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反アサド反乱は、ワシントンで画策されていた
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2015年11月24日 マスコミに載らない海外記事
Eric ZUESSE
2015年11月10日 | 00:02
Strategic Culture Foundation
ジョナサン・マーシャルがコンソーシアム・ニューズで報じた素晴らしいニュースは、シリア内戦を引き起こした抗議デモを起こした出来事と、あの戦争の本当の起源に関する、欧米における始めての説明だ。
どの情報源にもリンクを貼らない、権威主義的な実に多数のオンライン‘ニュース’ゴミ報道と違い(連中は、代わりに、ニューヨーク・タイムズやフォックス・ニューズ等の記者や出版社に対する、愚鈍な読者の信仰あるいは信用に頼っている)、マーシャルのこの記事は一流だ。知的に懐疑的な読者が、要点の各文書を即座に読めるようにしているのみならず、それぞれの情報源が信頼に値するものなのだ。情報源と、マーシャルによる説明全てをまとめると、シリア指導者バッシャール・アル・アサドを打倒するための戦争が実際どのようにに始まったかという確かな歴史的説明になっている。アサドがシリアの平和的抗議行動に過ぎないものに“樽爆弾”を(アメリカのバラク・オバマ大統領が好んで主張しいるように)投下して始まったわけではないのだ。実際は何年も前に、ワシントンで始まったのだ。オバマ政権そのものが、アラブ世界の多くの国おにける“アラブの春”抗議行動のみならず、具体的に、反アサド抗議デモが始まる5年前に始まって、シリアで継続している経済的大惨事に付け込んでいたのだ。長期間の干ばつ。マーシャルがリンクを貼った元記事は、“アラブの春”が始まる二年前のことを、こう説明している。
過去三年間、穀物の不作で、地方に暮らす200,000人以上のシリア人が離村し、都市に出ることを強いられ、アレッポ近郊で160のシリア農村が放棄された。この記事だけでも十分悲惨だが、長期的視点で見れば、この意味合いは驚異的だ。これらの村の多くは、8000年間、継続して農耕をしてきたのだ。
元情報は、2010年1月16日に発表された。干ばつは続いた。状況は、2011年内、さらには、戦争を引き起こしたアレッポでの大衆抗議デモまで、ひたすら悪化した。当時は“樽爆弾”などなかった。経済的混乱が急増した。オバマはそれに付け込んだだけだ。彼はそうなることを知っていて、それを利用しようとたくらんだのだ。
実際、ウイキリークスが漏洩した、2008年11月26日の在ダマスカス・アメリカ大使館から、CIAや他の関連機関宛ての極秘電報は、国連食糧農業機関にこう言及していた。
国際連合食糧農業機関シリア代表アブドゥッラー・ビン・イェヒアは、アメリカ領事館経済事務所と、米国農務省地域代表・農業参事官に、シリアの安定性を損ないかねないと彼が考える、干ばつ状態や他の経済的、社会的圧力の重なりあいの"最悪の事態"と彼が呼ぶものについて概要報告した。彼は非常に限られた資源で作業しているため、イェヒアは、食糧農業機関による支援の標的を、最も打撃を受けた北東シリアの県ハサカの小規模農家に向けることを計画していた。(注記:この県の北部国境はトルコに接し、南部国境はイラクに接している。モスルはハサカ県から約100kmだ。)国連での訴えが、これまでの所、全く上手く行かなかったため、イェヒアは被援助国の優先順序を決めざるを得なかった。
これは、オバマが大統領になる三カ月前、組織としてアメリカ連邦政府が知っていたことだ。当時次期大統領だったオバマは、そうした情報に精通していた。大統領になるやいなや、シリアで起きていることを理解する必要があったのだ。この情報を持っているアメリカ政府を信じたイェヒアが愚かだったのだろうか? 現在アメリカ大統領執務室に鎮座している人物の人柄について、彼の認識が甘かったのだろうか? 猟師に追い詰められている時に動くほど、森の中の鹿は考えが甘いだろうか? 鹿は、そうではなく、じっとしているものと考えられようか? バラク・オバマは、選挙運動中、彼がシリア政府に対し、またそれを支援してきたロシア政府に対してさえ、攻撃計画を企んでいると疑わせるような根拠を国民に全く与えなかった。イェヒアは怯えた鹿のように助けを求めていただけだ。
