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(Voeux aux Français: Présidence de la République français)
http://www.elysee.fr/declarations/article/voeux-aux-francais-3/
フランス国民への誓い
発表 2015年12月31日
項目:国民、国家の制度と改革
私の親愛なる同胞の皆さん、
私が今夜示す誓いの言葉はこれまでのどの年とも違うものです。なぜなら、私たちは大変な1年を過ごしたばかりだからです。
去年は、シャルリ・エブドやイペールカシェールへの卑劣なテロ攻撃から始まり、モンルージュ・ヴィルジュイフ・サン=カンタン=ファラヴィエの都市やタリスの列車内が襲撃に遭い、サン=ドニとパリで受けた戦闘行為が恐怖の仕上げとなった、血塗られた1年でした。
私が最初に考えたのは、この狂信行為の犠牲者の方々、悲しみに落とされた御家族、身体に傷を負った方々のことでした。
今夜、皆さんの名において、私はそうした方々に私たちの同情と愛情の念を表します。この悲劇は私たち一人ひとりの記憶に深く留まり、決して消えることはないでしょう。
しかし、惨事があってもフランスは屈していません。涙を流してもフランスは立ち続けています。
憎悪に直面してフランスはその価値の力を示しました。共和国の諸価値です。
フランス人紳士淑女の皆さん、私は皆さんを誇りに思います。皆さんはこうした状況の中で決意と団結と平静さを示しました。
今この時に、私は私たちの安全のために相当の危険を冒してくれた軍人・警察官・憲兵の皆さんの勇気に敬意を表します。私は、苦境に陥った私たちの同胞を助けてくださった衛生軍・消防士・市民の保護団・全てのボランティアの皆さんに感謝の言葉を送ります。しかし、私は皆さんにこの事実を言わなければなりません。私たちはこれでテロリズムを終わらせたわけではないのです。脅威は常にそこにあり、最高レベルを保ったままです。私たちはテロ事件をその度ごとに失敗させている状態です。
皆さんを守ることは、私の第1の義務でもあります。皆さんを守ることとは、つまり、シリアやイラクで悪の根本に対処することです。私たちがダーイッシュへの攻撃を強化したのはそのためです。弾は次々と命中し、ジハーディストたちは退却していますが、私たちは必要なだけのことを続けていきます。
皆さんを守ることとは、つまり、この私たちの土地で対処することです。
テロ事件があった夜、私はマニュエル・ヴァルス氏の提案に基づき、国家の非常事態体制を布きました。その後、ヴェルサイユの議事堂で上下両院議員を前に、私は私たちが苦しめられたことへの対策について率直な選択をしました。まず、私は警察・司法・情報部門・軍の人員と能力の強化を決めました。続いて、私は組織犯罪・その資金調達・その資金源となる取引との闘いを効果的に進めるために刑事訴訟手続の改革を始めました。
最後に、私は憲法の見直しを発表し、私たちが差し迫った危機に直面した時に緊急事態に訴えることについて確固とした根拠を与えるともに、テロ犯罪のために有罪が確定した個人からフランス国籍を取り上げるようにしました。
今後は国会がこれに責任を持ちます。議論は合法であり、私は議論を尊重します。議論は行わなければなりません。そして、皆さんを守ることが問題となるときに、フランスが分断することがあってはなりません。フランスは党派の違いを超えて根本的な原則に沿った適切な決定をしなければなりません。私はこれを保証する者ですので、このことへの目配りを欠かさないようにします。
さらに、私はフランス国民が互いに対立するようなことを決して容認しません。私たちの分断こそ、過激主義者たちの求めるところだからです。世俗主義を行く私たちの共和国で、私たちと同じフランス人が自分自身の宗教的な慣習に囚われるようなことを、私はこれ以上は容認しません。あるいは、先日コルシカの祈りの部屋であったような、宗教施設が冒涜されるようなこともです。こうした行為が罰を受けないままでいることは決してありません。その場がモスクであっても、シナゴーグであっても、寺院や教会であってもです。これはフランスの名誉に係わることなのです。
私の親愛なる同胞の皆さん、
2016年、私たちはテロリズムと戦います。そうです。必ずやります。徹底的にやります。しかし、これは私たちの社会を破壊し、退場に追いやる程の後退をもたらすもの全てに対しても同様です。
安全の面に緊急事態があるとするなら、経済・社会の面にも緊急事態があります。
失業との戦いもまた、私にとっていまなお第1の優先事項です。
この目的のために政府は法案を準備します。法案は労働法制を簡素化し、職業人への新たな社会保障を創設し、デジタル革命によって提示された経済的なチャンスを掴むものになります。
これと並行して、求職者の訓練のための大がかりな計画が始まります。これにより、さらに500,000人が明日の職業に従事することになります。しかし、ご存じの通りこの雇用創出策は中小企業を対象にしたものです。また、雇用に向けては来年初めから新たな支援策も導入されます。
