http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/869.html
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(投稿者コメント)
6年前の記事ですがあえて転載。
「イスラエル批判=反ユダヤ主義」などという強弁には騙されないようにしましょう。
記載のURL以外にもリンクがあるので、興味ある方はリンク先の元記事を読むことをお勧めします。
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http://d.hatena.ne.jp/zames_maki/20090321
2009-03-21 イスラエル批判をすると反ユダヤ主義と非難されてしまうという現象
ガザ攻撃や村上春樹のエルサレム賞受賞でパレスチナ問題へのネット上の日本人の関心は高まった。しかしその知識・認識は十分ではない。ガザの惨状への同情心から日本人はイスラエルを批判するが、それがなぜ国際的に高まらないかの理解を欠いているようだ。
確かに日本国内ではイスラエル批判は自由にできる、それはホロコーストを肯定するか否かという歴史修正主義の問題とはなんら関係ない。しかしアメリカなど世界ではそうではないようです。国連など欧米世界では「イスラエル批判=反ユダヤ主義」というユダヤ人からの非難は相当に通用する。そこでは「シオニズム批判=イスラエルの政策批判=反ユダヤ主義=ホロコースト否定」となってしまう。それは論理的には不可解だが通ってしまう。そして反ユダヤ主義(ホロコースト否定)のレッテルを貼られた人物は、その言論の力を失ってしまうのです。
こうした事を私もつい最近まで知らなかった、しかしid:negative_dialektik氏の記事はそれに気づかせてくれた、その点で感謝したい。こうした事にid:hokusyu、およびその他を含め多くの日本人が今まで知らないのは責められないだろう、しかしこれからは知ってほしいと思います。
まず、パレスチナ情報センターで多くの発言を行っている研究者早尾貴紀氏の「ユダヤとイスラエルのあいだ」(青土社)ではこう記されています。『こうした情勢の中で、イスラエル批判を反ユダヤ主義にすり替えることで批判それ自体を封じ込めるレトリックが蔓延していく。つまり「反ユダヤ主義」という言葉は欧米社会では「ホロコースト」という経験と不可分になっており、最悪の人種主義たる民族抹殺に対する反省を常に喚起する。「それは反ユダヤ主義だ」と指摘することはすなわち「ホロコースト」を楯にとって絶対的に反論を封じるという効果をもたらすのだ。なおホロコーストとシオニズム/イスラエル建国は因果関係ないし必然的繋がりはない。またイスラエルが国家の正当性を補強するためにホロコーストを利用するようになったのは1960年のアイヒマン裁判以降、そしてその傾向がアメリカにおいていっそう強まったのは1967年の第3次中東戦争以降のことである。』(p186および注)
更に以下にネット上でもこれを確認できるものがあったので記載しておきます。
1 本「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策」(講談社)より
http://d.hatena.ne.jp/name727/20090128/1233097822
イスラエルを支持する人々はイスラエルを批判から守るために、「新しい反ユダヤ主義」というレッテルを相手に貼る歴史がある。(略)
◇ADL(名誉毀損防止連盟)のアーノルド・フォースター他は「新しい反ユダヤ主義」を出版した。この中で二人は反ユダヤ主義が増加傾向にあり、それは他国がイスラエルの行動を支持しないことから明らかであると主張した。(略)
◇ADLのネイサン・パールマター会長他は著書「米国における真の反ユダヤ主義」を発表した。その中で、反ユダヤ主義が復活してきていると主張した。その証拠として、イスラエルに対してアラブ諸国との和平を達成するように圧力がかけらえていること、サウジアラビアに対してAWACS早期警戒管制機が売却されたことをあげた。「ユダヤ人に対する敵意からではないが無意識に行われる「半・反ユダヤ主義的」活動の多くが、ユダヤ人の利益、とくにイスラエルの福利を損ない、それが本当の反ユダヤ主義に移行していく」と主張した。
こうした主張がいい加減なものであることは、90年代に反ユダヤ主義についての言及がほとんどなくなっていたことからも明らかだ。
◆「反ユダヤ主義」というレッテル貼りは、イスラエルを批判する人々を攻撃する武器として米国では特に利用されている。この戦術は主に三つの理由から有効なものとなっている。