オバマは何が起きているのか知っていたのだ。彼はシリアの状況が“樽爆弾”が原因も理由もなしに、単にどこからともなく突如出現したわけでないことを知っていた。アメリカのマスコミが大衆に伝えている以上のことを彼は知っていた。彼が繰り返して“樽爆弾”に言及するのは、シリアの状況が激化した後、アメリカ国民が、そうした事実を知らないことに付け込んでいるのを示唆している。これは彼が、アメリカ国民を、市民というより、信じて疑わないだまされやすい連中として扱っていることを示唆している。
実際、アメリカ自身の全米科学アカデミーが最近(2015年3月17日)“肥沃な三日月地帯における気候変動と、最近のシリア干ばつの影響”という研究を刊行したが、冒頭はこうだ(アサドが干ばつに貢献していると、布教的に非難しているが)。“肥沃な三日月地帯は、シリア反乱の前、2011年に始まった最も過酷な記録的干ばつに見舞われた。酷い統治と持続不可能な農業や環境政策が特徴的な国シリアにとって、干ばつは触媒効果として、政情不安に貢献した。” (もちろんオバマは、アサドが‘持続不可能な農業や環境政策’を行っているからという理由で、アサドの軍を爆撃するなどと主張してはいない) この報告書の“意義”の章で、研究者-宣伝屋はこう言って終えている。“気候系に対する人為的影響が、現在のシリア紛争に関係していると我々は判断する。”
そこでアメリカ全米科学アカデミーは、この最近研究で、実際シリアは違う政権になるべきだと主張しているのだ。オバマがそこに作り出すことを主張している破綻国家が‘解決’になるだろうか? 米国科学アカデミー(と米国科学アカデミー紀要)は、一体どこまで政治色を強くし、国粋主義化し、布教的になり、この件に関するシリア政府の長年の支援依頼を却下したことでアメリカ政府自体を批判し損ねている、こうした代物を回顧的に刊行するのだろう? 米国科学アカデミー紀要の研究はこれを無視している。論文は逆に“急速に拡大しつつあるシリア都市近郊、違法移住、過密、貧弱なインフラ、失業や犯罪が特徴のアサド政府に無視され、拡大する混乱の核心となった”ともっぱら主張している。
わお、アメリカ全米科学アカデミーは、アサドはもっと独裁的であるべきだったと主張しているのだ! それで干ばつの影響が防げただろうか? このようなガラクタを米国科学アカデミー紀要に掲載する、アメリカ支配体制が発するいかなるものにも、信憑性はもはや無いのだろうか? アサドはオバマより独裁者なのだろうか? アメリカ全米科学アカデミーは本気で、彼は独裁者であるべきだったと考えているのだろうか? アメリカを、その‘民主的’装いで全世界の笑いものとするには、プロパガンダは一体どれほどばかげる必要があるのだろう?結局、民主主義ではないのだ。そして、それに関して行われた、一つの科学研究が、そうではないことを確認した。そこで、アメリカは今や、あらゆる世論調査が、アサドは、いかなる自由選挙でも勝利するだろうことを示しており(しかも最新の世論調査の結果では、彼は少なくとも55%の票を獲得するだろう) シリアに‘民主主義’をもたらすと言い張っている、ところがオバマは、シリアに‘民主主義’を存在させるためには、彼は打倒されなければならないと主張し続けているのだ。
マーシャルのシリア戦争の起源に関するニュース報道は、2015年7月20日、コンソーシアム・ニューズで公開されたが、(コンソーシアム・ニューズ)自身より、購読者数がより多くない(あるいは、より少ない)極めて僅かな各ニュース・サイトでのみ取り上げられ、より広範な読者向けに報じられたにすぎない。RINFと、CommonDreamsと、Truthoutだけが転載した。Redditは、“シリア内戦の隠された起源”という記事見出しを掲載し、コンソーシアム・ニューズ記事にリンクしたが、誰も評価をしておらず、読者コメントはまだ何も投稿されていない。これも、個々の木が、森の中で無視されるようにしてしまうプロパガンダの荒野で無視される、もう一つの本当のニュースに過ぎない。
だから、この三カ月前の大ニュース報道は、アメリカでは現在も依然ニュースなのだ。
マーシャルのニュース報道は、シリア戦争に関するあらゆるニュース報道中、最も重要な一つであり、より広範な注目を受けるに値することは確実だ。そこで
シリア戦争の根源に関する彼の歴史的な説明はここにある。
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調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/11/10/uprising-against-assad-was-engineered-in-washington.html
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