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「交渉余地のない「イスラム国」は殲滅すべきだ (東洋経済) 」
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東洋経済が、3ヶ月前ならいざ知らずこの期に及んで、クリストファー・ヒル氏(米国外交官でボスニア平和交渉に参加・北朝鮮をめぐる六者会合の元米国代表)の“駄話”を掲載しているのは低劣すぎる。
どこまでが事実かという程度の問題は別として、ISが、周辺スンニ派基盤諸国家支配層や米英仏国家機関に“庇護”されながら生まれ育ったことは、国際政治に関心がある者なら、シリアをめぐるこの間の騒動を通じて確認できている。
(米国政府でさえ、ISがトルコ領を通じて原油を密売していることや周辺諸国の“富豪”がISに献金していることを認めている)
要するに、ISは、イスラムを“換骨奪胎”したい欧米露中などの近代主義者やイスラムを支配の道具としてのみ活用したいムスリム多数派国家支配層が、イスラムの本義を危険でおぞましいと思わせるために利用してきた「アセット」である。
だからこそ、ISに、首切り処刑・女性略奪・強姦など“露悪趣味”を噴出させる一方、欧米メディアはそれを嬉々として報じてきた。
狂信的行動はイスラムを名乗る偽ムスリムによるもので、圧倒的多くのムスリムは健全といった左派的リベラル的発言もみられるが、イスラムの本義(イスラム原理主義)が、おどろおどろしく異様で恐ろしいものという見方が、欧米近代主義(マルクス主義を含む)国家に属する人々の多くに深く強く浸透したことは間違いないだろう。
「アセット」であるゆえ、英米仏の政府がISを殲滅したと言うだけで消え去り、属する人間が同じでも看板が変われば別の組織になってしまうという変幻自在性が、「幻想のイスラム国」の真骨頂なのである。
イラクのISは、これまた米英の友人であるフセイン元大統領派の生き残り勢力が正体を隠すために利用している“偽看板”組織である。
それほ遠くない時期にシリアとイラクからISは消え去り、シリアは元通りではないが再統一に向かい、イラクのIS支配地域ではスンニ派勢力と呼ばれる旧フセイン派がISに取って代わることになるだろう。
恥知らずのヒル氏に言いたい。
「彼らの狂信的思想と悪習はあらゆる文明社会の基準と相容れないもので、この組織と政治、外交、領土面で調整を行うのは不可能だ」という表現は、9.11を筆頭に膨大な犠牲者を出すことさえ厭わない「偽テロ」を数々引き起こしてまで反イスラム戦争を推進してきた英米仏の政治的指導者に対してこそもっともふさわしい言葉である。
さらには、イラク現政権派やサウド家に対し非難がましい言辞を吐いているのもみっともない。
イラク現政権は、まったく理がない米英のイラク侵略と占領を通じて生み出されたものであり、わかりやすく言えば傀儡政権である。(選挙を行ったり反米的言動を許したりすることで見えにくくはしているが)
イスラム原理主義的雰囲気さえ見せているサウジアラビア王家も、WW2までは英国の庇護、WW2後は米国の庇護を最終的な“安全保障”としてきた存在で、戦後日本の政治的支配層に似た立場である。
(米国支配層に軍事基地を供与していていながらワッハーブ派イスラムの篤き信仰者と言うなら、本来なら嘲笑の対象になる。イスラム主義的統治は王家の安全確保策でしかない)
米英仏を中心とした近代世界支配層は、日本支配層も含まれるが表の“同盟国”=使い走りと金づると裏の“テロ組織(過激派)”の両方をコントロールしながら国際政治史を動かしている。
9.11で幕が開いたことが象徴するように、21世紀の国際政治は、近代主義者と不信心イスラム支配層の連合による「イスラム改革」(本義に反し、イスラムを心の中だけに封じ込めようとする政教分離政策)の戦いをメインテーマとして進んでいる。
正義や安全といった大義名分を掲げた戦争、人々の感情をイスラム憎悪やイスラム脅威へと傾ける「偽テロ」陰謀、ドローンなどによる暗殺など、「狂信的思想と悪習」と表現できる無慈悲で暴虐の限りを駆使してまで行いたい「イスラム改革」の目的とは何かを考えるときである。
※参照投稿
「ロシア軍Su24M撃墜をめぐる虚実と目的[参考]:「テロとの戦い」の名目で進められる国際大連合による“イスラム改革”」
http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/823.html
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