(1)反ユダヤ主義は過去の大変な悪(ホロコースト)の否認を意味する。現在の米国では、反ユダヤ主義として糾弾することは、ある人から別の人に向けられる最も強力な非難である。
(2) イスラエルやイスラエル・ロビーを批判する人々を「反ユダヤ主義」として中傷することで、彼らを公的な場所から追いやることができる。
(3) 一度レッテルを貼られてしまうと、貼られた人物は反ユダヤ主義でないことを証明することが非常に難しくなる。(上巻p347以降)
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*上記本の著者はジョン・J・ミアシャイマー(政治学者・シカゴ大)およびスティーブン・M・ウォルト(国際関係論・ハーバート大)であり、政治学の世界的権威である。この本は2007年9月日米同時発売されアメリカではベストセラーになった。学界・論壇で大変な議論になった。
2 日本キリスト教協議会 真野玄範氏?のブログより
http://kumanomi.ferio.net/diary2/archives/4.html
◆シオニズム批判=反ユダヤ主義という非難
「シオニズムについて」(全文はhttp://www.jca.apc.org/ncc-j/publications/palestine.pdf)の第1セクションより、著者:真野玄範(日本キリスト教協議会幹事)
シオニストは、「シオニズムを否定する者は、反ユダヤ/反セム主義者であり、イスラエルの正当性を突き崩し、国際社会から締め出すことを目的としている」と主張し、「反シオニズムだが反ユダヤ主義ではないなどというのはまやかしである」と批判する。
◆そこでよく引用されるのが、マーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の「反シオニズム主義者の友人への手紙」(1967)である。 (略)
「つまるところ、反シオニズムとは反セム主義なのです。」
この<シオニズム批判=反ユダヤ主義>という論理は、イスラエル・パレスチナ紛争をめぐるイデオロギー闘争において、実に効果的な武器として使われている。
◇世界YMCA 同盟は、第二次インティファーダが起こってすぐに派遣した国際調査団の報告書を「反ユダヤ主義のプロパガンダだ」とされて、サイモン・ヴィーゼンタル・センターなどが組織した国際キャンペーンに見舞われた。
私は、その騒動が起こってすぐに着任して一部始終を体験して、「反ユダヤ主義」のレッテルを貼られることは、社会的な抹殺、財政的な圧迫、支援者・会員を失うことを意味すること、妥協することで免れようとする者と立場を堅持しようとする者の間の深刻な分断を意味することを学んだ。
◇(厳しいシオニズム批判をした)2001年に南アフリカ共和国ダーバンで開かれた国連の第三回反人種差別国際会議(WCAR)で私は(「反ユダヤ主義」という名目でのシオニズム批判への攻撃を)実感した。
会議が終わってジュネーブに帰ると待っていたのが、「WCARは反ユダヤ主義者にハイジャックされた」とするキャンペーンであった。WCARでは移住労働者差別や日本の部落差別など広範に渡る諸問題が議論されたにも関わらず、そのキャンペーンによってNGO 会議の成果が記された文書は丸ごと葬りさられたような形になってしまった。
(その結果)国家間会議では前二回の反人種差別国際会議から大きく後退してイスラエルの人権侵害について取り上げない結果になった。
◆このシオニズム批判=反ユダヤ/反セム主義だという強弁と、それによるイスラエル批判封じは、その主張の明らかな破綻にも関わらず、ほとんどが欧米人によって構成されている国際の場では通ってしまうのである。その後も、「反ユダヤ主義者によってハイジャックされた」というシオニストのキャンペーンは、世界社会フォーラムなど、様々な国際会議や国際機関をめぐってエスカレートし続けている。
3 国連ローラ・リアンダ氏の述懐(ナブルス通信2005.3.6号)
http://www.onweb.to/palestine/siryo/un-wjc_jan05.html
◆「『反ユダヤ主義』の恣意的な拡大=反ユダヤ主義ついての決議採択を国連に迫る世界ユダヤ人会議のキャンペーンを分析する」
Deconstructing the WJC campaign for a UN resolution on anti-Semitism
ローラ・リアンダ / Laura Reanda 2005年1月25日
