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人種差別の象徴と決別=大学のセシル・ローズ像撤去−英・南ア
2015.12.21 時事通信
南アフリカの名門ケープタウン大学でクレーンを使って撤去されるセシル・ローズの像=4月9日
【ロンドン時事】帝国主義と黒人差別を象徴する19世紀末の英政治家セシル・ローズの銅像などを南アフリカや英国の大学から撤去する動きが広がっている。かつて「偉人」とたたえられたローズだが、像を放置すれば人種差別や植民地支配の歴史を正当化することにもなりかねない。大学は「負の遺産」との決別を迫られている。
ローズは現在の南アフリカ付近にあった英植民地の首相として、その後の「アパルトヘイト(人種隔離)」につながる苛烈な黒人差別政策を展開。一方、アフリカ南部で英国の覇権を拡大し、大英帝国最後の栄華を飾った。南アや英国には今でもローズを顕彰する像や碑が残っている。
しかし、時代は変わり、アパルトヘイトを放棄した南アでは近年、大学内などのローズ像撤去を求める学生らの運動が活発化。4月には名門ケープタウン大が像の撤去に踏み切った。
英国でも今月17日、ローズの母校オックスフォード大のオリオル・カレッジが学生側の要求に応え、ローズとの「関係見直し」を表明。顕彰する銘板を校舎の壁から取り外すことを決めた。構内にはローズ像もあるが、景観規制の対象で勝手に動かせない。学内外の意見を聞き、当局に撤去を申請するか判断する。
同カレッジにはローズの死後、遺産の2%が寄贈され、奨学金の原資や校舎の建設費に充てられた。しかし、カレッジは声明で「当校はローズと価値観を共有せず、彼の人種差別的な考え方や行動も許さない」と強調。今後はアフリカ出身の学生への奨学金充実など反差別に力を入れる。
[時事通信社]
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【註】
http://www.y-history.net/appendix/wh1402-015.html
イギリスのケープ植民地現地政府の首相として、植民地拡大を強行した。
アフリカ縦断政策を進めるセシル=ローズの風刺画。カイロとケープタウンを足で押さえている。
さらにヨーロッパ列強によるアフリカ分割の競争が激しくなると、カイロとケープ植民地を結ぶアフリカ縦断政策を推進しようとして、ケープ植民地の北方に遠征軍を送り、イギリス領植民地に編入した。彼が獲得した地は後にローデシア(現在のジンバブエ)と名付けられた。また、ブール人の国トランスヴァール共和国とオレンジ自由国の併合を策し、1895年に部下を使って侵入を試みたが失敗し、その強引なやり方が批判されて、翌年植民地首相の地位を退いた。
同年に本国の植民地相となったジョセフ=チェンバレンはセシル=ローズの植民地拡大策を実現しようとして、トランスヴァール共和国への介入を強め、ついに1899年の南アフリカ戦争※の勃発となり、激戦の末、1902年にイギリス直轄植民地とされた。
※教科書などでは、ジョゼフ=チェンバレンとセシル=ローズが協力して南アフリカ戦争を起こしたような説明になっていることが多いが、そのときすでにローズはケープ植民地首相を辞任しているので注意すること。
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