http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/844.html
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昨年(2014年)の年の瀬12月28日にエアアジア8501便がジャワ海に墜落し、今なお、90人以上が行方不明(遺体が回収できていない)になっている悲惨な事故である。
ドローンがはびこっている現実だから今では驚かれないだろうが、A320は外部(地上)から遠隔操縦できるようになった最初の旅客機である。
遠隔操縦機能を装備する建前の理由は、ハイジャックに遇った旅客機の制御を地上の政府機関が維持し地上に降ろすことである。
エアバス社製は87年に初飛行したA320以降のシリーズは遠隔操縦が可能で、ボーイング社製は757以降のシリーズが遠隔操縦可能な機種である。
ところが、世界の民間航空機市場を二分するボーイング社とエアバス社は、なぜか、航空機内の操縦者の制御を無効化し外部から制御できる機能が装備されている事実さえ触れたがらない。
そして、遠隔操縦を可能にするアクセスキーはどこの誰が管理しているのか、遠隔操縦できる機関はどこなのか、遠隔操縦で乗っ取ることができる制御はどの範囲(レベル)なのか、遠隔操縦を使用したかどうかの事後チェックは可能で行っているのかなどはまったくわかっていない。
そして、このところ立て続けに起きている民間旅客機の墜落事故及び撃墜事件は、すべて遠隔操縦が可能な機種である。
異様な事故といえば、まず、昨年3月クアラルンプールから北京に向かっていたマレーシア航空370便(ボーイング777)が南シナ海で消息を絶った事故が思い浮かぶ。
本物か偽物かわからないが370便のフラップの一部と言われるものがインド洋レユニオン島(フランス領)で今年7月になって発見されただけで、今なお機体の大半が行方不明で生死を問わず誰一人として発見されていない。
MH370便失踪以降、昨年7月のウクライナ上空でのマレーシア航空17便(ボーイング777)撃墜事件、記事になっているエアアジア機(エアバス320−200)ジャワ海墜落、今年3月にフランスアルプス地方で起きたジャーマン・ウイングス機(エアバス320−200)激突事故そして10月にシナイ半島で起きたロシアチャーター機(エアバス321)と立て続けに5件も起きている。
発表されている情報に基づき整理すると、
1)MH370便(B777):失踪後未発見
2)MH17便(B777):ミサイルで撃墜
3)エアアジア機(A320):整備不良と操縦ミスで墜落
4)ジャーマンウイングス機(A320):精神疾患の副操縦士が意図的に激突
5)ロシアチャーター機(A321):爆薬の爆破で墜落
地対空か空対空かは別としてミサイル攻撃を受けたとされるMH17便も、本来の飛行コースや飛行高度から外れており、なぜ、あそこをあの高さで飛行していたのかという疑問を提起できる。
シナイ半島で起きたロシアチャーター機(A321)についても、爆破、遠隔操縦のいずれであれ“テロ”ということになるからむなしいのだが、リスクがある爆発物持ち込みはないまま墜落させられた可能性を否定できない。
(20Km四方という広い範囲に散らばっているとされる残骸も、きちんとした検証されたわけではない)
また、航空機事故としては異例なことに、エジプトやロシアといった事故当事国を差し置いて、まるでISの代弁者であるかのように、英国や米国の政府が「爆破説」を盛んに唱えた。
航空機事故の原因は、予断されてはならず、フライトレコーダー&ヴォイスレコーダーと残骸を丹念に調査することを通じてもっとも高い可能性を見つけ原因とされなければならない。
日本のメディアなどはロシアやエジプトが爆破説を認めないのはおかしいという頓珍漢で異様な主張まで展開していたが、事故原因は調査を経て公表するとしたロシアやエジプトの姿勢がまともなのである。(ロシアは爆薬の痕跡発見を理由にその姿勢を途中で放棄したが(笑))
ジャーマンウイングス機(A320)も、意図的墜落の経緯については、メディアによる口頭ないし文字レベルでの説明しかなく、ヴォイスレコーダーの録音内容など、副操縦士がおかしな行動に走ったことを示すもっともらしい証拠は出てきていない。
その一方で、ジャーマンウイングス機が激突する過程を8分にわたって監視していた戦闘機の存在や同じタイミングでジャーマンウイングス機ととてもよく似たスペイン映画がロンドンで公開されていたという情報がある。
