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第2次大戦前夜にそっくり! 米国離れが加速する世界情勢(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/656.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 23 日 14:05:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

英国やドイツに裏切られて焦る米国。しかし中東のイスラエルやサウジアラビアは、米国から裏切られて焦っている。第2次世界大戦前夜にも似た、世界秩序の大激変。スピードが速く、日本も油断は禁物だ Photo:REUTERS/AFLO


第2次大戦前夜にそっくり! 米国離れが加速する世界情勢
http://diamond.jp/articles/-/86785
2016年2月23日 北野幸伯 [国際関係アナリスト] ダイヤモンド・オンライン


ここ数年、世界各国のパワーバランスが大きく変化している。中東では、米国とイスラエル、サウジアラビアの関係が悪化。一方で、長らく足並みがそろっていた米国と英国の関係にも綻びが見られる。世界の最新情勢を眺めれば、もはや「米英」「欧米」という言葉が、「死語」になりつつあることが分かる。

■燃料欲しさで中東に口出ししてきた米国はシェール革命で手のひらを返した

 今回、いくつかの世界秩序崩壊を検討するが、まずは、最新事例を考えてみよう。つい最近まで、米国の中東戦略の要だった、イスラエルとサウジアラビアを巡る大変化である。

 2003年3月20日にはじまったイラク戦争は、なんとも理不尽だった。米国が開戦理由に挙げた2つ、つまり「フセインはアルカイダを支援している」「イラクは大量破壊兵器を保有している」は、共にウソだった。

 では、米国がイラクを攻めた「本当の理由」は何だったのか?FRBのグリーンスパン元議長は、こんな興味深い「告白」をしている(太線筆写、以下同じ)。

<「イラク開戦の動機は石油」=前FRB議長、回顧録で暴露
[ワシントン17日時事]18年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行の回顧録で、二〇〇三年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシュ政権を慌てさせている。>(2007年9月17日時事通信)

 なんと、グリーンスパンが「イラク開戦の動機は石油」と暴露している。続きも、なかなか興味深い。

<米メディアによると、前議長は「イラク戦争はおおむね、石油をめぐるものだった。
だが悲しいかな、この誰もが知っている事実を認めることは政治的に不都合なのだ」と断言している。
ブッシュ政権は、当時のフセイン政権による大量破壊兵器計画阻止を大義名分に開戦に踏み切ったが、同兵器は存在しなかったことが後に判明。
「石油資源確保が真の目的だった」とする見方は根強く語られてきた。>(同上)

 イラク戦争の理由が「石油」であることは、「誰もが知っている事実」だという。これは、「陰謀論者」ではなく、「神様」と呼ばれたFRB議長の言葉だ。米国が、「石油」を理由にイラクを攻めたとなると、「ひどい話」だろう。しかし、当時「米国の原油は、16年に枯渇する」と予測されていた。もし、自国の石油が枯渇し、さらに中東から輸入できない状況になったらどうなるだろう?

 エネルギーがなければ、世界最大の経済も、最強の軍隊もまわらなくなる。そう考えると、米国が理不尽な戦争に走った理由も理解できる。というわけで、「自国の原油が枯渇する」と信じていた米国にとって、資源の宝庫・中東は、戦略的に「最重要地域」だった。そして、イスラエルとサウジアラビアは、米国の特に重要なパートナーだった。

 ところが、状況は、意外な方向に動いていく。米国で「シェール革命」が起こったのだ。これで、米国は「近い将来資源が枯渇する」という恐怖から解放された。

■米国に捨てられるイスラエルとサウジアラビア

 それだけでなく、09年には「天然ガス生産」で、ロシアを抜いて世界1位に浮上。14年には、なんと「原油生産」でも世界1位になった。いまや世界一の「石油ガス大国」になった米国にとって、「中東」は「最重要地域」ではなくなった。

 このことは、米国の外交政策を大きく変えることになる。オバマ大統領は11年11月、オーストラリア議会で演説し、「戦略の重点を(中東から)アジアにシフトする」と宣言した。

 13年9月、米国はイスラエルとサウジにとって最大の敵と言えるイランとの和解に動きはじめる。イスラエルもサウジも、必死で米国の政策に影響を与えようとした。15年3月、イスラエルのネタニヤフ首相は、なんと「米国」議会で、イランとの和解を進めるオバマを痛烈に非難し、大さわぎになった。

