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一体なぜ欧米は、ロシアを打ち負かしたり、“許したり”できないのか
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2015年12月21日 マスコミに載らない海外記事
Andre Vltchek
2015年12月18日
"NEO"
歴史的かつ本能的に、ロシアは人類の生存のために戦ってきた。もちろん、物事は必ずしも、そのように呼ばれたり、定義されたりしてはこなかった。ところが、この巨大な国は、既に何度か我が地球の存続を脅かしている最も強力な悪の勢力に対して立ち上がったのだ。
第二次世界大戦中、ソ連国民、主にロシア人は、少なくとも2500万人の男性、女性と子どもを犠牲にして、最終的にナチズムを打ち負かした。現代の歴史で、これ以上の犠牲を払った国はない。
勝利の直後、ロシアは中国と、後にはキューバとともに、これまでで、最も荘厳で高貴な事業に着手した。組織的な欧米植民地主義の解体だ。世界中の抑圧された大衆がヨーロッパと北アメリカの帝国主義者の蛮行に対して立ち上がり、大規模な財政的、イデオロギー的、軍事的支援と、希望の光を進んで与えたのはソ連だった。
虐げられ、破壊された国々が、次々と独立を実現する中、ソ連とロシアの国民に対する憎悪が、事実上、欧米世界の全ての首都で、増大していった。結局、非白人諸国を略奪することは“文明世界”の自然の権利と見なされていたのだ。
アメリカとヨーロッパでは、“植民地主義”や“帝国主義”などの言葉は、大いに否定的な含意を急速に得つつある、少なくとも表面上は。あらゆる大陸で解放の戦いを支援していることに対して、ソ連を悪魔化するために攻撃するのは非生産的だったろう。その代わり、“悪の帝国”に関する入念な理論が作りだされた。
ロシアは常に“邪魔をしていた”。ワシントン、ベルリン、ロンドンやパリの残虐な計画 - 全世界を支配し、略奪する計画を損なう素晴らしい国だ。
しかしロシアの行為は高貴だった。ロシアに対し、更なる侮辱的攻撃だ。
ロシアは常に、自らを動員し、たった一つの人道的で深遠な道徳的目標を実現するために、その全ての資源を投入する大変な能力を持ち合わせていた。ロシアの戦いには、何か神聖で“より高貴で”、完璧に本質的なものがある。
“立ち上がれ、偉大な国よ、命懸けの戦いに立ち上がれ!”第二次世界大戦の偉大な愛国歌の一つの始まりはこうだ。ロシアが戦う際、何よりも重要なのは勝利だ。あらゆる犠牲を払っても。
運命がロシアを全世界のために戦うよう選んだのだ。もし“運命”を信じないのであれば、“ロシア魂”は決して理解できない。宗教の問題ではない - ロシア人は概して、アナーキーで、“無神論者”だ。しかし、ロシアは運命を信じ、受け入れるのだ。
しかも大半の場合、ロシアに選択肢はないのだ。ロシアは、勝利か、人類の滅亡かのいずれかに直面していたのだ。そして、世界と自身の存在が脅かされた際、ロシアは常に立ち上がった。激怒したロシアは恐ろしくもあるが、憤怒と決意は非常に美しくもある。ロシアは、それぞれの隙間で、それぞれの土地で、国民それぞれの心とともに戦ってきた。ロシアは、ほとんど常に勝利したが、大変な犠牲を払い、何百万人もの息子や娘を埋葬し、後になって筆舌に尽くし難い悲しみと苦痛に打ちひしがれた。
しかも、ロシアを支持し、なぐさめてくれるものは決していなかった。火がまだ燃え盛り、最愛の人を失った母親や妻たちの顔がまだ涙で濡れているなか、欧米の目的のためには手段を選ばない政権や連中のプロパガンダによって、ロシアは唾を吐きかけられ、冷笑され、恥をかかされてきた。
ロシアの英雄的行為は軽視され、ロシアの犠牲は笑い者にされた。人類のために亡くなったロシアの何百万人もの人々の無駄死にが繰り替えされた。
その英雄的な戦いと引き換えに、二つの重要なこと、正しい評価と尊敬を除いて、ロシアは何も要求しなかった。ロシアはそのいずれも獲得していない!