このようなことから、ジャーマンウイングス機(A320)が遠隔操縦でムリヤリ激突させられた可能性は完全には否定できないのである。
前段の説明が長くなったが、記事の対象であるエアアジア8501便も、異常な飛行過程ののちジャワ海に墜落している。
インドネシア国家運輸安全委員会は、「機体の整備不良によるシステムの不具合とパイロットの操作ミスが事故につながった」という結論を導いているが、大きな疑問である“管制官との応答が途絶えたあとの急上昇と急降下の問題”についてきちんと答えているとは言えない。
インドネシア運輸大臣の説明とリークされたレーダー情報を合わせると、墜落したエアアジア機は、管制の呼びかけに答えなくなった後、1分間当たり9千フィート(2700m)という異常な速さで急上昇した後、次は1分間当たり2万4千フィート(7300m)で急降下(失速)に転じている。
(インドネシア運輸大臣の説明に関する記事を末尾に転載)
エアバス機の操縦系統はフライ・バイ・ワイヤ方式なので、巡航高度飛行中に操縦士がそのこのような操縦をすることはできない。
そのようなむちゃくちゃな飛行をたどった理由として、巨大な積乱雲などの外部要因もあげられているが、同じ日の近い時刻に同じルートを飛行した複数の航空機に問題は起きていない。
気候条件によって意図せず機体が下降したり上昇したりすることはあるが、1分間当たり9千フィート(2700m)という異常な速さで機体を急上昇させる“自然条件”は思いつかない。
(昨日(1日)朝NHKBS1で放送されたシンガポール「CNAニュース」も、調査結果が間もなく出されると報じたとき、「急上昇・急降下の謎」を第一にあげていた)
何より問題なのは、管制に高度を上げる許可を求めたパイロットが、管制からの呼びかけに答えていないことである。
インドネシア国家運輸安全委員会は、原因の一つである整備不良として「機体の飛行方向などを制御するシステムの部品に亀裂が入っていた」ことをあげているが、それが機体の急上昇・急降下をもたらすわけではなく、操縦士と管制とのやり取りを不可能にするわけでもない。
ボイスレコーダーを聞いた人のリーク情報によれば、けたたましい警報音が記録されており、操縦士が、警報への対応を試みた後に警報システムの電源を落としたり、最後まで墜落を回避しようとしていたことがわかるという。(ちゃんと生きていたのであり、管制に応答しなかった(できなかった)理由は重要)
エアバス社は、遠隔操縦においてもフライ・バイ・ワイヤの制約を受けるのかそれともより融通の利く操縦ができるのか明確にする義務があると思う。
また、遠隔操縦で交信機能やトランスポンダーなどの制御までできるかなど、遠隔操縦の機能を明らかにしなければならない。
遠隔操縦を行っているものは、その目的から、当然のようにコックピット内の会話内容が聞こえているはず。
エアアジア機の墜落に至る経緯を簡単に説明する。
[スラバヤ空港離陸後の経過時間]
(37分後)
パイロットが管制に対し、悪天候を避けるため予定ルートから左に逸れたルートの飛行を要求、管制から承認を受ける。同時に、高度を3万2千フィート (約9800m)から3万8千フィート(約12000m)まで上げる要求も行なったが、その空域に他の航空機が存在していたためジャカルタの管制は上昇許可を見送った。(他の航空機が大過なく飛行していたことがわかる)
(39分後)
管制がパイロットに上昇の許可を与えたが、パイロットからの応答はなかった。
※ここから、上述の急上昇→急降下という異常な飛行が始まる。
(42分後)
トランスポンダからの信号が途絶える。
(43分後)
エアアジア機、レーダーから消失。
※関連参照投稿
「OZ214便SFO着陸失敗事故→MH370便南シナ海失踪事件→MH17便ウクライナ撃墜事件という“系譜”」
http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/488.html
「OZ214・MH370・MH17のパイロットたちは“乗っ取り”をどう感受したのか?:MH17操縦士は“異常感なし”」
http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/503.html
「アシアナ航空の着陸失敗「機器にも問題」 :サンフランシスコ国際空港:777の機器設計そのものにも問題とアシアナ航空指摘」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/396.html
