http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/741.html
Tweet |
【モスクワ=常盤伸】ロシア陸上界のドーピング疑惑で、プーチン政権の屋台骨を担う治安・情報機関の連邦保安局(FSB)がドーピングに深く関与した疑いが指摘され、政権が神経をとがらせている。国家ぐるみの不正を否定するロシアと欧米の新たな対立の火種になる可能性もある。
ロシアは社会主義のソ連時代、スポーツを国威発揚の手段として重視し、「ステートアマ」(国家の手厚い保護を受けたアマチュア選手)を育成。五輪でのメダル獲得に向けて筋肉増強剤などの使用が横行した。
ソ連崩壊後の混乱を収拾したプーチン政権も、スポーツをロシアの威信復活の手段に利用。プーチン大統領が先頭に立ち、二〇一四年のソチ冬季五輪など国際的なスポーツ大会の招致を次々に実現した。五輪でのメダル獲得数も急増し、スポーツ大国・ロシアの復活をアピールした。
しかし、世界反ドーピング機関(WADA)の第三者委員会は、独立した存在であるべきモスクワの検査機関が事実上、FSBの監視下にあったとの見方を示す。ソチ五輪ではドーピングの検査所にFSB関係者が頻繁に出入りしていたという。
これは、FSB出身者が中枢を占めるプーチン政権には痛手だ。FSBはプーチン体制で、前身の旧ソ連国家保安委員会(KGB)に匹敵し、すべての国内機関を上回る存在になったとされる。KGBにはスポーツを管轄する特別な部門が存在していたとされ、その悪弊がプーチン政権にも引き継がれているとの疑念を欧米に抱かせかねない。
ロシア紙ベドモスチは「ロシアのスポーツの歴史において最大のスキャンダルだ」と指摘。ノーバヤガゼータ紙は「ロシアの新たなプロパガンダの基礎の一つであるスポーツに深刻な打撃となった」と強調した。
プーチン氏は十一日、独自に内部調査を実施し、国際機関と協力しながらドーピング問題に取り組む姿勢を示したが、国家ぐるみの関与は否定せざるを得ない状況だ。ロシアの陸上選手が来夏のリオデジャネイロ五輪に出場できなくなった場合、プーチン政権は欧米がロシアの名誉を失墜させたとして、さらなる対決に踏み込む恐れもある。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201511/CK2015111302000125.html
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。