http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/185.html
Tweet |
欧州Inside 〜特派員から
極右政党・国民戦線躍進 近づくフランスの保革[日経新聞]
パリ支局 竹内康雄
2015/12/24 3:30
6日と13日に投開票されたフランスの地域圏議会選は、極右政党、国民戦線(FN)への支持が着実に増えていることを示した。オランド大統領が所属する社会党(左派)やサルコジ前大統領率いる共和党(右派)は警戒を強め、FNの封じ込め策が必要との認識が広がりつつある。共和党や社会党には協力を模索する動きが出始めている。
「既存政党では何も変わらない。我々は今後も上昇する」。FNのルペン党首は13日夜、有権者らを前に演説し、今後も支持を広げるとの決意を表明した。FNはこのところ、「難民にテロリストが混じっている」として、難民受け入れの即時停止や国境の警備や出入国管理の強化を訴え、テロの恐怖が残る有権者の支持を引き付けてきた。一方、従来の主張であるユーロ圏離脱は「国民投票で決める」(ルペン党首)と後退させ、ソフト路線で右派の取り込みを図っている。
■第1回投票は6選挙区でトップ
地域圏議会選はフランスで最も大きい単位の自治体の議員を選ぶ。第1回投票で10%以上の票を得た政党が第2回投票に進み、トップとなった党が議長職を得る仕組みだ。第1回投票でFNは約28%の得票率を得て、共和党など右派グループや社会党を抑え、13の選挙区のうち、6つでトップに立った。ところが第2回投票では右派グループが40%、社会党が29%で、FNは27%と3位に沈み、どの選挙区でもトップに立てなかった。
国民戦線は地域圏議会選で伸び悩んだ
(各党の得票率、%、仏内務省)
第1回投票 第2回投票
共和党など右派グループ 26.65 40.24
社会党 23.12 28.86
国民戦線(FN) 27.73 27.1
理由は大きく2つありそうだ。FNの伸長に危機感を覚えた社会党は「極右の勢力拡大を食い止めなければならない」(バルス首相)として、第1回投票の結果を見て、複数の選挙区で候補者を取り下げ、第2回投票では支持者に右派グループに投票するよう異例の呼びかけに踏み切った。もう1つは投票率が第1回投票の50%から58.5%に伸びたことだ。「FNの躍進を目の当たりにした既存政党の支持者が投票所に出向いた」(仏紙ルモンド)とみられている。
各選挙区で第1党の座はとれなかったものの、FNの議員が各選挙区に誕生し、勢力を伸ばしたのは事実だ。全体では右派グループが約790、左派が約550、FNが約360の議席を獲得したという。既存政党の社会党と共和党の警戒感は強めている。
■警戒するオランド大統領
「国民の団結が必要だ」。オランド大統領は16日、地域圏議会選後に初めて公に発言した。発言の場所は、ルペン氏が地域圏議会選に立候補したノールパドカレ・ピカルディ地域。仏メディアによると、オランド氏は社会党が共和党など保守系野党の一部と協力してFNの台頭を食い止める必要があるとの思いを強めている。
実際、動きは出始めている。バルス首相はテロや極右対策で左右問わずに協力すべきだと主張。一方で共和党の有力者、ラファラン元首相は「FNを食い止めるためには、失業対策を強化する必要がある」と、雇用政策で社会党と協力するよう呼びかけた。
「国際主義者のオランド氏が共和党と組むようだ」。FNのルペン党首は17日、ツイッターで皮肉った。ルペン党首は既存政党は「社会党でも共和党でも同じ穴のむじな」と訴えることで、自らを「愛国主義者」として際立たせようとする戦略をとっている。2017年には大統領選が予定される。欧州に押し寄せる難民問題の行方次第で、保革接近はルペン氏を勢いづけるリスクをはらむ。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO95371960R21C15A2I00000/?n_cid=DSTPCS001
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。