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ロシア 組織的ドーピングの衝撃
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投稿者 あっしら 日時 2015 年 11 月 12 日 11:05:01: Mo7ApAlflbQ6s
 


ロシア 組織的ドーピングの衝撃[NHK]
11月11日 19時45分

今月9日、WADA=世界アンチドーピング機構の第三者委員会は、ロシアの陸上界で組織的にドーピングが行われていることを認定したうえで、来年のリオデジャネイロオリンピックも含め陸上競技にロシアを出場させないよう勧告しました。前例を見ない組織的なドーピングがもたらした衝撃について、スポーツニュース部の高橋直哉記者が解説します。


報告書の公表会見が騒然

「ゆゆしき事態だ。文書や証言などを基に調査し、事前の想定よりも実際はひどい状況だった。皆が知ったうえでなければ成立しなかった不正であり、とても残念だ」

9日、スイスのジュネーブで行われた記者会見で、第三者委員会の責任者を務めたWADAのリチャード・パウンド元会長は険しい表情で調査を振り返り、ロシアの陸上界での組織的なドーピングを認定しました。

さらに、ロシア陸上競技連盟は国際大会への参加資格を停止されるべきだとしたうえで、「改善がなされなければ、来年のオリンピックで陸上競技にロシアの選手の姿はないかもしれない」と述べ、スポーツ界最大のイベント、オリンピックでも人気が高い陸上競技にロシアの選手が出場できない可能性を示唆。各国のメディアが速報で伝え、世界中に衝撃が走りました。


問題発覚の経緯と背景

この問題が発覚したのは、去年12月にロシアの陸上選手などが国を挙げた組織的なドーピングを行っているというドイツのテレビ局の報道からでした。

ドイツの公共放送「ARD」が、去年12月3日のドキュメンタリー番組の中で、2009年からシカゴマラソンを3連覇したリリア・ショブホワ選手が「薬物の陽性反応が出たのに、ロンドンオリンピックに出場するためロシア陸連の幹部に多額の金銭を支払って事実をもみ消した」と告白する証言を放送しました。そのうえで、ロシアの複数の陸上選手やコーチなどの証言を基に、ロシアのスポーツ選手たちが日常的な禁止薬物の使用や偽名を使った検査逃れなど、国を挙げた組織的なドーピングを行っている疑惑を報じました。

これを受けて、番組放送後にIAAF=国際陸上競技連盟の倫理委員会とIOC=国際オリンピック委員会が調査に乗り出し、さらにドーピング検査の仕組みを作り各国の機関の監視などを行うWADAが、独立した第三者委員会を設置し、ことし1月から本格的な調査を始めました。


組織的ドーピングの手法

およそ10か月をかけてまとめられた320ページを超える調査報告書では、ドキュメンタリー番組で示された疑惑の検証に加え、第三者委員会が独自の調査で明らかにした数々の違反があげられています。

まず、ドーピング検査の仕組みに関わる点。各国の検査は、それぞれのアンチドーピング機関が、大会で実施する検査項目や抜き打ち検査の日程など全体の計画を作りますが、競技団体はその計画作りには関わらず、指示どおりに選手を検査に参加させます。採取されたサンプルは性別や競技種目は明記されるものの、匿名でWADA公認の検査機関で分析され、陽性や陰性が判断されます。分析内容はオンラインでWADAと共有されるうえ、検査と分析機関が独立性を保つことで隠蔽が難しい仕組みになっているのです。

ロシアの場合、「RUSADA」と呼ばれるロシアのアンチドーピング機構が計画作りを担いますが、報告書では、RUSADAには抜き打ち検査の日程を選手に漏らす習慣があり、検査官が選手から日常的に賄賂を受け取るなど、検査が機能していなかったことなどが指摘されています。

また、WADA公認の検査機関「モスクワ研究所」では、所長が組織的ドーピングを主導し、WADAから選手の検体の保全を求められていたのに、1417の検体を意図的に破棄したとされています。

さらに、一般には知られていない「第2研究所」が存在し、ドーピングが疑われるロシア選手のサンプルはここで秘密裏に検査されて、陽性を示したものは破棄され、陰性のサンプルだけを「モスクワ研究所」に送っていたということです。

報告書では、ロンドンオリンピック女子800メートルの金メダリスト、マリヤ・サビノワ選手が隠しマイクで録音された会話で、「私たちに、ほかに何ができたのか。これがロシアのやり方だった。陸連のコーチがテストの日付を改ざんし、テストの結果を隠蔽してくれた」などと話していることも示され、選手やコーチの間でドーピングが横行していたことが明らかにされています。

この問題を巡っては、ドーピング違反をもみ消すためIAAFの幹部に賄賂を贈っていた疑惑も報じられていて、第三者委員会は、ロシア国外にも問題が広がっていることや真相解明のためには司法当局による捜査も必要だと判断し、今回の調査で集めた情報や資料をインターポール=国際刑事警察機構に提供しました。


勧告と国際機関、ロシアの反応

第三者委員会は調査結果を基に、ロシア陸上界に対し厳しい処分を下すことを勧告しています。

サビノワ選手をはじめ、5人の選手やコーチなど10人について「永久資格停止処分が適当だ」と指摘。ロシア陸連は国際大会について資格停止処分とされるべきで、IOC=国際オリンピック委員会に対し、“ロシア陸連が法令を順守していると認められるまでは”ロシアの陸上競技をオリンピックなどに出場させないよう勧告しました。検査機関の「モスクワ研究所」については、公認取り消しと所長の永久追放を求めました。

これらの勧告を受けた動きはすでに始まっていて、WADAは「モスクワ研究所」の公認資格を停止し、IAAFは「ロシア陸連の国際大会出場停止を含む制裁措置を検討する」と声明を発表。IOCは「IAAFの判断を歓迎する」としていて、ロシアに厳しい処分が下る可能性が高まっています。

一方、ロシアは反発しています。

ロシアのスポーツ省は、「すべての報告書の結果と事実について、適切な対策を取りながら精査する」として独自に検証する方針を示し、「第三者委員会には国際的なスポーツ組織の行動を決める権限はない」と主張しています。ロシア陸連は「問題の解決には資格停止ではなく協力が効果的だ」として、出場資格停止などの措置を取らないよう求める声明を出しました。


ロシアのリオ五輪出場は

今後の最大の注目は、ロシア側がどう出るか、そしてロシアの陸上競技が、あと10か月に迫ったオリンピックに出場できるかどうかです。

これまでの経緯を見ると、IAAFがロシア陸連を資格停止にする可能性は高く、ロシアがドーピングをした選手のリストの提出したり、ドーピング検査の体制を新たに作ったりして状況が改善されたことを証明できなければ、資格停止は解除されないとみられます。

これについて、JADA=日本アンチドーピング機構の浅川伸専務理事は「組織全体での関与を認定していて簡単には解決できず、IOCやWADA、各国を納得させるのはかなり難しい」と話し、ドーピングの問題に詳しい早稲田大学の友添秀則教授は「IOCもWADAも本気で、妥協すればオリンピックの存続に関わる大きな問題になる。ロシアも認めればロシアのスポーツへの社会からの不信を招くと分かっているので、いい解決策がない」と懸念しています。

ロシアが改善しない場合、資格停止は解除されず、IOCもオリンピック出場を認めないとみられ、ロシアがあくまで自分たちが正しいとして強行に反発を続けた場合、オリンピック直前まで混乱が続く可能性があります。

前例がない大規模で悪質な組織的ドーピング違反を前に、国際機関がどう働きかけ、ロシアが応えるのか。世界中の注目が集まっています。

http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2015_1111.html

 

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