 しかし「自国に石油ガスがたっぷりあり、中東は重要ではない」という事実の前に、ネタニヤフの必死の訴えは無力だった。こうして、米国は、事実上イスラエルを見捨てた。「米国内で、イスラエルは最強ロビー集団である」というのは、もはや「過去の話」になった。

 さて、米国と他5大国は15年7月、核問題でイランと「歴史的合意」に至る。16年1月、イラン制裁は解除され、2月には欧州向け原油輸出が再開された。

 サウジアラビアは、どう動いたのだろうか?原油価格は14年夏まで、1バレル100ドル前後で推移していた。同年秋から下がりはじめたが、12月サウジアラビアが「減産拒否」を発表すると価格下落が加速する。そして、15年末には、30ドル台に突入した。サウジが減産を拒否した理由は、「米国のシェール革命をつぶすため」といわれている(原油が安ければ、シェール企業は利益を出せなくなり、撤退に追い込まれるという戦略だ)。

 それが事実だとしても、米国の政策は変わりそうにない。今年年初、サウジアラビアは、シーア派の指導者ニムル師を、「テロに関与した」として処刑した。シーア派イランの民衆は激怒し、テヘランのサウジアラビア大使館を襲撃。サウジは、これを理由に、イランとの国交断絶を宣言する。

 スンニ派の盟主・サウジとシーア派の大国・イランの関係が悪化し、一触即発の状況になる中、米国の対応はきわめて「冷淡」だった。

<米国務省のカービー報道官は4日の記者会見で「我々はこの問題の仲介者になろうとしているかと問われれば、答えはノーだ」と述べた。>(読売新聞1月6日)

 ここまでの流れを見れば、米国がイスラエル、サウジアラビアを、もはや重視していないことは明らかだろう。

■盛り上がる「英中の黄金時代」 英国の3度の裏切りが意味すること

 ここまでは、「シェール革命」という、米国にとって「ポジティブな現象」が引き起こした変化である。ところが、08年の「100年に1度の大不況」から顕著になった、「米国の衰退」と「中国の台頭」もまた、既存の秩序を変えた。

 08年以降、米国による「一極世界」は崩壊した。現在は、「米中二極時代」である。しかも、09〜15年まで、明らかに「沈む米国、浮上する中国」という関係だった。現在、世界の国々は「米国につくのと中国につくのと、どっちが得だろう?」と考えて行動している。そして、去年までは明らかに、「勝つのは中国だ。中国についた方がいい」と考える国が多かった。

 米国と「特別な関係にある」といわれる英国はどうだろうか?実をいうと、「米英は一体化して動いている」というのも、いまや過去の話になっている。ここ3年間で、英国は米国を、重要な局面で3回裏切った。

 1回目は、13年8月である。オバマは、シリア・アサド軍が「化学兵器を使った」ことを理由に、「シリアを攻撃する」と宣言していた。しかし、英議会は13年8月29日、シリアへの軍事介入を拒否。オバマは孤立し、結局シリア攻撃を「ドタキャン」して大恥をかいた。

 2回目は、15年3月。英国は、米国の制止を無視して、中国が主導する「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)への参加を表明した。これで、「雪崩現象」が起き、「AIIB」参加国は、激増していった。結局57もの国々がAIIB参加を決め、その中には、欧州のほとんどの国々、オーストラリア、韓国、イスラエルのような親米国家群も含まれている。またもや米国を孤立させ、中国に大勝利をもたらしたのは、英国の裏切りだったのだ。

 3回目は、15年12月。英国は、米国の意志に反し、「人民元をSDR構成通貨にする運動」を主導した。時事通信2015年12月5日付を見てみよう。

<◇英国は「黄金時代」に期待 
 しかし、審査は5年前と異なる展開をたどった。
 決定的な違いは、中国の経済力に魅せられた欧州諸国が早い段階から「元のSDR採用」に前向きな姿勢を示したことだ。 
 特にロンドンの金融街シティーを擁する英国は「中国寄り」を鮮明にした。
 10月の習主席訪英では、バッキンガム宮殿で晩さん会を開き、キャサリン妃が中国を象徴するような赤いドレス姿で歓待。
 キャメロン政権は「英中の黄金時代」の演出に力を注いだ。
 この英中首脳会談でまとまった商談は、中国による英原発投資を含めて総額400億ポンド(約7兆4000億円)。
 さらに、英国は元のSDR採用への支持を確約し、将来のシティーへの元取引市場の誘致に有利なポジションを手に入れたとみられる。>(同上)