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◇パレスチナ人の状況にコミットしているたくさんの国連機関が、今、「反ユダヤ主義」の名の下に非難を受けています。「反ユダヤ主義」の定義を拡大し、イスラエルの政策への批判を含むものをすべてその括りで封じ込めようと、世界ユダヤ人会議(WJC)が国連においてキャンペーンを行い、ほぼ成功しつつあります。
◇世界ユダヤ人会議(WJC)は、国連総会に反ユダヤ主義を糾弾する決議の採択を求める運動を起こし、署名と募金を集めるキャンペーンを開始した。表面だけ見れば、このキャンペーンは意義のあることで、議論を呼ぶようには思えない。しかし、よくよく調べると、いくつかの疑問が湧いてくる。
反ユダヤ主義を非難する国連決議は、1994年に人種差別と人種差別における特別報告にその問題が義務付けられて以来、国連人権委員会によってずっと採択されてきている。(その後もいくつもの決議で述べられている)
◆世界ユダヤ人会議など総会決議を求めるものたちは、反ユダヤ主義だけに適用される独立した決議と、それに基づく独自のフォローアップ機構を求めている。
(そこで反ユダヤ主義とみなされるものとは)イスラエル政府の占領政策への批判はイスラエル国家に対する攻撃と見なされ、それはすなわちシオニズムへの攻撃であり、年来の反ユダヤ主義に根ざすすべてのユダヤ人に向けられた攻撃ということになり──したがってイスラム過激派の目的に手を貸すもの──になってしまう。というもの。
◇反ユダヤ主義に関する米国国務省のレポートに「ユダヤ人に向けられる憎悪」という定義とともに「イスラエルを悪魔化すること、またはイスラエルのリーダーに対する罵詈雑言」が含まれるのは、たぶん偶然ではない。
◇(総会決議を求めるものたちは)国連を「反ユダヤ主義を世界に広める主要な喧伝屋」と呼び、「ユダヤ人の人々を悪魔のように描き、非正当化し」て、「パレスチナ人を祭っ」ていると告発し、国連に「根本的な改革」を迫っている。長年ジュネーブで活発に活動する世界ユダヤ人会議から派生した「国連ウォッチ」の例に倣い、いくつかのグループがパレスチナ人問題を担当する国連機関を監視し、その活動に非難の声を投げかけている。
(彼らの国連批判が)目新しいのは、キャンペーンの熾烈さとそれが広範囲にわたっていることで、中傷の対象は政治問題を取り扱う機関にとどまらず、経済や社会、人道主義や法律を扱う機関まで広がっている。偏向の罵倒は国連開発計画や人道活動部にも向けられている。国連パレスチナ難民救済機関(UNRWA)は長い間批判の的にされてきたが、パレスチナ人武装メンバーをかくまっているというふうに攻撃はますます激しくなっている。
◇もうひとつ目新しいのは、(パレスチナ問題でイスラエルに批判的な)国連の原則を堅持する国連の職員に対する個人攻撃が激しくなっていることだ。最近の例では、ある組織のウェブサイトには、事務総長が「偏った」レポートを発行するだけではなく、人道主義の法の下における義務をイスラエル政府に申し付けたと非難する声明が掲載されている。
◆これらの例が示すように「反ユダヤ主義」の意味するものは、「宗教や民族的な不寛容の問題」から、「イスラエル政府に対するすべての批評」、そして最終的には、イスラエル対パレスチナの紛争への国際的なアプローチを治める基本原理(国際法などのこと)へと、(世界ユダヤ人会議などのキャンペーンにより)姿を変えてしまった。
残念ながら、執拗な糾弾のせいで、事務総長はこれらの団体と妥協することを決めたようだ。(略)一般に流布される見方に異義を唱える多くの進歩的なユダヤ人の声は反映されなかったので、「反ユダヤ主義」の意味を問い、正当な解決策の達成を目指して真剣に議論する機会は失われてしまった。
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*ローラ・リアンダは元国連職員で、1973年から1998年まで反アパルトヘイト・センター、国連人権センター、パレスチナ権利局で勤務した。1992年から1998年まではパレスチナ権利局(UNDPR)の代表を務めた。
(参考)イスラエル・ロビー、ホロコースト否定論とパレスチナ問題の関係について以下も参照下さい
2009-04-06 ホロコーストの「唯一性」はユダヤのプロパガンダの成果なのか?
2009-04-05 イスラエル・ロビーのひどい活動の証拠
2009-04-02 歴史修正主義とパレスチナ問題とホロコーストの間
2009-03-21 イスラエル批判をすると反ユダヤ主義と非難されてしまうという現象
2009-03-18 イスラエル・ロビーのパレスチナ問題への影響を評価する、ガザはどうなる?
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