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ロシアは良好関係の維持を望む日中の期待を利用[スプートニク日本語]
2015年12月16日 03:43(アップデート 2015年12月16日 03:48)
今日、日本ではどうも一致しない2つの出来事が起きた。1つは今年の漢字に平和、安泰を表す「安」が選ばれたこと。もうひとつは防衛省の高官の一人が南シナ海で再び中国の脅威が認められたことを明らかにしたことだ。
元駐日ロシア大使で先日日本に滞在したばかりのアレクンサンドル・パノフ氏は、日本人はわななく期待と不安からロシアについて考えざるを得なくなっているとの考えを示し、次のように語っている。
「安倍首相には、プーチン大統領の訪日という関心が残されている。安倍氏がロシアへ行って、極東で首脳会談を行うという可能性も話し合われている。制裁にもかかわらず、もちろんまずエネルギー分野で何らかのプロジェクトを発展させようという意気込みもある。ロシア国営石油企業『ロスネフチ』のセチン社長が日本に行った際に何らかの新たなスキームを提案している。例えば日本企業に油田など産地開発の際の初期資本の一部が提供された。
2月あたりにロシア人企業家らの一大代表団がマントゥロフ産業貿易相と共に日本へとやってくるという情報が入ってきた。つまり日本人にはロシアと経済関係を発展させようという関心があるということだ。だが政治対話を維持しようという意図もある。
1月初旬に自民党の高村副総裁がやってくる。高村氏もロシアとの関係拡大を支持する議員グループを率いる存在だ。高村氏は議員のラインでの関係活発化を話し合う。私も数人の議員たちと会うことが叶ったが、みなが今、明らかに不足している政治対話の活発化への関心を強調していた。
もちろん、中東、ウクライナの情勢がどうなるか、それへの憂慮は感じられるが、全体としては日本人は自分の問題により関心を抱いている。日本人は地域で確固としたポジションを確保するためにロシアと良好な関係を持ち、露中が反日を基盤に手を組まぬようにする必要性があるという点に立脚している。これについてはそういえば、安倍氏はG7の会議でも語っていた。」
「スプートニク」:日本人の抱く恐怖感はどこからきているのか? 日本は中国とすばらしい経済関係を築いているではないか?
パノフ氏:「ロシアだってトルコとすばらしい経済関係を築いている。だがこうしたすばらしい関係だってラディカルな事件が1つか2つ起きただけで瞬時に地獄へと葬り去られてしまうものだ。ところが日本と中国の関係は政治面では一点の曇りもないという状態からは程遠い。領土問題もあり、地域での影響力を巡る闘争もある。
安倍氏がインドへ向かったとたん、この訪問は中国に対抗し、釣り合いを保つためのものだというコメントが出された。インドとは高速鉄道の建設をはじめとする大型契約が結ばれた。こうした鉄道の建設は中国も求めていたものだった。ところが日本はより有利な条件を出し、譲歩まで行った。日中間では明らかにライバル競争が展開されている。
TPP合意も多くの米国人は経済合意というよりはこの地域における中国の覇権を抑えるための政治的なものと捉えている。米国防総省長官などは、太平洋地域にさらに一隻、米国の空母を増やそうなどという声明を表しているほどだ。
こうした不安定な状況や地域における首位争いを背景に、様々な矛盾を考慮すれば、中国もそうだが、日本がロシアを自分の側においておきたいという意欲は極自然なことに思える。
それにロシアにとってはこうしたパワーバランスの役割、日本とも中国とも友好関係を持っている国としての役割は経済分野を含め、ロシア外交の有利な点を与えるものだ。日本の立場にはロシアの路線で具体的で明らかな動きは現時点では見られないが、それでも動きはある。徐々にポジティブなものは蓄えられている。
もちろん、来年どう状況が発展するか、予測は難しい。多くは対米関係、対欧州関係、中東における関係がどう発展するかにかかっている。だが日本人が対露関係を西側が制限する制裁の影響から抜け出させようと必死な様子はすでにはっきりと見て取れる。このため、来年、露日関係により多くのポジティブなことが現れるだろうと思われる。」
http://jp.sputniknews.com/opinion/20151216/1326775.html
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