■チャイナマネーの台頭が「欧米」を死語にした

 英国は、ここ3年間米国を裏切り続けてきた。特に、「AIIB問題」「人民元SDR構成通貨問題」では、はっきりと米国よりも中国への配慮を優先させてきた。もはや「米英」という言葉は「死語」になりつつある。そして、「欧米」という言葉も同様だ。

 日本人は、世界でもっとも強固な関係という意味を込めて「米英」という。そして、これも「いつも一緒」という意味で、「欧米」という言葉を使う。「欧」は「欧州」で、最強国家はドイツである。「ソ連崩壊」「米国発の危機」などを予測し、「予言者」をよばれるフランスの人口学者エマニュエル・トッドは、「EU」のことを、「ドイツ帝国」と呼ぶ。

 仮に、「ドイツがEUを実質的に支配している」と考えると、ドイツ(帝国)の経済力は、米国を上回る一大勢力になる。そしてドイツも、英国と同じように「中国についた方がよさそうだ」と考えていた。ドイツ在住の作家・川口マーン惠美氏は、「現代ビジネス」1月15日付で、ドイツが「いかに親中なのか」を詳しく記している。引用してみよう。

<去年の半ばぐらいまで、ドイツメディアはとにかく中国贔屓で、聞こえてくるのは中国経済が力強く伸びていく話ばかりだった。
「中国はあれも買ってくれる、これも買ってくれる」、「それも千個ではなく十万個」といった竜宮城のような話だ。>

 いつからドイツは、親中になったのだろうか?

<中国詣でを熱心にやり始めたのはシュレーダー前首相で、十年以上も前のことだが、その後を継いだメルケル首相は、最初の2年ほどはダライ・ラマに会うなどして中国側の機嫌を損ねたものの、それ以後はシュレーダー首相を超えるほどの蜜月外交に徹し始めた。>(同上)

 独中関係は、急速に深まっていき、ついに重要度は日本を追い越してしまう。

<毎年、大勢の財界のボス達を伴って北京を訪問しては、自動車を売り、エアバスを売り、ヨーロッパでは放棄した超高速鉄道も売って、「中国はドイツにとってアジアで一番重要な国」と言った。
主要国サミットのニュースで聞いた、「アジアの代表は日本ではなく中国ではないか」というアナウンサーの言葉を、私は忘れることができない。>(同上)

<当然のことながらドイツでは、中国に進出しなければ時流に乗り遅れるという機運が熱病のように蔓延し、産業界はずっと前のめりの姿勢が続いた。
そしてメディアが、それらをサクセスストーリーとして報道し、同時に、中国と仲良くできない日本を皮肉った。>(同上)

 このように、ドイツと中国の関係は、明らかに日本とドイツの関係より良好だ。では、米国とドイツの関係はどうなのだろうか?ドイツも英国同様、米国の制止を振り切り「AIIB」参加を決めた。「人民元SDR構成通貨」問題でも、米国の反対を無視して「賛成」している。現時点で、中国とEU最強国家ドイツの関係は、米国とドイツの関係より良好といえる。つまり「欧米」という言葉も、すでに「死語」になりつつある。

■世界秩序の崩壊スピードの速さは第2次大戦前にそっくり

 ここまでで、最近まで「伝統的」と呼ばれた関係が崩壊している状況を見てきた。

 ・米国とイスラエル、サウジアラビアの関係は悪化している。
 ・かわって、米国とイランの関係は改善している。
 ・米国と英国の関係は悪化している。
 ・英国と中国の関係は、良好になっている。
 ・ドイツをはじめとする欧州(特に西欧)と米国の関係は悪化している。
 ・そして、欧州(特に西欧)と中国の関係は良好になっている。

 しかし、この新しい関係は「新秩序」ではなく、非常に変化の速い「流動的」なものだ。大国群が「親中国」になっていたのも、「金儲けをしたい」という単純な動機に過ぎない。中国経済が急速に沈みはじめた今年、欧州各国の「中国愛」も冷めていくことだろう(前述の川口氏は、ドイツの報道が「反中」に変化してきたと語っている)。

 今の日本にとって大事なのは、「世界情勢」の変化をしっかり追い、理解しておくことである。1939年8月、時の総理大臣・平沼騏一郎は「欧州の天地は複雑怪奇」という歴史的迷言を残して辞職した。翌月から第2次大戦が起こるという局面で、日本の総理は何が起こっているのか、まったく理解していなかったのだ。

 日本が負けたのは、「当然」といえるだろう。しかし、現代に生きる私たちも、当時の人々を笑うことはできない。今起こっている世界の変化は、1930年代同様に速く、不可解で、油断するとすぐ「複雑怪奇」で「理解不能」になってしまうのだから。

