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ロシア陸上界、ドーピング問題の背景 大スキャンダルに発展した理由は? 陸上界にとどまらないロシアのドーピング工作
http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/754.html
投稿者 ダイナモ 日時 2015 年 11 月 15 日 22:34:45: mY9T/8MdR98ug
 

 ニュースは突然だった。

 11月4日、国際陸上競技連盟(以下、国際陸連)の前会長ラミーヌ・ディアック氏がフランス司法当局に身柄を拘束されているという速報が流れてきた。逮捕、収賄、ドーピングというキーワードが並び、不穏な空気が漂っていたが、ここまで大きなスキャンダルに発展すると予想した人は多くなかったのではないだろうか。

 その後、英紙『サンデータイムズ』は、ディアック氏はロンドン五輪前にロシア選手のドーピングを隠蔽(いんぺい)する代わりに、ロシア陸連から100万ユーロ(約1億3200万円)もの大金を受け取っていたことが判明した。さらにディアック氏の息子もドーピング陽性結果の出ていた選手たちや陸連を恐喝していたというとんでもないニュースまで飛び出してきた。

 9日に世界反ドーピング機関(WADA)が320ページにも及ぶ調査結果を発表したが、そこにはロシア陸連そして、コーチ、選手、ロシア反ドーピング機関による隠蔽工作の詳細が描かれている。組織的ドーピングが行われていたこと、薬物使用を拒否した選手は強化選手から外されること、競技会外の検査の際には事前にコーチや選手に通告がされていたこと、また1400以上の検体を破棄していたことなど、信じられないような内容だった。

 報告書に書かれていた「ドーピングが深く根ざした文化」という言葉がぴったりあてはまる、そういう印象を受けた。

 そして13日、国際陸連は臨時の理事会を開催し、理事23名の投票によってロシアの国際大会への出場資格を停止することを決定した。そのほか来年、ロシアで開催予定だった競歩のワールドカップや世界ジュニア選手権の開催権利の剥奪に加え、来夏に迫ったリオデジャネイロ五輪へのロシア選手の出場は認められない、という厳しい処分となった。

 ちなみに今回の決議はすぐに効力を持つため、15日にさいたま国際マラソンに出場予定だったタチアナ・アルヒポワ(ロシア、ロンドン五輪銅メダル)のレースへの出場は主催者側によって取り消された。
過去にも国ぐるみで行われていた

 そもそも今回のスキャンダルのきっかけになったのは、昨年12月にドイツのTV局が放送したロシア陸上のドーピングに関するドキュメンタリーだった。そこでは女子マラソンのリリア・ショブホワなどロシア選手によるドーピングの告発がされており、いかにロシア陸連やロシア反ドーピング機関のドーピング検査が腐敗しているかが克明に描かれていた。

 過去に米ソが冷戦状態にあった際、スポーツ、特に五輪において彼らはメダル数を争い、火花を散らしていた。特に東側諸国は国威発揚のために政治家たちはスポーツを大いに利用していた。冷戦が終わり、ソ連がロシアに名前を変え、さまざまな部分で国や人が変わっても、国威発揚のためのスポーツの利用、そしてメダルを獲得するには手段を選ばない、という考え方は変わらなかったようだ。

 特に東ドイツが国ぐるみでドーピングを行ってきたことは周知の事実だろう。多くの女子選手が筋肉増強剤を投与され、のどぼとけが出たり、ヒゲが生えたり、またガンなど、その副作用で苦しんでいる人も多いといわれている。しかし、問題が発覚したのは冷戦終了後、つまり東西ドイツが統一された後のことだったため、今回のように国際的な処分は下されなかった。当時はドーピング検査自体もほとんど機能していなかったことも、国や組織への処分に至らなかったと言える。

 ここ数年、陸上界ではインドやケニアなどで組織的なドーピングが行われているというニュースが出た。2010年の広州アジア大会、インドのデリーで開催された英連邦競技大会では中長距離でインド女子選手の活躍が目立ったが、それから数カ月後にドーピング検査で陽性反応が出て、処分を受けている。インド政府が雇ったウクライナ人コーチの勧めで薬物を使用したと言われている。ケニアは昨年10月にマラソン選手のリタ・ジェプトゥーの違反が発覚。医者なども薬物投与に関わっていると言われている。どちらの国も発覚した規模が小さかったこともあり、対象選手の処分とWADAからの指導に留まっている。

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自国のドーピング機関が機能せず

 ロシアの場合、自国で反ドーピング機関を持っているにも関わらずほとんど機能していなかったこと、それに政府も関わっていたとされること、五輪でメダルを取った選手の違反が次々と発覚しつづけたことなど非常に大きな問題になっている。さらに国際陸連を買収するという暴挙にも驚きだ。

 2年ほど前までロシア陸連で働いていたロシア人の陸上関係者は以前、「90パーセントのロシア選手がドーピングをしていると思う」と平然と話していたが、それは彼女の主観的な意見というよりも、ロシア陸連で働いて見聞きしたことを総合した、客観的な意見だったのだろうと思う。

 しかし驚くべきは、その後の言葉である。

「ロシア選手は国内に留まり過ぎ。将来的には私が代理人になって、彼らを世界で活躍させてあげたい」と言っていた。90パーセントもの選手がドーピングをしていると考えながら、そういう選手の代理人になりたいという考え方は、理解に苦しむ。裏を返せば、金銭を獲得するためにはドーピングをしている選手の代理人になることも厭わない、と読み取ることもできる。