最後に、実習の課程が大規模に始まります。私は、実習者が例外なく雇用者に付くことと、雇用者が例外なく実習者を受け入れるという目標を定めています。形態はどうあれ、全ての若者は訓練中か在職中ということになります。来る世代のためのこの取り組みは、神聖な義務です。これには、国は勿論、若者が就業した職域・企業など、全ての動員が求められます。これも国を挙げて取り組むことです。
フランスは動くことが必要です。行動が必要です。そして、社会参加も必要です。セルビス・シビークは融合し、統合し、同化するための1つの橋渡しです。この組織が若者や私たちの社会に役立つことは証明済みです。
そのため、私はこの組織の一般化に向けた段階的な取り組みを政府に求めています。その使命は拡大し、最も弱い人々を支えることから、この星を保護することまでへと広がります。
COP21の成功は世界的な出来事でした。気候温暖化緩和のための195ヵ国間の協定がパリで調印されたことはフランスにとって誇れることです。これは相当な成果です。
フランスは今後、この星のために決めたことを実行する責任があります。それだけでなく、これに率先して取り組み、手本とならなければなりません。
そのため、私たちは建築物の改修・再生可能エネルギーの開発・森林の育成のための大規模な作業プログラムを始めます。私たちは気候を切っ掛けにして、雇用やクオリティ・オブ・ライフのための大きな作業の場を作ります。
フランス人紳士淑女の皆さん、
私たちが去年経験した出来事から確認したこと、それは、私たち全てがある同じ感情を共に心に抱いていることです。その感情とは、祖国への愛です。
祖国という目に見えない糸が私たち全てを、つまり、あらゆる場所であらゆる状況に置かれたあらゆる信仰を持つあらゆる出自のフランス人全てを結びつけています。
そして、私の約束の中心にあるこの祖国が、世界へと開かれる道の中に、他者への敬意の中に、平等の中に、未来への信頼、つまり、フランスの未来への信頼の中で現実のものとなります。後退・閉鎖・差別・過去を懐かしむ心の中ではなくです。
祖国の名において、私たちは欧州を建設してきました。
欧州は大きなことを成し遂げました。しかし、欧州は不十分であることが明らかになり、そのため、今日危機にあります。
欧州は紛争を原因とした難民の流入に直面しており、境界線を安全にするとともに保護を求める人々を受け入れつつも、見込みのない人たちは尊厳を以て見送ることを可能にしなければなりません。これは大きな挑戦ですが、そうしなければ、歴史によって打ち壊されたと思っていた壁が再び出現することになります。
これを避けているうちは、私たちが堪え忍んでいる惨事の原因から2015年という年が私たちを解放することはありません。2015年があったために、私たちはその原因を直視し、断固とした態度で対処しなければならないのです。しかし、こうして生まれたものは私たちに変化と活力も与えてくれました。そして、この強さは全世界から敬意を受けており、私たちはあらゆる改革を成功させ、経済をさらに強化し、社会正義を進め、模範的な民主主義を進めるために、私たち自身から生まれたこの活力やエネルギーを使わなければなりません。そうして、私たち全てが揃って成功するという素晴らしい理想により、フランスは更に大きく成長するでしょう。
内地・外地・国外にいる私の親愛なる同胞の皆さん、
2015年は苦痛と抵抗の年でしたが、2016年は勇気と希望の年にしましょう。こうした精神の内にあるものを、私は心の底からの皆さん・皆さんの近しい方々・皆さんへの御家族への精一杯の誓いの言葉として、皆さんに送ります。皆さんがフランスであり、フランスの全てだからです。
共和国万歳、そして、フランス万歳。
Voeux aux Français 投稿者 elysee
−参考 (投稿者による過去の投稿)−
フランス国民への誓い(フランス大統領府)(2014.1.3)
フランス国民への決意(フランス大統領府)(2013.1.2)
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(投稿者より)
フランスは去年大変な1年を経験しました。そのため、今年は「テロとの戦い」に力を割くことをオランド氏は明言し、それは方々のメディアが伝えています。
ただ、内政については、特に社会保障や労働政策の分野は資料が少なく、特に去年は氏が目指す改革の中身について調べ切ることができず、そのため氏が演説で伝えたい中身が分からず、演説の投稿は控えさせていただきました。今年は仏英・仏仏のオンライン辞書を手がかりに何とか日本語に直しましたが、誤訳の指摘などがありましたら歓迎いたします。
細かいことですが、"la protection civile"については、日本でも有事対応や大規模災害対応と関連で、「国民保護」の概念が形成されつつあるので、市民が主体となり多様な保護活動を行う組織という意味合いで「市民の保護団」という日本語にしても分かるだろうと思いそのようにしました。ただ、"le Service civique"については、青少年に社会奉仕の場を提供するとともにある程度の対価を支給する公的な団体は日本に存在せず、日本文化の中にもそのような土壌は存在しませんので、そのまま「セルビス・シビーク」としました。"la qualité de la vie" は「生活の質」という日本語よりも「クオリティ・オブ・ライフ」という英語が術語として定着していますので、そのようにしました。
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