いわゆる世俗的ムスリムね。

エルドアンは世俗主義よりイスラム的価値観を見直そうという復古主義の側だから、世俗主義とは折り合いが良くない。

まあエルドアンの最大の誤算は当初アラブの春には距離を置いていて、リビアでカダフィ政権が倒れても関心の薄い反応を示していたのに、それがシリアに及ぶと突如トルコをテロリストの一大拠点にして多くのイスラム原理主義者をシリアに送り込んで、シリア改造に手をつっこんだことだろうな。

その結果、クルド問題を悪化させてしまった。
エルドアンはクルド人も同じムスリムだとムスリム的価値観で政治参加を許したことは本当に評価できるけれども、シリアのクルド人をトルコから出撃しているテロリストたちが攻撃してそれがトルコのクルド人組織の影響下にある組織だったことから、一挙にクルド人の信頼を失った。

ましてトルコのクルド人組織は社会主義者の組織であるので、エルドアンの公正発展党とは相反する。
大統領選をめぐってはついこの間、在日トルコ大使館前で日本在住のトルコ人とトルコ系クルド人たちがエルドアン支持、不支持をめぐって乱闘騒ぎを起こした一件が象徴的だ。

阿修羅ではなぜか戦争板や国際板の記事スレに上がっていないが、トルコ本国の緊張が遠く離れた日本で噴出している現実こそがなによりも国際情勢とはこういうものだと教えてくれる見本であるのに意外と鈍感なんだなと思った次第。