 余談になるが、知り合いの米国人代理人は「クリーンな選手としか契約(ビジネス)しない」という信念を持ってビジネスを行っている。フィールド競技を中心に現在15名ほどの選手を抱えているが、現在いる選手も、過去に扱っていた選手の中にも処分を受けた選手がいない。ドーピングをしている可能性を予想しながら契約する代理人は、世界的に見ても非常に少ないと思う(その少ない代理人たちがドーピングを勧めている場合もあるのが現実だが)。

 今回の一連のニュースを見ると、処分を受けた選手などは関係者に、プーチン大統領をはじめとした関係者たちは選手に、互いに責任をなすり付け合っている。「見つからなければ何をしてもいい」という考え方が根底にあるのは明白だ。

 スポーツ相をはじめ、コーチなどもに処分は下されているが、トカゲの尻尾切りで、抜本的な解決にはならないだろう。本来であれば、WADAが直々にロシアでドーピング検査を行うべきだが、入国にはビザが必要となり、政府も含めた邪魔が入る可能性もあり、現実的にはかなり難しいだろう。

 ロシアはこれまでの世界大会で常に20個近いメダルを量産していたが、今夏の北京世界陸上でわずか4つしかメダルを取れなかった。ちなみに冬季五輪でのメダル獲得数は、10年バンクーバー五輪で15個だったが、14年にロシアで行われたソチ五輪では33個にも上る。わずか4年間で2倍以上のメダルを取れたのは、「国を挙げた強化が実ったから」だけだろうか。
リオ五輪へのロシア出場は?

 WADAはすでにロシア陸連を資格停止するように国際陸連に勧告したが、13日に国際陸連が暫定的な資格停止を発表した。これは実質的にリオ五輪からのロシア締め出しを示唆しているとも言える。しかし国際オリンピック委員会は「リオ五輪までにロシアが是正する可能性がある」と声明を出しており、各機関の足並みはそろっていない。

 リオ五輪までまだ9カ月近くあるため、今回の決定が解除される可能性もある。国際陸連がロシア陸連に対し強硬策を取り続けられるのかという疑問も残る。国際陸連のトップやメディカル担当者が賄賂を受けとっていたこと、また北京世界陸上前にロシア絡みのドーピング問題が出て、選手やメディア、関係者から「ロシア代表は出場停止を」と声が挙がっていたにも関わらず、その声を無視していた事実も見逃せない。

 8月に国際陸連の会長となったセバスチャン・コー氏はロンドン五輪組織委員会の会長を務めていたが、その際に「反ドーピング」を叫び、過去にドーピング違反をした選手を五輪に出場させないという発言をしていた。特に米国選手への当たりは強く、特定の選手へ個人口撃をしていたことは記憶に新しい。しかし昨年あたりから展開していた国際陸連の会長選の際には、票集めのためか「反ドーピング」に対しては明らかにトーンダウンしている印象があった。ドーピング問題が出ていたロシアやジャマイカ、ケニアを訪問した際にもそういった意見は出なかった。そのあたりの理由も今後明らかになるのだろうか。

 いずれにしても今回のドーピング問題は、陸上界だけではなくスポーツ界全体の氷山の一角だと言える。解決策はあるのか、そしてクリーンなスポーツはあり得るのか。その闇はとても深い。


http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201511140004-spnavi
 

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コメント
 
1. 2015年11月16日 00:33:03 : EAkIk2fULU
シリアで劣勢のダイナモ君、挽回したい気持ちはわかるんだけど、

ドーピングを大スキャンダルにしてシリアの劣勢を挽回する、っつうのは
ちょっと無理があるんでないかい。

米国がISISを支援してるのもバレてるし、ちょっと中東でおいたし過ぎたよなあ。


2. 2015年11月16日 13:12:28 : zIm0erlx0o

ゴミウリの現社員?それともサンケの契約?それともじじのバイト?

いつまで続くかな。



[32削除理由]:削除人:アラシ

3. 2015年11月17日 19:39:59 : LY52bYZiZQ
2015年11月17日(火)
きょうの潮流

 「競走馬に与えられるアヘンと麻薬の混合物」。今から120年以上前、ドーピングの語源である「ドープ」が英語の辞書に初めて載ったときの説明です▽ドープとは昔、南アフリカの先住民族が祭礼や狩猟の際に飲んだ強い酒だったといわれています。辞書に表れた当時、競走馬に薬を投与するケースが相次いだことから薬物検査を導入。これがドーピング検査の始まりでした▽スポーツ界のそれが広く知られたのは、1988年のソウル五輪陸上男子100メートル決勝を制したカナダのベン・ジョンソンでしょう。レース後に筋肉増強剤が検出され、金メダルは剥奪。世界記録も抹消されました▽衝撃の一方で世界を驚がくさせたのが東ドイツの圧倒的な強さでした。100をこえたメダル数はアメリカを抑えソ連に次ぐ2位。人口1700万の国の選手育成が注目されましたが、ベルリンの壁崩壊後に明るみに出たのは国家ぐるみのドーピングでした▽幼少時に発掘した有望選手に毎日飲ませていた錠剤。冷戦下で国家体制の優位性を示すためにスポーツが利用され、「薬なしに勝利なし」の合言葉も。結果、多くの選手が副作用に苦しめられています▽いままたロシア陸上界のドーピング問題で国の関与が疑われています。この国もソ連時代からスポーツを国威発揚の手段とし、不正が続いてきました。勝利至上や商業主義と相まって、まん延するドーピング。人間をサイボーグ化する薬物汚染を根絶しないかぎり、スポーツに未来はありません。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-11-17/2015111701_06_0.html



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