（ブルームバーグ）：ニューヨーク・ブルックリンのステーキハウス「ピーター・ルガー」で昨年９月に催されたバースデーパーティーは、ニューヨーク連銀から米銀ゴールドマン・サックス・グループに移籍したばかりのロヒット・バンサル氏にとって、多くの耳寄りな内部情報を得る機会となった。しかし、それが同時に解雇と今後の訴追の引き金を引く出来事になるとは知る由もなかった。

監督当局によれば、ニューヨーク連銀に勤務する元同僚ジェーソン・グロース氏のパーティーで、バンサル氏はゴールドマンの顧客だったニューヨークの中規模銀行に関係する情報をグロース氏から入手した。同氏はディナーが終わった後、連銀がその銀行に翌日与える評価に関する情報をいち早く上司にメールで伝え、その３日後にはゴールドマンの同僚に連銀の内部資料を流したという。
この違反行為は、ウォール街と監督当局との時としてなれ合いの危険がある関係を浮き彫りにするものであり、ゴールドマンはニューヨーク州金融サービス局への5000万ドル（約60億4000万ドル）の支払いに応じざるを得なくなった。

ゴールドマンの経営陣はバンサル氏が連銀から内部情報を入手したことを把握した時点で同氏を上司と共に解雇し、調査を開始した。事情に詳しい関係者２人によれば、内部資料を提供したグロース氏も連銀から解雇された。関係者の１人によると、バンサル、グロースの両容疑者は、マンハッタンの米連邦地検から略式起訴され、週内にも有罪答弁を行う見通し。

バンサル氏の代理人であるスコット・モビロー弁護士は、コメントを控えている。グロース氏の代理人であるブルース・バーケット弁護士に罪状認否に関するコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。ゴールドマンは、連銀の内部情報漏えいをめぐりニューヨークでの一部助言業務を３年間禁止する処分も受け入れた。

ニューヨーク州金融サービス局によると、バンサル氏は20回程度の機会を通じて約35件の内部文書を入手した。グロース氏が連銀の文書をバンサル氏の個人のメールアドレスに送り、同氏が自分のゴールドマンのアカウントに転送していた。

原題：Goldman Banker’s Fall Over Leak Followed Peter Luger Party (2)（抜粋）
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更新日時: 2015/10/30 07:22 JST
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