 

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コメント
 
1. 2016年2月23日 19:14:54 : DaQpuyV9yg : wV6TgpicIdE[12]
最後まで戦争大国アメリカについていく安部日本は下駄の雪か。中国経済の成長率が多少落ちたぐらいでは、長期的な傾向は変わらない。

シリアを見てもわかるとおりロシアはもうアメリカの下にはつかない。中東地域では軍事的にもアメリカはロシアに勝てない。


2. 2016年2月24日 02:15:16 : VjYIbMxqeg : 42J3S2ohfOw[5]
何でも第二次世界大戦と似ているというのはどうかと思うが、世界の構造は1極体制から7極体制に移行しつつある。その中で日本は没落していく。日本の事はまあ別に良い。興隆する国もあれば、没落する国もあるのは世の常だからだ。没落を嘆くのならば、高度経済成長も嘆かなければならない。
では7極はどこかというと、アメリカ、ロシア、イギリス、EU(ドイツ・フランス)、インド、中国、イスラエル(もしくはイラン?)だろう。
その中での駆け引きなので、裏切りだのなんだのはチャンチャラおかしい。
各国は各国の国益が最大になるように振舞っているだけである。なので、今までになかった組み合わせでの合従連衡もありうる。それでも、過去の結びつきを全否定まではしないので、米英や欧米は付かず離れずで国益を最大化する方向でパートナーを組み替えていくのだろう。言うまでもなく、その中に日本の席はない。
覇権を担える資格がないからだ。これはただ、軍事力、経済力だけの問題ではない。
インドも他と比べると実力はあるものの、さほど軍事大国といえるほどではないし、経済力も延びたとはいえ他と比べればまだまだだろう。何が違うのかというと、自国の国益以外に子分ともいえる国々のために、それなりに代表して意見が言えるかどうかということと、その意見を全くスルーされることはないかという事だ。
それは他の覇権国からすれば、実力を認めているということである。
インドは今後道を踏み外さなければ、他の発展途上国の代表として、意見を言える可能性がある。
日本が意見を言っても覇権国からは全てスルーされるだろう。我々の意見を代弁してくれと頼ってくる国もない。アメリカの植民地に何かを頼っても意味がないからだ。そういう国は、覇権には加われないのである。
そうしてみると、世界にものが言える実力を備えた国(地域)は7つしかない。アメリカが今後も1極を担うのは当然であるのでそれは言うに及ばない。
細かく見ると、ドイツとフランスもそれぞれに覇権を担える国ではあるが、隣国ロシアに対抗するためには、纏まらないとやっていけない。ゆえにEUとして一つのまとまりと考える。
イギリスは独自の世界展開をしているので、ヨーロッパ以外に世界にイギリス圏というものをもっている。イギリスを頼りにする国もオセアニアなどまだまだ多い。
ロシアは単独覇権でも申し分ないが、ロシアは強面なので全面的に付いていく国は少ないだろう。
中国も独自のネットワークを世界中に張り巡らせている。単独覇権は担えないものの、1極を担うには十分である。
イスラエルも世界中に独自のネットワークがあるため、この先は世界の裏側ではなく、表舞台で活躍する実力は十分にある。ただし、自身が位置する中東エリアでイスラムを代表しているとは言い辛いので、そこはイランとの地域覇権争いがあるかもしれない。
それぞれの国の特性を見極め、全ての国と上手に付き合える国が覇権の周辺で生き残っていくだろう。(と言っても全ての国と仲良くすると言う意味ではない。臨機応変に駆け引きや拒絶、何でも言いなりにならないための実力や外交力を付けていくと言うことである。また軍事力では、今後も殆どが米中ロに適うことはないので、他国はそれ以外の分野で実力を発揮するしかない。そういう意味では得手不得手はあってもいい。)
外交に独自性をもたない金魚の糞の国は、覇権国にとっては負担にしかならないので、この先は没落する運命なのである。覇権国が覇権を担うのにも、維持するのにも駆け引きや労力やコストが必要だからだ。
7極それぞれが単独覇権を狙いつつも、合従連衡を続けていくのが、今世紀なのだろう。その先にアフリカや南米を加えて9極になるのか、どこかが支配力を拡大して1極に戻るのかはまだ解らない。

3. 2016年2月24日 22:29:52 : axdxgm3Wdc : WoR5VAJtx2c[263]
変わったと 言ってかわそう 疑惑には

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