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エアアジア機 整備不良と操作ミスで事故[NHK]
12月1日 21時32分
去年12月にインドネシア沖にエアアジア機が墜落し、160人以上が死亡した事故について、インドネシアの国家運輸安全委員会は、機体の整備不良によるシステムの不具合とパイロットの操作ミスが事故につながったとする調査結果を発表しました。
この事故は、去年12月、インドネシアのスラバヤからシンガポールに向かっていたエアアジアの旅客機が、カリマンタン島付近の海に墜落し、乗客・乗員162人全員が死亡したものです。
原因の調査を進めてきたインドネシアの国家運輸安全委員会は、1日、首都ジャカルタで調査結果を発表しました。それによりますと、機体の飛行方向などを制御するシステムの部品に亀裂が入っていたことにより、離陸直後からコックピットには異常を知らせる警告がたびたび表示されていたということです。この異常を知らせる警告は過去1年間に23回表示されていたにもかかわらず、整備が十分行われなかったため、システムの不具合が生じ事故につながったとしています。
また、旅客機は自動操縦装置が機能しなくなったあと大きく傾きながら旋回を始めましたが、本来は機体を立て直すためにパイロットが機首を下げるべきところを逆に急に機首を上げたため、失速し墜落したということです。
このため、国家運輸安全委員会では、機体の整備不良によるシステムの不具合とパイロットの操作ミスが事故の原因と結論付けています。調査結果を受けて、国家運輸安全委員会は、エアアジアに対し、パイロットに危機的な状況下で機体を制御する訓練を行うことなどを求める勧告を出しました。
事故調査結果が発表されたことを受けて、エアアジアは声明を発表し、「事故で命を落とされた乗客と乗員の方々を心より追悼いたします。事故以来、安全性を高めるためさまざまな対策を行ってきました。今後も国際的にも最も高い安全基準を満たすことができるよう改善を続けます」としています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151201/k10010326241000.html
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墜落のエアアジア機、「急上昇して失速」 インドネシア運輸相[AFP]
2015年01月21日 07:03 発信地:ジャカルタ/インドネシア
【1月21日 AFP】先月乗客乗員162人を乗せてジャワ海(Java Sea)に墜落したエアアジア(AirAsia)QZ8501便は、急激に高度を上げ、その後失速したと、インドネシア運輸相が20日明らかにした。
インドネシアのスラバヤ(Surabaya)を出発してシンガポールに向かう近距離フライトの予定だった同機は先月28日、嵐の中を飛行していたさなかに消息を絶った。
インドネシア気象庁は先に、悪天候が墜落の原因になった可能性があると発表。捜査当局は、一次報告書の公開に先立ち、同機のブラックボックスから得られたデータの解析を進めている。
同機の機影がレーダーから消える直前、機長は管制に対し嵐を避けるため上昇する許可を求めていた。しかし同域で他の複数の航空機も飛行中だったため、すぐには許可が得られなかったとされている。
イグナシウス・ジョナン(Ignasius Jonan)運輸相は記者会見で、レーダーのデータを引用しながら「最後の数分間に、同機は通常よりも高速で高度を上げた」と説明し、「同機が出せる通常時の最高速度を超えるスピードで急上昇し、その後失速した」ことを明らかにした。
ジョナン運輸相の会見の前には、インドネシア国家運輸安全委員会(NTSC)が、ボイスレコーダー(音声記録装置)の一時的な解析に基づき、テロの可能性は排除し、人為ミスか機体の何らかの不具合が事故を引き起こしたとする見解を発表していた。同時に同委員会は、機体の主な部分の全ての動きを記録しているフライトレコーダー(飛行記録装置)に残っているデータについても分析を行っている。一次報告書は今月28日に公表される予定。
(c)AFP/Olivia Rondonuwu
http://www.afpbb.com/articles/-/3037146
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