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朝鮮半島問題における米国の思考には問題がある
人民網日本語版 2016年02月17日08:14
最近、朝鮮半島情勢は目まぐるしく変化し、危険がにわかに増している。1つには、朝鮮が世界各国の強い反対を顧みず再び核実験を行い、さらに弾道ミサイル技術を使って発射を行ったことで、これは国連安保理の禁令への重大な違反だ。これに対して国連は朝鮮半島情勢の安定を維持するため、引き続き対朝制裁の強化を協議している。もう1つには、米国が朝鮮による新たな核実験と衛星発射を口実に、ミサイル防衛(MD)システム「THAAD」を朝鮮半島に持ち込む可能性があることで、これは地域の安全保障情勢を一層複雑化させる。(文:沈丁立・復旦大学国際問題研究院副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
新たな状況を受けて、朝鮮半島および地域の平和・安定を維持するために一定の措置を講じるのは必要なことであり、そうすべきだ。だがこのような「タイミング」を捉えて別の事をやり、しかもそれが思惑に逆行する結果をもたらしうることは、理解しがたく、憂慮される。米国のする事なす事を見ると、朝鮮半島問題における思考にいささか問題があると感じる。
その一、冷戦思考。朝鮮半島問題において米国は長年対立を堅持してきた。米国は朝鮮半島南部に長年軍を駐留してきただけでなく、冷戦中には韓国に核兵器も配備し、朝鮮半島における核兵器化を先駆けて開始した。21世紀に入ってからも米国は冷戦思考を固守し、北側を「悪の枢軸」と呼び、大統領の前任期中には対話を頑なに拒否した。現任期中も引き続き接触を避けている。これが朝鮮半島情勢が繰り返し変化している重要な原因であることは間違いない。
米国はかつて一度朝鮮、イラン、イラクを「悪の枢軸」と呼んだ。米国は国連の承認がない中、イラクに対して戦争を発動し、現地に多大な惨禍をもたらした。米国はイラクが戦前に大量破壊兵器を秘密裏に開発していたいかなる証拠も見つけられず、反対に現地に深刻なテロ活動を引き起こした。イラン核問題に対しては手法を根本的に改め、国際社会の圧力と協力の下、長期間の対話を通じて昨年合意にいたった。だが米国は朝鮮との対話は拒否し、冷戦思考で圧力と対立を継続している。
その二、自国の目的を持ち込む。米国と韓国には同盟協定がある。安全を互いに保障することが目的だ。朝鮮の核兵器・ミサイル開発に対して、韓国が適度なミサイル防衛を講じることも決して理解できないことではない。だがこれら全ての行為の守るべき一線は正当な自衛であるべきだ。「自衛」を超えて、朝鮮半島の安全の均衡を崩し、北東アジアさらにはアジア太平洋地域に影響を与えることがあってはならない。
周知のように、「THAAD」の能力は朝鮮に対する防御の必要性を遥かに超える。「THAAD」を韓国に持ち込めば、中国の戦略安全に直接影響し、北東アジアとアジア太平洋の均衡を崩すのは確実であり、さらに大きな範囲での戦略再均衡競争を招く恐れがある。米国のこの行動は「その野心は誰もが知っている」だと言えよう。
その三、自己矛盾。米国は朝鮮半島問題の利害関係者だが、北南双方に対して長年全く異なる政策をとってきた。南部に対しては安全保障を提供する一方で、北側に対しては高圧的に抑え込んできた。これは朝鮮半島関係の緩和・改善に無益だ。米国は口先では核問題を解決する必要があると言っているが、朝鮮との接触・信頼を欠き、朝鮮半島核問題は解決困難なだけでなく、一層激化している。朝鮮半島核問題と朝鮮半島問題における米国の立場が、心にもないことを言う、自己矛盾したものであることは明らかだ。
上述の問題を解決するうえで、超大国は一体能力が不足しているのか、それとも誠意を欠いているのかと問わざるを得ない。さらに米国は朝鮮半島核問題の解決を心から望んでいるのか、それともこの問題が長期間存在して、自らが北東アジアに干渉する取っ掛かりとし、ワシントンを中心とする東アジア地域同盟に門を開き、自らがアジア太平洋と世界を長期間主導する助けにしようとしているのかと問いただす必要もある。
米国に厳しく警告できるのは、朝鮮半島問題の扱いが不適切なら、アジア太平洋の平和・安定に無益なだけでなく、自国の願望と甘い夢を実現することも不可能だということだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年2月17日
http://j.people.com.cn/n3/2016/0217/c94474-9017501.html
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