*
今またしても、ロシアは立ち上がり、ISISに対する英雄的な戦いを開始した。欧米とその地域の卑劣な追従者連中が作り出し武器を与えた、あのイスラム教の無茶苦茶なパロディと。
ロシアは行動しなければならない。もしロシアがそうしなければ、だれが行動するだろう? 何世紀もの欧米の十字軍や極めて恐ろしい植民地主義者の行為後、文明のゆりかごの一つとして表現するしかない世界のこの素晴らしい部分、中東には、ほとんど何も残されていない。略奪され、屈辱を与えられ、中東は欧米に仕える属国の痛ましい寄せ集めへとおとしめられた。何千万人もが虐殺された。あらゆるものが略奪された。社会主義や非宗教的政府は追いつめられ、打倒された。
私は世界のこの部分で集中的に働いてきたので、アフリカを除けば、欧米の強欲と蛮行によって、これほど傷付けられ、非人道的な扱いを受けた地域は世界にないと私は証言できる。
絶望的になり、致命傷を受け絶望した、最近最も苦しめられている二つの古くからの国々、シリアとイラクが、ロシアに向かって助けを乞うた。
そして、ロシアは彼等を助けることに同意した。
そう、もちろん私には“ロシア権益”とロシアの“勢力圏”に関するヨーロッパや北アメリカからの耳障りな雑音が聞こえる。欧米では、何一つ聖なるものはなく、あり得ない。あらゆるものが、暗い皮肉と虚無主義で色付けされなければならない… もし欧米が、悪漢として行動しているのなら、それ以外の世界も同じ色合いと階調でえがかれねばらないのだ。結局、欧米には仲間はおらず、感情もないのだ。あるのは権益だけだ。私はこれを、でっちあげているわけではない。アフリカの破壊された場所で暮らし、働いていた時に、何度となく、そう聞かされたのだ。
しかし、パリやワシントンの連中が言うことを、私は全く気にしていない。重要なのは、イラク、シリアやレバノンで何が語られているかだ。現地ではどうなのか申しあげることができる。もし現地の床屋に行って、自分はロシア人だというと、人々は立ち上がって、あなたを抱擁し、歓声をあげるだろう!
*
ロシアは他の国を決して攻撃しないが、万一攻撃された場合、その憤怒は、特に戦争をしているさなかには、ものすごいものとなりうる。“剣をもって我々の所にくる者は、誰であれ、剣によって滅びるだろう”と13世紀のノヴコロドの王子、アレクサンドル・ネフスキーは言った。
最近のトルコ空軍による、シリア領空でのロシア爆撃機撃墜が、より広範な地域戦争の危険を増した。
NATO加盟国のトルコは、地域中に、テロを広めている。リビアから、ソマリア、そして、イラク、シリア、さらには自国のクルド領土に。テロは人々を苦しめ、ジャーナリストを含む多くの人々を殺害し、何百万もの天然資源を略奪し、大半の過激派や、主としてカタールが支援する聖戦の教義を広めている。
大昔の1990年代始め、彼がイスタンブール知事だった頃、欧米がいかに組織的にユーゴスラビアを破壊しているかを書く合間に“傷を癒やしていた”際に、イスタンブールで、レジェップ・タイイップ・エルドアンと会ったことがある。
“トルコ語は話せますか?”ある会談の際、彼は私に尋ねた。
“あまり話せません”私は答えた。“ほんの少しだけ。”
“しかし、あなたは我が党名をいかに発音するかを完全にご存じだ! 我々がどれほど重要化ということですな。”
最初の会談で、彼が誇大妄想狂で、劣等感まみれの男で、攻撃的な、人間のくずとわかった。彼が‘一体どこまでやるのか’私には見当がつかなかったが、彼はとんでもなくやり過ぎた。彼のおかげで、地域中で、何百万人が苦しんでいる。
今や、彼はロシア爆撃機を撃墜し、イラクに侵略した。
トルコはロシアと何度か戦い、ほとんど常に敗北した。そして、二つの世界大戦の間、トルコは、ソ連が与えた支援あればこそ生き残ることができたのだ。トルコは、次の手については、熟考すべきだ。
ロシアは単に‘戦争を戦っている’のではない。人類の生存、ほかならぬ美術、詩や、交響曲の膨大な作品のために戦っているのだ。説明するのは困難だが、そうなのだ。あらゆるものごとは絡み合っているのだ。
ロシアSU-24を背後から撃墜するのは、第二次世界大戦中に亡くなった2500万人を揺さぶるようなものだ。それは愚かなことであり、法外だ。ロシアでは、こういうやり方はしない。戦いたければ、姿を現し、向かい合って戦う。
だが、もし臆病者のように人を殺し、もし既に荒廃している隣国を侵略すれば、ただ何機かのSU-24ではなく、大量の戦略重爆撃機と直面しているのに、ある日気がつく可能性がある。
*
ロシアは打ち負かされることはない。それには様々な理由がある。一つは実際的なものだ。ロシアは核保有超大国だ。もう一つは、ロシアが通常正しい大義のために戦うからだ。そして、ロシアは、心から全力を尽くして戦うのだ。
ロシアがなければ、少なくとも我々が知っている姿の地球はなかっただろう。欧米と、そのファシスト・キリスト教諸国が、世界を完全支配していただろう。“人でなし”、“非白人”は、動物(今彼等が扱われているよりも、更にひどく)のように扱われる。いかなる規制もなくなり、窃盗や破壊のはてしがなくなる。
いわゆる“文明社会”(他人の血と死体の川から劇場や学校を建設する社会)は、世界の完全支配に向かって、破竹の勢いで行進するだろう。
幸運にして、ロシアが存在している。しかも、ロシアが打ち負かされることはあり得ない。ロシアは、決して打ち負かされることはあるまい。しかしながら、地上の惨めな人々の側に立つがゆえに、ロシアは決して欧米に許されることはない。
アンドレ・ヴルチェクは、哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト、Vltchek’s Worldの制作者、熱心なTwitterユーザーで、とりわけ、オンライン・マガジン“New Eastern Outlook”に寄稿している。
記事原文のurl:http://journal-neo.org/2015/12/17/why-the-west-can-never-defeat-or-forgive-russia/
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