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〔激動の世界〜第1回テロと難民 EU共同体の分断/Nスペ1月9日〕
ヨーロッパで難民受け入れ反対の動きが広がっている。
国境をなくし平和で豊かな共同体を目指してきたヨーロッパ、今その理想が壁に突き当たり、分裂の危機に直面している。
新たな脅威の出現と混乱の連鎖、世界はどこへ向かうのか。3回シリーズの第一回はテロと難民の流入に揺れるヨーロッパ。各国でナショナリズムが台頭、統合の理念が揺らいでいる。
世界の変化を予言してきた知の巨人たちはどう見るのか。
政治学者「ヨーロッパに”裂け目”ができている。とでも深刻だ」
国際政治学者」ヨーロッパの分裂は世界経済にとっても最大の懸念である」
5億人が暮らす共同体ヨーロッパ、その分断が世界に何をもたらすのか。
大越健介「世界を恐怖に陥れたISだが、彼らは何故EUを代表する年であるパリを狙ったのか。専門家は、EUがそもそも寄木細工のもろさを持つことをISは良く知っていたからだ、と分析している。事実テロへの恐怖と、難民が次々に流入すると言う厳しい現実を突きつけられて、EUの結束は大きく揺らいでいる」
(ドイツ、ポーランド、フランスなどでの難民排斥の動きー略)
ドミニク・モイジ(地政学者:仏国際関係研究所)「メルケル首相は正しいことをしたが、同時にリスクも背負った。今後彼女は難民の流入をより厳しくコントロールしていかなければならないでしょう。さもないと地位が脅かされる
危機によって最も得をするのがポピュリスト政党だ。彼らはテロと難民問題を意図的に結びつけようとする。私たちが理解しなければならないのは、テロと難民の問題を混同してはいけないということだ」
モイジ氏は、大衆の不安は極右やナショナリズムと結びつきEUの理念を否定しかねないと警報を鳴らす。
クラウス・レゲヴィー(独・政治学者:エッセン文化科学研究所所長)「ヨーロッパ全土で難民を受け入れようという連帯がなく分裂が生まれいる。
レゲヴィー氏は、現在のEUは、発足以来最大の危機を迎えていると言う。これはヨーロッパにできた”裂け目”でとても深刻だ。多くの人は国境がないことに不安を間っ時自分の国に閉じこもろうとしている。現在の危機はヨーロッパ統合のすべての成果を危険にさらしている」
大越「実はEUは、テロや難民の流入といった事態に翻弄される以前から内部に大きな問題を抱えていた。それは富の格差である。経済力に乏しいギリシャが債務危機に陥ったとき、EUは自らが抱えた矛盾の大きさを知り、荒療治とも言えるやり方でギリシャ経済の建て直しにとりかかった。しかしその副作用による痛みが、今ギリシャを襲っている」
(「窮地に立つ失業率50%のギリシャのEUへの反発」−略)。
モイジ「ギリシャの状況を見ると2つの責任が浮かび上がる。まずギリシャという国自体の責任、彼らは嘘をつきました(2009年、EU加盟当初から多額に財政赤字を隠していたと公表)。我々はギリシャをユーロ圏やEUに受け入れるべきではなかった。第2の責任はヨーロッパ。これは議論の余地がない。私たちはギリシャに残忍な方法でショック療法を課した。ギリシャという患者がその劇薬に耐えられるかどうか考えもしなかったのである」
レゲヴィー「ギリシャの状況は自己責任だという人も多くいるが、私はそうは思わない。金融危機はヨーロッパだけでなく世界中に拡がった。EUのリーダーとしてドイツはもっと債務国に連帯を示し、緊縮策を無理強いすべきではなかった。南ヨーロッパの他の国々の債務も免除しともに経済や社会を再構築すべきでしょう」
イアン・ブレマー(米:国際政治学者)は、現在のEUの危機は世界秩序全体にも大きな打撃を与えていくと言う。
ブレマー氏「ギリシャは巨額の債務を返さなければならないので、いずれ危機は再燃する。債務の免除をするとしたら、ドイツが協議をまとめる必要がある。しかしメルケル首相の指導力が難民危機で揺らいでいるので、事態はより困難になっている。ヨーロッパは大きな問題を抱え内向きになり結果としてアメリカとの連携が弱まっている。これはアメリカにとって極めて深刻な事態だ。世界でアメリカの影響力が低下していく。欧米の価値観と歩調を合わせる国が今後急速に減っていくでしょう
レゲヴィー氏は、ヨーロッパが危機に直面している今だからこそ、統合の原点に立ち帰るべきだと言う。
レゲヴィー「ヨーロッパは世界の模範であるべきだ。我々が統合の統合の試みをやめたら他の国々も難しくなる」
- 独に流入の難民 去年は最多110万人〜ドイツ政府は危機感を強める/nhk 仁王像 2016/1/10 09:05:16
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