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ケリー米国務長官は露国を訪問、シリア政策で両国に違いはないとしたが、それを認めない勢力も(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/166.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 20 日 22:58:05: igsppGRN/E9PQ
 

ケリー米国務長官は露国を訪問、シリア政策で両国に違いはないとしたが、それを認めない勢力も
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201512200000/
2015.12.20 21:51:20 櫻井ジャーナル


【ケリー国務長官の訪露】
 アメリカのジョン・ケリー国務長官は12月15日にロシアを訪問、セルゲイ・ラブロフ外相に続いてウラジミル・プーチン大統領と会談した。その後、ケリー長官はシリアの体制を転換させようとはしないと発言する一方、バシャール・アル・アサド大統領はその地位から降りるべきだとも語った。アサド体制の打倒を主張し続けているネオコン/シオニストに配慮したのかもしれないが、そのネオコンはケリー長官がアメリカ政府とロシア政府は考え方が根本的に同じだとしていることに反発している。ロシア政府の主張は一貫、シリアの将来を決めるのはシリア国民だとしている。

【アル・カイダ】
 本ブログでは何度も書いているように、2011年3月からシリアで始まった戦闘は軍事侵略であり、「内戦」ではない。侵略の黒幕はNATOに加盟しているアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、ペルシャ湾岸産油国のサウジアラビア、カタール、そしてネオコンと一心同体の関係にあるイスラエル。DIA(アメリカ軍の情報機関)が2012年8月に作成した文書によると、反シリア政府軍の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQIで、このAQIはアル・ヌスラと同じ組織。
https://www.judicialwatch.org/wp-content/uploads/2015/05/Pg.-291-Pgs.-287-293-JW-v-DOD-and-State-14-812-DOD-Release-2015-04-10-final-version11.pdf

 サラフ主義者とはワッハーブ派と重なる集団。そしてワッハーブ派とはサウジアラビアの国教。ムスリム同胞団はガマール・アブデル・ナセルの暗殺を試みて失敗、逃げ込んだ先がサウジアラビアだったことからワッハーブ派の影響を強く受けている。

 サウジアラビアを含む反シリア政府軍の黒幕は自国の特殊部隊をシリアへ潜入させていたと言われている。例えば、イスラエルでの報道によると、シリア国内にはイギリスとカタールの特殊部隊が潜入、ウィキリークスが公表した民間情報会社ストラトフォーの電子メールによると、アメリカ、イギリス、フランス、ヨルダン、トルコの特殊部隊が入っている可能性がある。すでにイギリスの特殊部隊SASの隊員120名以上がシリアへ入り、ISの服装を身につけ、彼らの旗を掲げて活動しているとも報道された。
http://www.express.co.uk/news/uk/595439/SAS-ISIS-fighter-Jihadis

 AQIなるアル・カイダ系の組織が登場するのは2004年、つまりイラクのサダム・フセイン体制をアメリカ主導の連合軍が破壊した翌年。2006年にISI(イラクのイスラム国)が編成された際にはその中核となり、今ではISなどと呼ばれている。つまりAQI、アル・ヌスラ、そしてISは基本的に同じ戦闘集団だ。

 2014年1月にファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にモスルを制圧してからISは広く知られるようになったと言えるだろうが、その一因はトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレードしたことにある。その際、アメリカの軍や情報機関は衛星や航空機による偵察、通信の傍受、地上の情報網などで動きをつかんでいたはずだが、反応しなかった。

 DIAは2012年の段階でサラフィー主義者がシリア東部に支配地を作ると警告していた。そのように警告された上でアメリカ政府は動いている。文書が作成されたときにDIA局長だったマイケル・フリン中将は文書が本物だと認めた上で、そうした勢力をアメリカ政府が支援してきたのは政府の決定だと語っている。
https://www.youtube.com/watch?t=675&v=SG3j8OYKgn4
その決定に基づいてISは勢力を拡大したのだ。

【ロスチャイルド】
 このISにはいくつかの資金源があるが、その中心は盗掘石油の密輸で、その密輸ルートをロシア軍が破壊している。これまで石油の密輸を放置してきたことに関し、CIAのマイケル・モレル元副長官は副次的被害のほか、環境破壊を防ぐためだと主張して失笑を買った。
http://www.charlierose.com/

 この密輸で中心的な役割を演じてきたひとりがビラル・エルドアン。レジェップ・タイイップ・エルドアン・トルコ大統領の息子だ。ビラルが所有するBMZ社が盗掘石油を輸送しているのだが、ビジネス全体ではジェネル・エネルギー社が黒幕だとされている。
http://www.strategic-culture.org/news/2015/12/17/turkish-isil-oil-trade-did-turkish-military-enter-mosul-protect-oil-trade-i.html

 このジェネル・エネルギー社はロンドンを中心とするタックス・ヘイブン網の一角を占めるジャージー島に登記されている。投資会社のジェネル・エネルジ・インターナショナルがバラレスに買収されたのだが、この投資会社を創設したのはアンソニー・ヘイワード(元BP重役)、金融資本の世界に君臨しているナサニエル・ロスチャイルド、その従兄弟にあたるトーマス・ダニエル、そして投資銀行家のジュリアン・メセレル。

 ちなみに、ナサニエル・ロスチャイルドの父親、ジェイコブ・ロスチャイルドが戦略顧問として名を連ねているジェニー社は、イスラエルが不法占拠しているゴラン高原で石油開発を目論んでいる。ジェイコブと同じように顧問を務めている人物にはリチャード・チェイニー、ジェームズ・ウールジー、ウィリアム・リチャードソン、ルパート・マードック、ラリー・サマーズ、マイケル・ステインハートなどがいる。ロスチャイルドがウクライナの利権に関係していることも本ブログでは何度か指摘した。

 シリアやイラクでの盗掘石油の密売ではトルコ大統領の息子やナット・ロスチャイルドのほか、トルコ北部を支配するクルド勢力も加わっている。このクルド勢力をイスラエルは支援してきた。

【TPP/TTIP/TiSA】
 シリアだけでなく、中東全域、アフリカ、旧ソ連圏などに平和をもたらすためには、こうした富豪/巨大資本を押さえ込まなければならないのだが、こうした勢力は逆に既存の国を支配しようとしている。私的権力による世界制覇だ。その仕組みとしてTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)も導入しようとしている。


 

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