ジュハングログル憲兵大佐を政府は逮捕した。
この件では調査していたジャーナリストが変死している。2014年10月19日にイランのテレビ局、プレスTVの記者だったセレナ・シムが「自動車事故」で死亡している。死の前日、彼女はMITからスパイ扱いを受けたと言われている。生前、彼女はトルコからシリアへ戦闘員を運び込むためにWFP(世界食糧計画)やNGOのトラックが利用されている事実をつかみ、それを裏付ける映像を入手したと言われている。
昨年9月30日に始まったロシア軍の空爆で侵略勢力は窮地に陥った。トルコも例外でない。そこでロシア軍機をトルコ軍機が撃墜したのだが、それでロシアは怖じ気づかず、ミサイル巡洋艦のモスクワをシリアの海岸線近くへ移動させて防空体制を強化、さらに最新の防空システムS-400を配備し、約30機の戦闘機を「護衛」のために派遣してシリア北部の制空権を握る。アメリカが供給している対戦車ミサイルTOWに対抗できるT-90戦車もさらに配備した。最新鋭戦闘機のSu-35も送り込んでいるようだ。
ロシアとの関係を悪化させたトルコは経済的に苦しい状況で、粛清したはずの軍からも批判が出ている。トルコのエルドアン体制が崩壊するかもしれない。
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