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資本主義作動中
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2015年12月 1日 マスコミに載らない海外記事
Paul Craig Roberts
2015年11月28日
Zero Hedgeは、タイムズ紙に最初に掲載された“ギリシャについて話続けよう”記事を報じている http://www.thetimes.co.uk/tto/news/world/europe/article4624755.ece
記事によると、ドイツのメルケル首相とヨーロッパの銀行によって、ギリシャ国民に強いられた生活水準急落のおかげで、非常に多くの若いギリシャ女性が売春に追いやられている。性的サービスを提供する女性の数が大量に増えたため、価格は、一時間4ユーロにまで低下した。つまり、チーズパイや、サンドイッチに十分な4.24ドルが、強欲銀行幹部が押しつけた緊縮策が、女性の体を一時間利用するのに対して付けた値段なのだ。30分なら、価格は、2.12ドルだ。彼女たちは、最低賃金さえ得られない。
このような記事を読むとパロディーか戯画だと思いたくなる。ロンドン・タイムズは、かなり落ちたものだが、それでもスーパーのカウンターで購入する類の新聞ではない。
この記事で、生活費を援助する経済的余裕がある男性の愛人になると、女子学生たちが広告をしているアメリカのウェブサイトが信ぴょう性を獲得する。様々なニュース記事によれば、愛人こそが、NYUのような授業料が高い大学の女子学生の本業のように見える。
NYUの女子学生は、ギリシャ女子学生よりずっとましだ。愛人関係は、1対1の関係で、長期間続き、愛情のこもったものになる可能性もある。堅物の人々は年齢の差を問題にするが、年齢の差は、長らく上流階級の結婚の特徴だ。売春婦は、多数のパートナーを相手し、相手は皆、性病を持っている可能性があるが、売春婦は見返りに現金しかもらえない。ギリシャでは、もし記事が正しければ、料金が余りに安いので、その代金では、女性は昼食までしか生きのびられない。
つまり資本主義が作動しているのだ。アメリカでは、困窮は、大学予算の75%が、教授陣や学生支援でなく、管理に費やされ高騰する授業料と、卒業生が、学生ローンを返済するのに十分な雇用が欠如していることによる。今どきは、レストランの給仕が、俳優として常勤の仕事に尽きたいと願っている、非常勤講師または非常勤大学教授という可能性がある。愛人として暮らすNYU女子学生の方がより良い結果を得るだろう。
ギリシャでは、困窮は、ギリシャが愚かにも、緊縮策と引き換えに、主権を放棄して加盟してしまった欧州連合によって、ギリシャ国外から押しつけられている。強欲銀行幹部や、EUやドイツ政府にいる連中の代理人は、ギリシャ国民は融資で恩恵を受けたのだから、融資を返済する責任があると主張する。しかし、融資はギリシャ国民に対してなされたわけではない。融資を受け入れるよう、貸し手から賄賂を貰った腐敗したギリシャ政府の連中に対して融資がなされ、その資金は概して、融資をしている国から、物を購入するのに使われることが多かったのだ。例えば、ギリシャ政権は、ドイツ潜水艦を購入するため、ドイツや、他の外国銀行から借金するように賄賂をもらったのだ。ギリシャの借金が膨らんだのは、この種の腐敗によってだ。
強欲銀行幹部のサクラを演じる経済マスコミとネオリベラル経済学者が語る筋書きは、ギリシャ国民が、無責任に金を借り、それを自分たちの幸福のために使い、融資の成果を享受したのに、返済するのをいやがっているというものだ。そんな話はウソだ。しかし、ウソは、銀行自身の過剰貸し出しという失敗を補填するため、ギリシャ国民からしっかり略奪するのに役立つ。銀行は、融資手数料と、潜水艦造船業者からのリベートの両方で儲けた。(潜水艦造船業者は、融資が使われる、様々な外国の製品やサービスの総称として引き合いにだしているに過ぎない。)
ギリシャでは、融資は、ギリシャ人の年金や教育や社会福祉や公務員雇用を削減して“節約された”お金と、港湾や市営水道や保護されていた島などの公有資産売却で得たお金で返済されている。年金、教育、社会福祉や雇用の削減は経済を枯渇させ、公有資産の売却は、政府予算を枯渇させる。マイケル・ハドソンは、彼の新刊『Killing The Host』で、これを非常に巧みに語っている。
結果は広範な困窮で、困窮の結果、若いギリシャ女性は身を売らねばならない。
マルクス、エンゲルスとレーニンが言った通りなのだ。
至る所で、人々は激怒するはずだと思いたくもなる。ところが、Zero Hedgeにコメントを書いた人々の大半にとって、これは単に野卑な冗談を言う対象でしかないのだ。“考えてみろ、バイアグラは女性器の値段の4倍だ。”“女性とデートして、夕食にいくほうがましだ。”大いに称賛されている“欧米の価値観”を代表する連中は、これが憤慨すべきものとは全く見なさないのだ。
http://www.zerohedge.com/news/2015-11-28/meanwhile-greece-price-prostitute-drops-?4-hour
指導力の点で欧米に期待を寄せる親欧米ロシア人の比率は急速にゼロに近づくに違いない。
一体何がより重要だろう? 女性の尊厳か、それとも強欲銀行幹部用の10億ドルか?
欧米“文明”は、答えを出した。強欲銀行幹部用の10億ドルだ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。
記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/11/28/capitalism-at-work-paul-craig-roberts/
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